イシクラゲの駆除方法
この章では、イシクラゲの具体的な駆除方法について紹介します。庭に生えている雑草に使用する一般的な除草剤では、イシクラゲを駆除できません。駆除効果が期待できるものとして、苔用の除草剤や市販されている酸性成分があります。
イシクラゲの駆除方法①専用の除草剤
イシクラゲは一般的に使用される除草剤は効果がありませんが、苔専用の除草剤を使用することで駆除できます。いくつかの薬剤がありますが、インターネットの口コミで評判のよい除草剤を紹介します。
おすすめの除草剤①イシクラゲに効果的な「コケそうじ」
イシクラゲに効果があると紹介されている除草剤が「コケそうじ」です。コケそうじには、そのまま使えるスプレータイプと使用するときに20倍に薄める原液タイプがあります。駆除方法は、湿っている状態のイシクラゲにたっぷりとコケそうじを散布するだけです。
安全性が高い面でもおすすめ
この除草剤には、イシクラゲの駆除成分としてグレープフルーツ種子抽出物(GSE)が含まれています。化学合成成分ではなくグレープフルーツから抽出された天然由来成分のため、安全性が高いといわれています。イシクラゲは庭以外の場所にも発生し、散布する場所は広くなりがちです。成分の安全性が高いと安心して使えますね。
おすすめの除草剤②芝生用の除草剤「キレダー」
芝生にはイシクラゲだけでなく他の藻類や苔も発生しやすく、除去するための除草剤はいくつかあります。その中でイシクラゲにも効果的な薬剤が「キレダー」です。キレダーの粉末を50~100倍に薄め、噴霧器を使って湿って膨らんだイシクラゲに散布しましょう。散布後イシクラゲが緑色から黄色に変色し、しばらくすると枯れてしまいます。
イシクラゲの駆除方法②酸性物質
イシクラゲはアルカリ性で増えるため、土を酸性にすると繁殖できなくなる生態があります。この生態を利用し、イシクラゲを駆除できます。酸性成分の中でも「クエン酸」は、酸の力が強く駆除効果も期待できます。薬局や100円ショップで手に入れられ、使用方法も簡単です。クエン酸を水に溶かし、じょうろなどで発生が気になる場所へ散布しましょう。
酢は効果がない
身近な酸性の液体として「酢」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、酸の力が弱く駆除効果は期待できないうえ、鼻をさすつんとしたにおいがあります。そのため、イシクラゲ駆除への使用はおすすめできません。
イシクラゲの駆除方法③殺菌消毒する
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イシクラゲの駆除方法として、繁殖する原因となる細胞を殺菌する方法も考えられます。殺菌効果を持ち、手に入りやすい商品に「重曹」があります。重曹を水に溶かし、じょうろや噴霧器を使用して湿った状態のイシクラゲに散布しましょう。
熱湯も殺菌効果がある
「熱湯をかける」ことでもイシクラゲの細胞を殺菌できます。しかし、イシクラゲを殺菌するには多量の熱湯が必要です。手間もかかるうえ、やけどの危険性もあり、おすすめできる方法ではありません。
イシクラゲの駆除方法④手で取り除く
イシクラゲを駆除するには、手で取り除く方法もあります。薬剤を散布するよりも手間はかかりますが、気になるイシクラゲをすぐに除去できます。除去作業は、乾燥してパリパリしているときではなく、湿って膨らんでいる状態で行いましょう。乾燥したイシクラゲは砕いてしまうと種となる胞子をまき散らす性質があり、その胞子が発生原因となります。
続いて、イシクラゲの発生を抑える対策をご紹介します。
イシクラゲの発生を抑える対策
イシクラゲは紹介した方法で駆除はできますが、完全に除去し再発生を防ぐことは難しい植物です。まず、イシクラゲは乾燥した状態で、繁殖できる環境に変わることを待てる植物です。また、種となる胞子は空気中を漂っており、庭に胞子が飛んでくるのを止めることは不可能です。この章では、イシクラゲを発生しにくくするためにどのような対策があるのか紹介します。
