アキノキリンソウとは?特徴やセイタカアワダチソウとの違いもご紹介!

アキノキリンソウとは?特徴やセイタカアワダチソウとの違いもご紹介!

秋の草原などに咲く黄色の花「アキノキリンソウ」とはどんな野草でしょうか。「アキノキリンソウ」の葉や花などの特徴・仲間の野草をご紹介します。また、同じ秋に咲く黄色の花で混同されがちな「セイタカアワダチソウ」との違いについても解説します。

記事の目次

  1. 1.アキノキリンソウとは?
  2. 2.アキノキリンソウの特徴
  3. 3.アキノキリンソウの仲間
  4. 4.セイタカアワダチソウとの違い
  5. 5.まとめ

アキノキリンソウとは?

アキノキリンソウ

アキノキリンソウは、日本各地の山地や草原で見られる多年草です。8~11月頃に黄色の花をつけます。山地の道路端などに何気なく咲いている黄色の花を、一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。

アキノキリンソウの基本情報

名前 アキノキリンソウ、アワダチソウ
学名 Solidago virgaurea ssp. asiatica
区分 キク科アキノキリンソウ属
原産地 ユーラシア
分布 日本(北海道から九州)朝鮮
形態 多年草
高さ 20~100cm
開花時期 8~11月

アキノキリンソウの特徴

葉の特徴

出典:写真AC       

アキノキリンソウの根生葉(こんせいよう)は、卵形ですが開花時には枯れてしまうため開花中には見ることができません。茎につく葉は、単葉で卵形から披針形で、縁に鋸歯があります。葉の裏にある網目模様が特徴的です。

ボタニ子

ボタニ子

根生葉とは、根から出ているように見える葉のことです。

花の特徴

出典:写真AC     

アキノキリンソウの花の特徴は、何といってもきれいな黄色です。長く伸びた茎の上部に黄色の花を多数咲かせます。花の中心に筒状花、外側に舌状花があり、近くでも見ても可愛い花です。

種の特徴

アキノキリンソウは花が終わると綿毛(冠毛)をつけます。この綿毛は果実一つ一つにつき、果実の中には種が入っています。果実の皮は熟すと乾燥して硬くなり、種の入った果実ごと飛んでいきます。

名前の由来

出典:写真AC

ボタニ子

ボタニ子

これは「キリンソウ」ですよ。

「アキノキリンソウ」という名前は、「キリンソウ」と似たような黄色の花を秋に咲かせることからつけられました。「キリンソウ」はベンケイソウ科の植物で、5~8月に咲きます。また、「アキノキリンソウ」は別名「アワダチソウ」とも呼ばれます。これは、花が泡立つように咲くからと言われています。

アキノキリンソウの仲間

ミヤマアキノキリンソウ

出典:写真AC   

「ミヤマアキノキリンソウ」は、アキノキリンソウと同じキク科アキノキリンソウ属の野草です。日本全域の里山から亜高山帯までに分布するアキノキリンソウに対して、ミヤマアキノキリンソウは本州中部から北海道の亜高山帯から高山帯に分布します。

アキノキリンソウとミヤマアキノキリンソウは区別が難しい!

ミヤマアキノキリンソウは、アキノキリンソウと大変よく似ています。アキノキリンソウの花序(茎につく花の配列状態のこと)は茎が伸びてまばらに花が付く傾向にあります。それに対して、ミヤマアキノキリンソウの花は頭頂部にまとまって咲きます。しかしながら、アキノキリンソウも頭頂部にまとまって咲く場合があることから、この二種の区別はとても難しいです。

イッスンキンカ

イッスンキンカは、屋久島の高所にだけ分布するアキノキリンソウ属の野草です。高さが5~7cmのとても小さな多年草で、アキノキリンソウを小さくしたような、そっくりな黄色の花を咲かせます。漢字で「一寸金花」と書きます。

セイタカアワダチソウとの違い

セイタカアワダチソウ
Photo byGoranH

セイタカアワダチソウは、北アメリカ原産の帰化植物です。アキノキリンソウの別名「アワダチソウ」より背が高いことが由来となっています。同じキク科アキノキリンソウ属であり、秋に黄色の花を付けるのでセイタカアワダチソウとアキノキリンソウが混同されがちです。この二種の違いを見てみましょう。

花序を見れば一目瞭然

セイタカアワダチソウ

花色は同じ黄色で近くで見れば似たような花形をしていますが、ちょっと離れて花序(花の付き方、配列の状態)を見ると明らかな違いがみられます。

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウの花序をみると、枝に沿って円錐状に花が付き、全体的には大きな傘状になっています。

アキノキリンソウ

出典:写真AC      

アキノキリンソウは、長い茎に沿って上部から先にかけて間隔をあけて花を付けます。

セイタカアワダチソウは群生する

Photo by Kentaro Ohno

セイタカアワダチソウの大きな特徴として、繁殖力の強さがあげられます。よく道端や河原などで群生しているのを見かけます。セイタカアワダチソウは地下部から、植物の種子の発芽を抑制する成分「アレロパシー物質」を分泌します。このアレロパシーの作用により、他の植物が発芽しにくくなるため、空き地などではセイタカアワダチソウが大変繁殖しやすいのです。しかし、数年経つとアレロパシーが土に増えすぎてセイタカアワダチソウ自身が育たなくなるともいわれています。

ボタニ子

ボタニ子

「アレロパシー」怖いですね~~~ もし庭などにセイタカアワダチソウが生えてきたらすぐに抜かないと大変なことになりますね。

セイタカアワダチソウは根がとても深くまで伸びる植物なので、しっかり根っこまで取り去りましょう。

冬の間はロゼット葉で冬越し

セイタカアワダチソウの根生葉は、ロゼット葉になります。この状態で冬越しをします。アキノキリンソウの根生葉は、卵型で円状で上方へ伸びる形状をしています。根生葉の違いにより、この二種は区別できます。

ボタニ子

ボタニ子

ロゼット葉とは、根生葉が放射線状に丸く葉を伸ばしている葉のことを指します。バラのロゼット咲きににていることからロゼット葉と呼ばれます。

まとめ

出典:写真AC     

アキノキリンソウは日本原産ではありませんが、「日本の原風景に咲く風情のある花」という印象があり、いかにも日本らしい野草です。同じ黄色の花でちょっと似ている、存在感抜群の帰化植物のセイタカアワダチソウと混同されがちですが、花序の特徴は全く違います。8~11月に高原などに出かけた際は、アキノキリンソウを探してみてはいかがでしょうか。可愛い黄色の花に心が癒されるかもしれません。

chomi55
ライター

chomi55

ガーデニング歴20数年、バラ好き・小花好きです。野菜も大好き。ミニトマトとベビーリーフを育てています。チョコレートは相当好き。

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