オヤマボクチに似た植物
ハバヤマボクチ
ハバヤマボクチは、主に本州・四国・九州に自生しています。オヤマボクチとの違いは、葉の形と花のクモ毛の多さです。葉は三角形の翼が生えたような形をしており、オヤマボクチと比べて花の周りのクモ毛が多いといえます。
キクバヤマボクチ
近畿以西の本州・四国・九州に自生している「キクヤマボクチ」は、葉が手のひら状に深く切り込んでおりキク葉のような形をしていることから、その名前がつけられました。花は淡い紫や白色です。
名前が似ている植物
オヤマボクチの別名である「ヤマゴボウ」と名前が似ている、ヤマゴボウ科の「ヨウシュヤマゴボウ」がありますが、この植物は毒性があり食用にはできませんので注意が必要です。
オヤマボクチの食べ方
オヤマボクチは昔からさまざまな料理に利用されています。中でも有名な4つの食べ方やレシピをご紹介します。各地域で受け継がれている味を味わうために、地元に足を運んで楽しんだり、可能であればご自宅で作ってみるのもよいかもしれませんね。
蕎麦
オヤマボクチの繊維を使って作る蕎麦といえば、長野県の「富倉蕎麦」が有名です。富倉蕎麦はその地域で受け継がれてきた味であり、収穫祭で振る舞われたごちそうでした。繊維が強く無味無臭なので、こしがあり蕎麦の香りを存分に楽しめます。
お餅
福島県では「凍み餅」と呼ばれるお餅が作られています。オヤマボクチの若葉やよもぎを餅に練り込んで、冬の寒い時期に軒先に吊るすことで、長期保存が可能です。醤油やきな粉をつけて食べるとおいしいですよ。作り方は以下の通りです。
- うるち米1合ともち米1/2合を混ぜ合わせて、一晩水につける
- 炊飯器で柔らかめに炊く
- オヤマボクチの葉は重曹などで煮てアクを取る
- お湯を少しづつ入れながら、2と3を混ぜた餅をつく
- タッパーに入れて冷ます
- 固まったら、1cm弱の幅に切る
- 紐でむすんで、寒い日に軒下に干す
- 約1ヵ月で完成
天ぷら
オヤマボクチの若葉を天ぷらにする食べ方もあります。天つゆか塩でシンプルに、程よい苦みと香りがとても好きな方もおられます。
漬物
根を味噌漬けにして食べている地域もあります。ヤマゴボウの漬物はよく知られていますが、一般的に売られている「ヤマゴボウの漬物」は主にアザミの根を使用しているため別物です。
まとめ
オヤマボクチは、昔から山菜として大切に食べられてきた植物です。自生しているものは多くありませんが実際に見に行ったり、つなぎとして利用した蕎麦やお餅などの伝統料理を味わうためにお出かけしてみたりすることで、新しい発見があるかもしれませんよ。
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ヨウシュヤマゴボウ(出典:写真AC)