イシクラゲ対策①水はけをよくする
庭の水はけをよくすることは、イシクラゲ対策として最も効果的です。水はけをよくするには、雨水を庭にためないようにすることを第一に考えます。具体的には次のような方法があります。
- 庭に傾斜をつけて雨水が流れるようにする。
- 雨水をためる穴を掘って、土の表面にたまる雨水を逃がす。
- 庭にパイプや排水溝を通し、雨水を流すルートを作る。
芝生はエアレーションする
芝生の場合、エアレーションを行うとイシクラゲの発生対策になります。エアレーションは、ローンスパイクといわれる専用の道具を使って地面に小さな穴をあける作業です。芝生の土を耕す目的で行われ、水はけをよくするほか芝生の病気予防にもなります。
イシクラゲ対策②酸性に戻す
イシクラゲは酸性の環境では生育しないため、土を酸性に戻す方法もあります。庭土に「鹿沼土」を混ぜ込むと、土を酸性にするだけでなく水はけをよくする効果も期待できます。また、火山灰を含んだ「黒ボク土」の使用もおすすめです。土を酸性にしすぎると他の植物の生育に影響が出るため、クエン酸などの酸性物質を散布するのは駆除するときだけにしましょう。
石灰のまきかたに注意するのも効果的
日本では雨が弱酸性のうえ、土をアルカリ性にする成分が雨で流れてしまいます。また、植物に与える化成肥料も酸性と、土は酸性になりがちです。土を中和するために石灰をまくこともありますが、石灰をまく量や範囲に注意することもイシクラゲの発生を抑える対策になります。
イシクラゲの発生対策③植物を植える
イシクラゲは除草剤をまいて雑草がなくなった部分や野ざらしの庭に発生しやすく、この場所に植物を植えることでも発生を抑えられます。これは、植物は酸性物質を排出しながら成長し、周囲の土を酸性にするためです。また、植物に与える化成肥料も酸性で土がアルカリ性になることを防げます。イシクラゲではなく、花や緑がある庭のほうが見ていて気持ちもいいですね。
芝生には目土を入れる
イシクラゲは芝生のスカスカする部分に発生しやすいため、定期的に目土を入れることでイシクラゲ対策ができます。販売されている目土専用の土や、川砂が利用されています。
イシクラゲは食べることができる
庭にあると気になる植物で駆除する内容ばかりを紹介してきましたが、庭に生えているイシクラゲは食べることができます。砂やごみを水できれいに洗ったあと、しっかり湯通しして酢の物にして食べられることが多いです。ワカメやモズクと比べ、磯の香りがなくあっさりとした味を楽しめます。
イシクラゲの飴がある
イシクラゲは、他の植物と比べて強い繁殖力があります。地球の外でも繁殖できるのかが研究対象となり、宇宙船の中で栽培されました。その宇宙を旅したイシクラゲを繁殖させ、食べやすい飴に加工して販売されています。
イシクラゲの研究がすすめられている
イシクラゲは繁殖しやすいうえ、食物繊維や栄養素を含んでおり、栄養食品として利用できないか研究がすすめられています。今までの研究では、食べると血液中の脂質を下げる作用があることがわかりました。
他の用途も研究されている
また、イシクラゲは食べるだけでなく、他の用途の研究もすすめられています。その中でも、土壌の放射能を除去する研究が注目されています。イシクラゲ自身が放射性物質を含むことができるため、土にある放射能の浄化効果が期待できるそうです。
まとめ
イシクラゲは、水はけの悪い庭や芝生に生える藻です。水分を含むとわかめのようなぷるぷるした緑色の塊になり、乾燥すると黒い小さな塊に変化します。繁殖力が強いため完全に除去するのは難しいですが、駆除方法や発生を抑える対策はいくつかあります。気になるイシクラゲには、ぜひ試してくださいね。
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出典:写真AC