「しそ」とは
しそは青紫蘇または大葉(オオバ)とも呼ばれます。日本の食卓に欠かせない香草(ハーブ)で古くから食材として使われてきました。色違いの「赤紫蘇」とよばれる赤紫色の種類もあり、近縁種のエゴマと見た目がよく似ています。ビタミンミネラルが豊富で殺菌、解毒、解熱、防腐作用があるとされます。
基本情報
学名 | Perilla frutescens var. crispa |
科・属 | シソ科・シソ属(一年草) |
原産地 | ヒマラヤ、ビルマ、中国 |
花色 | 紫、白、ピンク |
草丈 | 30~70cm |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
ボタ爺
しその歴史
しそは日本中で自生していますが、原産は中国やビルマ、ヒマラヤです。日本へは中国から伝わりました。縄文時代の遺跡からしその種が見つかっていますが、本格的な栽培は平安時代からといわれています。丈夫な植物で日本の気候にあうため、青しそ・赤しそ共に日本各地で自生、栽培されています。
しその名前の由来
紫蘇の漢名読みは「しそ」で、日本でもそのまましそと読まれるようになりました。紫蘇は「紫の蘇る草」を意味します。食中毒にかかり死にかけた若者が、しその煎じ薬を飲んだところ助かったという中国の伝承が元になっています。
赤紫蘇・青紫蘇の育て方
栽培カレンダー
しそは環境があうと、ほとんど世話をしなくても育ちます。一年草ですが種が落ちて発芽し、新たに種をまかなくても翌年庭で茂っていることもありますよ。赤しそも青しそも、屋外だけでなく室内でも栽培できる点が魅力です。しその植える時期や方法、増やし方を知り、ぜひ育ててみましょう。
ボタニ子
爽やかな香りが食欲を刺激してくれる紫蘇は、家庭でも簡単な方法で栽培できて初心者にもおすすめよ!
育て方①栽培環境
まずはしそを植える場所を確認しましょう。しそは日当たりが悪い場所でも生育しますが、香りや風味は落ちます。日当たりがよすぎると葉が硬くなりやすいため、半日陰がおすすめです。苗を植える間隔は15~30cmほどとりましょう。成長して株が混みあうと風通しが悪くなり、病害虫などのトラブルの原因になります。
室内でも育てられる
しそは室内でもプランターなどで栽培可能です。寒い冬の時期でも温かい室内ならしそを収穫できます。室内栽培のポイントは20~25℃の暖かい室温を保つこと、日光が当たる場所にプランターをおくこと、水やりをかかさないことです。簡易温室を使うと室温管理がしやすいでしょう。
水耕栽培もできる
スポンジに小さな十字の切れ込みを入れ、そこに発芽したばかりの種を植えると、水耕栽培ができます。空き容器やプランターなどにスポンジを詰め、液体肥料を溶かした水を注ぎ、暖かく日の当たる室内で育てましょう。虫がつきにくいため衛生的に育てられます。
育て方②植え付け
種まき
赤しそ・青じそ共に種まきの時期は同じです。種まきは、暖かい地域でも遅霜の心配がない時期(4~5月以降)に行いましょう。種まき前日に種を水につけておくと発芽率が上がります。育苗ポットかプランターに土を8分目まで入れて土全体を湿らせ、種が重ならないようにまき、まいた種の上に薄く土をかぶせて日の当たる場所で管理してください。
苗の植え付け
しその苗を地植えやプランターに植える場合も、種まきの時期と同じ4~5月以降に行いましょう。種をまいて育苗ポットで育てたものも、ポットから菜園やプランターに植え替えると大きく育てられます。用土は水はけのよい土がおすすめです。
育て方③水やり
朝晩、土の表面が乾ききる前にたっぷりと水やりをしましょう。しそは乾燥を嫌うので、特にプランターで栽培する場合は、こまめな水やりが必要です。水やりは株の成長や、葉の状態にも関わります。やわらかく美味しい葉を収穫するためにも乾燥に気をつけましょう。
育て方④肥料
しそを植え付けた後は、約2カ月ごとに緩効性の肥料を与えます。追肥を与えすぎると病害虫のトラブルが起きやすくなるので、様子をよく見ながら追肥をしましょう。
育て方⑤間引き
しその葉が混みあい、成長が妨げられるのを防ぐため、不要な芽や葉を摘み間引きましょう。しそは葉が1~2枚の頃を「芽じそ」、花が咲き始める頃を「花穂じそ」、花が咲き終わった頃を「穂じそ」といい、それぞれの成長段階で香りや風味が違います。間引きの際に意識して収穫してみましょう。
芽じそ
芽じそは種をまいてから本葉が1~2枚出た状態をいいます。種まきして発芽したら、混みあうのを避けるために間引きしましょう。また間引きした芽じそは収穫物として食べられます。主に刺身のつまとして利用されます。
花穂じそ
花穂じそとは、穂ができて花が咲いた状態のしそのことです。ラベンダーに似た薄紫色のかわいらしい花がついており、日本料理のあしらいで使われたり、薬味として使われたりします。薬味で食べる場合は、花をしごき外して食べましょう。
穂じそ
花が終わり、実が熟す前の短い期間のみに収穫できるしその穂です。穂じそは、実が密集していてさわやかな香りがします。てんぷらやさしみなどの薬味として日本料理に添えられます。
1回目の間引き
発芽後、本葉が2枚以上になれば間引きをします。葉が込みあった箇所の丈夫そうな芽を残し、ハサミでカットします。間引きした芽(芽じそ)は料理に使用しましょう。
2回目の間引き
芽じその間引きの後も、葉が込みあってくればそのつど間引きます。最終的には15~30cm幅になるように根元をハサミでカットして間引きましょう。間引き芽(芽じそ)や間引き菜も料理に使えるので、薬味や香りづけなどに有効活用してください。
育て方⑥摘芯
しそが20~30cmくらいの高さに成長し、株に葉が10枚ほどついたら、節の3節目~5節目あたりを摘心しましょう。脇芽が成長し、収穫量を増やせます。摘芯をしないと、茎に栄養が回って太くなり収穫量が少なくなるので気をつけましょう。
育て方⑦収穫
丈夫で生育のよいしそは、1本の苗に多くの葉をつけます。成長すると葉が込みあってくるので、風通しをよくするためにも間引きしながら収穫しましょう。
ボタ爺
間引きや剪定は株の風通しをよくし、病害虫を防ぐことにもなるんじゃ。
育て方⑧病害虫対策
しその柔らかい葉はアブラムシの好物です。ハダニやバッタ科、蛾の幼虫なども寄ってきます。間引きや剪定をして風通しをよくし、防虫ネットを使うことが被害を減らす有効な方法です。葉を食用するために育てるのであれば、薬剤の使用は控えましょう。防虫ネットは日差しも遮ってくれるので葉が硬くなるのも防げます。
根元に藁を敷き、雨や水やりによる泥はねを予防することも病気対策として有効な方法です。害虫がついてしまったら筆などで掃いて駆除するか、害虫のついた葉を取り除きましょう。
赤紫蘇は赤じそ、赤しそ。青紫蘇は青じそ、青しそ。どれも正しい読み方じゃ。