ノウゼンカズラの種類
ノウゼンカズラはとても種類が多く、中国中南部地方や熱帯地方を中心に約20属800種が分布しています。日本では中国から渡来した品種とアメリカ原産種が多く、園芸用品種として交配種も多く出回っており、どれも夏の庭を彩る花として人気です。そこで、いくつかノウゼンカズラの種類をご紹介します。
ピンクノウゼンカズラ
鮮やかな赤やオレンジ色のノウゼンカズラに比べて、淡いピンク色で優しい花を咲かせます。南アフリカ原産のため寒さに弱い特徴があり、庭に植えるよりも鉢植えにしたほうがよいでしょう。冬は室内に移動させると越冬できます。
テコマスタンス
明るい黄色い花を咲かせるテコマスタンスは、別名「キンレイジュ(金鈴樹)」と呼ばれます。つる性ではなく、ノウゼンカズラよりも小さい花がまとまって咲きます。アメリカ南部から中南米が原産のため、暑さに強く寒さに弱い特徴があり、鉢植えにして冬は室内で管理するとよいです。
アメリカノウゼンカズラ
ノウゼンカズラよりも小ぶりな花を咲かせるアメリカ原産の種類です。別名「コノウゼンカズラ」とも呼ばれています。筒状の細長い花を咲かせ、赤みのかかったオレンジ色が特徴といえます。
タグリアブアナ
ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラの交配種です。ラッパ状の花の形はノウゼンカズラに赤みのかかったオレンジ色は、アメリカノウゼンカズラの特徴を受け継いでいるといえます。「マダム・カレン」という種類が代表的です。
ノウゼンカズラの育て方
生命力の強いノウゼンカズラは、1本だけで大きく育つ丈夫な植物です。水やりや肥料の手間もかからず初心者にも育てやすいといえます。しかし、放っておくと伸びすぎたつるが他の植物に絡まり枯らしてしまう心配があります。ノウゼンカズラの育て方と注意する点について解説します。
環境
直射日光のあたる水はけのよい場所を好みます。日陰は花が咲きにくいため、蕾ができても咲かずに落ちてしまいます。つるが伸びても他の植物に絡まないか、フェンスや壁の邪魔にならないなど、周囲のスペースを考えた場所に植えるようにしましょう。
水やりと肥料
水やり
庭に植えた場合は、夏以外は降雨のみで育てることができます。開花時期は毎日たっぷり水をあげたほうがよいです。鉢植えの場合は、土の表面が乾いた時に水やりをしましょう。あまり水やりの手間がかからないことが、育てやすさのポイントです。
肥料
2月と4~5月に1回ずつ肥料を与えます。緩効性の化成肥料や鶏糞、油かすなどの有機肥料を株元に与えるようにしましょう。肥料が多すぎると、花つきが悪くなることがあるので注意する必要があります。
植え付けと植え替え
植え付け
つる性のため、這い上がる時に巻き付くことができるように支柱を立てます。支柱の代わりに庭の樹木や家の壁、フェンスなどでもよいです。つるは日の当たる明るい方向へ伸びる性質があるため、つるの伸びる方向を考えて植え付けましょう。広いスペースのある場所がおすすめです。
植え替え
鉢植えした場合は、根詰まりを起こすことがあります。これはノウゼンカズラの強い生命力が原因で、鉢の中で根が詰まってしまうためです。3月中旬~4月に土を軽く落とし、二回りほど大きい鉢に新しい腐葉土を入れ、植え替えを行いましょう。
剪定
ノウゼンカズラの花は春から伸びる新しい枝先に咲くため、剪定は春になる前の12月~2月下旬に行います。太い枝を残し、幹から伸びる細い枝や、伸びすぎた枝を切り風通しをよくしましょう。つるが他の植物に絡んでいる場合も取り除く必要があります。生命力の強さからつるがどんどん伸びてしまうため、冬の剪定は欠かせない作業になります。
掃除
ノウゼンカズラの花は、咲き終わると花をそのまま落とします。落ちた花を踏んでしまうとこびり付いて取りにくくなるため、こまめに掃いて掃除をする必要があります。開花時期は、落花の掃除が必要と覚えておきましょう。
育てる時の注意するポイント
- 日当たりのよい場所に植える
- つるが伸びるスペースを考える
- 必ず冬に剪定を行う
- 開花時期は落花の掃除が必要
まとめ
「夏の花」ともいえるノウゼンカズラは、華やかで元気のある花です。毒性のある蜜に注意は必要ですが、1本だけで見ごたえのある樹形に育つため、育てやすい点も魅力的です。澄み切った夏の青空にオレンジの花がよく映えて、南国のような明るい庭を演出してくれるのではないでしょうか?
- 1
- 2
出典:写真AC