油虫(アブラムシ)の天敵
アブラムシには、苦手な天敵となる虫がいくつかいます。もし農作物や植物へアブラムシが寄生したら、農薬での駆除以外にも天敵の虫を使った予防方法も使えます。ここでは、アブラムシの天敵とされる生物について見ていきましょう。
テントウムシ
アブラムシの天敵の昆虫は「テントウムシ」です。テントウムシは成虫と幼虫ともにアブラムシを捕食してくれる頼もしい味方です。
テントウムシは3種類に分けられ、それぞれ肉食、草食、菌食という性質があります。アブラムシを捕食するのは肉食のテントウムシです。アブラムシを捕食する肉食テントウムシには、ほかにもナナホシテントウムシやダンダラテントウムシ、ナミテントウムシなどがあげられます。
寄生バチ類
蜂のなかには「寄生バチ」という種類がいます。その一つが「アブラバチ」です。アブラバチはアブラムシの体内に卵を産みつける性質があります。その幼虫がアブラムシの養分を吸いながら生育し、最後には死滅させてしまうのです。
しかも、一度に約300個以上の卵を産みつけてしまうという強力な虫です。アブラムシ駆除にはとても有効的な昆虫といえます。アブラムシに属した種類としてコレマンアブラバチ、ギフアブラバチなどがいます。
油虫(アブラムシ)の駆除
アブラムシの駆除として、天敵であるテントウムシやアブラバチの力を借りるのもよいでしょう。しかし、なかなかそうもいかない環境や状況の場合、どのような対処をしたらよいのでしょうか?ここでは誰にでもできる、アブラムシの駆除対策についてご紹介します。
牛乳を噴霧する
アブラムシの駆除で気軽に使えるのが牛乳です。そのまま、もしくは水で薄めたものを霧吹きに入れて直接吹きかけます。牛乳特有の膜によってアブラムシを窒息させる効果があります。発生時期が初期のうちは効果的です。ただし、噴霧した後にはしっかりと洗い流すことを忘れないようにしましょう。放置すると植物に悪い影響が出ます。また、大量発生時の効果は期待できないかもしれません。
石鹸水を噴霧する
牛乳と同じようにアブラムシを窒息させる効果があるのが石鹸水です。目安としては500mLペットボトル1本に油を2~3摘たらし、台所用洗剤などを同量たらします。それをスプレーボトルに入れて噴霧すれば完了です。なるべくアブラムシへ直接スプレーしましょう。この方法でもしっかりと洗い流すことがポイントです。ただしアブラムシが大量発生しているときは効果が期待できません。
木酢液を使う
アブラムシ駆除で効果が期待できるのが、木酢液(もくさくえき)です。木酢液はホームセンターや生花店、インターネットなどで購入できます。アブラムシを含めた害虫予防だけではなく、土壌消毒や有用微生物の増加、根や芽の生長促進にも効くためおすすめです。
まとめ
特に夏が過ぎて秋ごろに発生しやすいことで季語にもなっているアブラムシですが、それほど優雅なものではなく、植物を蝕む厄介な害虫です。まずは早めの駆除を実践することが大切です。種類もたくさん存在し、1カ所でじっくりと寄生するものや、羽を持ち自由に飛び回るものもいます。花や植物を守るためにしっかりアブラムシ対策をしておきましょう。
- 1
- 2