凍結防止剤と融雪剤の違い
凍結防止剤とよく混同されるものに融雪剤があります。実際、融雪剤にも凍結防止効果はあるというのです。では凍結防止剤と融雪剤にはどのような違いがあるのでしょうか?整理してご紹介します。
使う目的が違う
凍結防止剤は水の凝固点を下げることで、路面などの凍結を防止することを目的に使います。一方で融雪剤は、水に触れて化学反応をおこすことで発熱し、その反応によって凍結面や雪を溶かすことを目的にしているのです。融雪剤は、水の凝固点を-50度ほどまで下げて再凝固を防ぐことから、凍結防止剤と同じ使い方をすることもありますが、本来は別の目的の薬剤になります。
成分が違う
凍結防止剤の主成分は塩化ナトリウムですが、融雪剤の主成分は塩化カルシウムになります。融雪剤が水の凝固点を大きく下げることができるのは、この塩化カルシウムによる化学反応の結果です。融雪剤の主成分である塩化カルシウムには、直接触れると手荒れや発熱によるやけどの危険があるため、使用時にはゴム手袋などで予防するようにしましょう。
凍結防止剤や融雪剤の塩害を防ぐ方法
凍結防止剤や融雪剤は、どちらも塩化化合物を主成分としています。そのため、塩化物イオンによる化学反応を原因とする、「塩害」がおこる可能性は否定できません。ひどい場合には車がさびだらけになってしまうこともあるのです。凍結防止剤や融雪剤の塩害を防ぐために、注意すべきことは何かをご紹介します。
塩化物イオンを含まない凍結防止剤・融雪剤を使う
凍結防止剤や融雪剤の中には、塩化物イオンを含まない成分でつくられた製品もあります。「酢酸ナトリウム」「尿素(UREA)」などを使った製品です。これらの製品の特長は、金属への負担が少ないため車がさびにくく、土壌の塩害も防ぐことができる点があげられます。一般道はどうしようもありませんが、家庭用として使う場合にはこのタイプがおすすめです。
使用上の注意点
塩化物イオンを含まない凍結防止剤や融雪剤の中でも、尿素を使ってつくられているものにはいくつか注意点があります。花壇などの植物にかかってしまうと、栄養過多になる危険性があるのです。また、アルカリ性の物質と反応しやすくアンモニアが発生するため、まきすぎには注意する必要があります。
凍結防止剤・融雪剤が使われた道路を走った車を洗浄する
凍結防止剤や融雪剤がまかれた道路上を走ったあとは、車を高圧洗浄機などでよく洗います。特に車の下まわりやタイヤまわりは念入りに洗いましょう。洗車の負担を減らしたい場合には、汚れの付着を防止するコーティングも効果的です。水洗いだけでも凍結防止剤や融雪剤によるダメージを減らすことができます。
まとめ
凍結防止剤は、さまざまな事故のもとになる、路面の凍結を防いでくれる便利な薬剤です。しかし、その特徴をきちんと理解して正しく使わないと、さまざまな弊害もあります。冬場もより安全に外出するために、凍結防止剤を上手に使いこなしてください!
出典:写真AC