ネキリムシの防除方法
ネキリムシは被害にあう前に対策を講じておきたいものです。地道な方法ですが、苗が元気なうちに被害を予防する対策をしておけば、たくさんの収穫やきれいな花を楽しめるでしょう。ひとつだけでなく、いくつかの方法をあわせて対策することで、被害を免れる可能性が高くなります。
成虫対策
①まわりの雑草を除草する
雑草が多いと、ネキリムシの成虫が卵を産みつける環境が整ってしまいます。幼虫の発生を防除するには、畑をきれいにして卵を産みつけやすい雑草をなくしてしまいましょう。また、地中に残っている幼虫やサナギを駆除するために、しっかりと耕して対策することも大切です。
②防虫ネットをかける
ネキリムシの成虫が飛んできて卵を産みつけるのも発生原因のひとつなので、苗を植えたら防虫ネットや寒冷紗(カンレイシャ)を張りめぐらせるのもいい対策方法です。ネットは、日当たりなどには支障がないので、全体をおおっても問題はありません。ただし、土の中から苗を狙う幼虫には効果がないので、幼虫対策と並行するのがよいでしょう。
幼虫対策
①土を日光消毒する
苗を植える前の土づくりの際に透明なマルチシートを張り、1か月ほど日光消毒をします。万が一、前年に幼虫が隠れていて越冬していたとしても、太陽の熱でネキリムシを退治でき、被害を予防できるので有効な方法です。プランター菜園なら、プランターごとマルチシートに包んで日に当てればすむので簡単ですね。
②苗に囲いをつける
苗を植えたら、苗がすっぽりとおおわれるくらいの囲いを地中5cmくらいまで挿します。囲いの素材は、トイレットペーパーの芯や使用後のハガキ、段ボールなどの固めの紙がいいでしょう。また、ペットボトルの上下を切り取り、筒にしたものも使えます。土に挿すときは、根を傷つけないように挿し込んでください。
③ポットごと植える
ある程度大きくなったらポットを抜きやすいよう、底の部分だけを切り取ってポットごと植えてしまう方法もあります。ほかの容器もいらないので、手軽に試せる防除方法です。底を切り取るときだけ気をつければ、根を傷つける心配もほとんどありません。
④苗にストローを巻きつける
ストローを使って、噛み切られやすい苗の根元を保護するのもよい方法です。ストローは苗にあわせて3~5cmくらいの長さに切り、縦に切り込みを入れて根元をカバーするようにはめ込んでおきます。苗が太い場合は傷んでしまうので、無理にはめ込まないでください。ハガキや厚紙で包み込んでおいてもよいでしょう。
⑤障害物をまく
苗の根元に卵の殻をできるだけ細かくくだいたものをまいておくと、チクチクした殻のかけらを嫌がり、ネキリムシが寄ってきにくくなります。卵の殻はアルカリ性で、酸性の土壌を中和させて微生物によい環境を作る肥料となります。土づくりによい作用をするタンパク質や微量の栄養素を含むので一石二鳥です。
⑥大きくなってから畑に植えつける
ネキリムシに狙われるのは、やわらかい新芽や苗のときが多く、ある程度大きくなって茎が太くなれば食べられなくなることが多いです。本葉がある程度の枚数出て、苗がしっかりするまでポットで管理しておくことで、畑に植えつけてもネキリムシが寄ってくる可能性は低くなるでしょう。
⑦米ぬかを使う
米ぬかはにおいが強くネキリムシを誘う効果があるほか、食べるとネキリムシがおなかをこわすなど異常をきたして死んでしまうので、効率よく防除できるといわれています。ただし、野菜などの苗の根元などすぐ近くに米ぬかをまいてしまうと、成長が阻害されてしまう可能性もあるため、うねにまいておくのがよいでしょう。
⑧やわらかい雑草を残しておく
成虫が卵を産みつけやすくなってしまうため、苗の周りの雑草は除いておきますが、おとりとして少し離れたところにやわらかい雑草を残しておきましょう。畑であれば、本格的な植えつけの前に数本別の苗を植えておとりにし、先にネキリムシを一掃してしまう方法もあります。
ネキリムシは地道に退治しよう!
ネキリムシを防除するには、地道な作業で退治するのが一番確実な方法ですが、夜間に活動することもあり、完璧な駆除はなかなか難しいです。防除の方法をいくつか並行して実行するほか、思い切って農薬を使ってみるのもひとつの方法でしょう。農薬については、使用方法を守って十分注意しながら使用してください。
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