オヤマボクチとは
まずはじめに、オヤマボクチの基本情報をお伝えします。名前の由来やどんな場所で見られるかなど詳しく知ることで、よりオヤマボクチの魅力をより感じることができるでしょう。
基本情報
分類 | キク科ヤマゴボウ属 |
形態 | 多年草 |
別名 | ゴンボッパ・ヤマゴボウ・ネンネンボウ |
分布 | 北海道、本州東部以北・四国 |
場所 | 日当たりのよい山野・草原 |
栽培地域 | 長野県・新潟県 |
花期 | 9月~11月 |
草丈 | 80cm~150cm |
オヤマボクチはキク科で、似た花をつける「アザミ」の仲間です。名前の語源は、「お山」に生えている「火口(ほくち)」(火打石から火をとっておこすときに使われた繊維)という意味です。地域によってさまざまな呼び方があり、昔から山菜として食用に利用されていました。
オヤマボクチの分布
オヤマボクチは愛知県を境に、四国・本州東部以北~北海道の日当たりがよい山中や草原に多く分布しています。愛媛・高知・徳島・千葉などの一部地域ではレッドリスト中に指定されており、以前と比べて数が少なくなりました。本州西部以南からは、オヤマボクチよりも小ぶりの「ヤマボクチ」が多く分布しています。
オヤマボクチの特徴
次は、部位ごとの特徴をご説明します。よく似た花をつけるアザミ属の植物もありますので、山で探すときのポイントをしっかりとおさえて、野山の散策を楽しみましょう。
花
オヤマボクチの花は3~3.5cm程度の大きさで、丸く濃い紫色をしておりトゲがついています。アザミの仲間であり似た花が咲きますがよく見ると全く違います。違いは、アザミの花は上向きに咲き、オヤマボクチは下向きに咲きます。
繊維
葉の裏にある白い繊維は、古い時代には火おこしのときに利用されていました。また、繊維そのものが大変強く、昔から奥信濃地域では蕎麦のつなぎとして受け継がれています。
葉
ゴボウの葉と似ており、葉の大きさは20~35cmほど、形は卵型だ円形で互生しギザギザしています。裏面には白色の細かい繊維が密集しており、この部分を取り出して利用したり、若葉を収穫して料理したりと用途はさまざまです。
根
オヤマボクチの根は、地中に細長いゴボウのような根を張り左右に広がります。特定の地域で味噌漬けなどにして昔から食べられていました。
出典:写真AC