コシアブラの管理のコツ
コシアブラは栽培しやすい植物ですが、育て方によっては枯らしてしまうこともあります。手入れや病害虫対策についてもしっかり理解しておきましょう。
日常の手入れ
コシアブラは山にも自生する植物で、あまり手がかかりません。そのため、日常の手入れとしては日当たりと水やりの加減に気をつけることくらいです。日常的な剪定などの必要ありません。
季節の手入れ
コシアブラは直射日光によわいので、日差しがつよくなる初夏から秋にかけては、置き場所をかえて日当たりを加減しながら育てましょう。また、乾燥をきらうので、夏場の乾きやすい時期はよく土の状態を観察しながら水やりをするようにしましょう。冬は土が乾きにくくなりますが、土の凍結によって根腐れすることもあるため、適度な水やりは必要です。
病気・害虫対策
おなじ鉢にずっと植えていると根づまりを起こして枯れてしまうことがあります。そのため、数年ごとの植え替えはかかせません。また、害虫ではヨトウガがうみつけた卵が孵化して幼虫が葉を荒らしたり、生育を阻害するアブラムシが発生したりすることもあります。見つけたらすぐにとりのぞくか、殺虫剤で駆除しましょう。
コシアブラの食べ方と料理
コシアブラは、独特な香りと味わいがあり、一度食べるとクセになる山菜です。シンプルな料理から濃い味つけの料理までいろんな食べ方ができますよ。ここでは、採取から下処理、おすすめの料理を紹介します。
採取から下処理まで
選び方
新芽は、はかまの内側から葉が数本の柄をともなって出てきます。成長するにつれて葉や柄の部分が広がってくるので、柄が広がる前のまっすぐな状態のときに採取するのがポイントです。産毛をまとった状態の葉がついた新芽は「筆葉」とよばれ、上級品としてあつかわれます。採取にあたっては、高木のためケガに十分注意しましょう。
保存方法
コシアブラは、あまり保存がきかず採取後に時間がたつと香りや味がおちるので、2~3日で食べてしまいましょう。1~2か月保存するには、かためにゆでてから冷凍保存しておきます。沸騰したお湯に少々の塩を入れ、約2分ゆでて冷水にしばらくさらしてから保存しておきます。また、塩漬けやみそ漬けにすると1年ほど保存しておけますよ。
下処理
小さくてやわらかいものでなければアクが強いので、揚げ物以外の料理ではアク抜きをしておきましょう。水を沸騰させて、2%の塩を入れてから2~3分ゆでます。その後すぐ冷水にしばらくさらしてください。
コシアブラをつかった料理
揚げ物
天ぷらや唐揚げは山菜を味わうのに人気の料理です。アク抜きの必要もないので、手軽にコシアブラを楽しむのに最適ですよ。水洗いしたらキッチンペーパーでしっかり水分をとってから、衣を薄くつけて揚げましょう。塩で食べるとコシアブラの味が引き立ちます。
和え物や炒め物
コシアブラをアク抜きしてから、ポン酢とかつお節をかけておひたしのように食べたり、ごま味噌で和えたりすると、コシアブラの味わいをしっかりたのしめます。また、フライパンで熱したオリーブオイルで炒めたコシアブラのニンニク炒めも、苦みとの相性が抜群ですよ。
炊き込みご飯
コシアブラを適度にきざんで、ごはんといっしょに醤油や塩で味つけして炊くと、コシアブラの風味がする、春らしい炊き込みご飯になります。
パスタやうどんの具
ジェノベーゼソースのバジルのかわりにコシアブラをつかったり、みそ煮込みうどんの具につかったりしても、コシアブラ独特の味を十分に楽しめます。チーズや目玉焼きを足すとまろやかになり、食べごたえがあっておいしいですよ。
まとめ
コシアブラの特徴や育て方、おすすめの料理などを紹介しました。タラの芽などとくらべるとまだあまり知られていない山菜かもしれませんが、「山菜の女王」とも称されるコシアブラの味わいをぜひ堪能してみてください。新緑や小さくて可憐な花もうつくしいので、自宅で栽培から収穫まで挑戦するのもたのしいですよ。
出典:写真AC