山椒の育て方
苗木が売られているところを見かけることも多いので、育ててみたいと思われる方も少なくないでしょう。残念ながら山椒の育て方はやや難しいかもしれません。そんな山椒の種まきから収穫などを解説します。
育て方①栽培環境
山椒は粘土質など排水の悪い土質では根腐れや病気にかかりやすいので、水はけのよい用土が必要です。水はけの良さと同時に水はたっぷりと与える必要があり、水が不足すると枯れやすくなります。真夏の強い日射には弱く、半日陰の環境を好みます。
育て方②種まき
10月ごろに実から種を取り出しておきます。3~4月ごろが種まきの適期で、1~2cmほどの土をかけて、乾燥しないように管理すれば、種まき後1カ月ほどで発芽します。本葉が2本ほど出たら植え付けの時期です。
育て方③植え付け
山椒の植え付けの適期は葉が落ちた冬場で、寒さを避けて3月初旬でもよいでしょう。植え替えはで枯れることがあるので、最初に二回りほど大きい深い鉢を選ぶとよいでしょう。山椒には雄株と雌株があり、雄株には花はつきますが、果実は実らないので、実の収穫を期待するなら雌株を近くに植えます。
育て方④収穫
春の新芽が出たら、葉がやわらかい間に収穫して木の芽として料理に。6月ごろには緑色の果実がなるので、実山椒として収穫します。9~10月には実が成熟して赤くなります。果皮を乾燥させて粉山椒として利用しましょう。
育て方⑤お手入れ
害虫
アゲハチョウの幼虫の食草なので要注意です。春に葉っぱの裏に卵を産み付けるので、見つけたら葉っぱごと切り取って処理します。幼虫1匹でも小さな株なら食べつくしてしまうこともあるので、見つけたらすぐ取り除きます。
肥料
肥料を与えるなら冬場の1~2月です。油粕や堆肥などの有機肥料がおすすめですが、収穫後に株が弱っているなと感じたら、即効性のある液肥を施してもよいでしょう。それ以外には特に肥料を与える必要はありません。
植え替え
植え替えすると枯れてしまうこともあるので、特に根の周辺の土を落とさないよう注意が必要です。鉢植えの場合は2~3年に1度の植え替えで十分です。
増やし方
山椒は挿し木や種まきで増やします。挿し木なら6月または9~10月ごろに前年に伸びた若い枝を10~15㎝ほど切り、上方の葉を3枚ほど残し、発根剤を混ぜた水に1時間ほど挿します。土に枝を挿して日陰で乾燥をさけて管理し、新芽が出たら鉢に植え替えます。
サンショウウオと山椒の関係
両生類のサンショウウオの名前の由来はいくつかあります。サンショウウオの仲間には刺激を与えると背中から分泌物を出し、その香りが山椒のようだという説と、サンショウウオの皮膚が山椒の木の樹皮に似ていることなどに由来します。山で生まれたという魚という意味で「山生(サンショウ)魚」という説もあります。
まとめ
薬や七味だけではなく、すりこぎは山椒の利用方法の1つでもありました。育て方は簡単ではありませんが、種まきや収穫など頼む方法がもりだくさんなので、育ててみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC