エルダーベリーの栄養と効能
エルダーベリーの歴史は古く、紀元前にはすでに民間療法に用いられていたといわれています。当時から美容や健康によいとされてきました。それでは、どのような栄養を含んでいるのでしょうか。おもな栄養とその効能を見ていきます。
その①アントシアニン
アントシアニンは、エルダーベリーやブルーベリーが持つ色素のことで、眼精疲労によいといわれる栄養素です。抗酸化作用を持ち、その効果はビタミンC以上といわれています。血圧の上昇をおさえる効果が期待されるため、日々の予防も兼ねて積極的に取り入れたい栄養素といえるでしょう。
その②ビタミンC
ビタミンCは体内が酸化するのを防ぐほか、ビタミンEの再活用など体調不良に陥らないためにも必要な栄養素です。ビタミンCが不足すると肌の老化を早めたり、風邪を引きやすくなったりするといわれています。食物繊維とともに取り入れることで、よりよい効果が期待されています。
その③ルチン
ルチンは血管の働きを助ける効果があり、高血圧症によいといわれています。ルチンには抗酸化作用が含まれてるため、美容や生活習慣病予防にも効果が期待できます。ビタミンCとともに摂取するとよいといわれており、エルダーベリーは理にかなった果実といえるのではないでしょうか。
エルダーベリーシロップの飲み方
エルダーベリーは酸味が強く生では食べられません。シロップやジャムにして食べるのが一般的といわれています。シロップやジャムは長期保存が可能なうえ、子どもにも安心して与えられますよ。それでは、作り方や飲み方を見ていきましょう。
シロップの材料
シロップの材料
- エルダーベリー
- 砂糖(またはハチミツ)
作り方
- エルダーベリーを鍋に入れて、かぶる量の水を入れて煮込む
- 沸騰してから30分ほど弱火で煮込んだら、荒熱が取れるまで冷ます
- 十分に冷めたら布巾やザルで漉す。このときに、エルダーベリーも一緒に絞る
- 絞った果汁に砂糖またはハチミツを加えて、鍋で加熱する
シロップの飲み方
エルダーベリーを使ったシロップは、水割りやお湯割りのほか、炭酸水やお酒と割って楽しめます。また、乾燥させてハーブティーとしても飲まれています。シロップはかなり濃厚な味わいのため、少量でも十分です。好みで分量を調節してみてくださいね。
ボタニ子
続いて、エルダーベリーの育て方を紹介します。
エルダーベリーの育て方
エルダーベリーは日本の環境では栽培が難しいといわれていますが、ぜひ栽培に挑戦してみませんか。春には青々とした葉と花が楽しめ、晩秋には果実の収穫が待っていますよ。自家製のエルダーベリーで、シロップ作りもよいですね。それでは、エルダーベリーの栽培方法を見ていきましょう。
育て方①栽培環境
エルダーベリーは、高温多湿の環境を苦手とします。できるだけ涼しい環境で栽培しましょう。風通しがよい、明るい日陰がおすすめです。乾燥も苦手ですが、土が湿った状態も苦手のため、水はけのよさも考慮するとよいですね。
育て方②植え付け
エルダーベリーの栽培は、苗の植え付けが便利です。4月または9月頃に植え付けましょう。アルカリ性になるように土の酸度を調整したら、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜ合わせます。植え付けの際に、元肥として緩効性の肥料を施してください。
ボタニ子
鉢植えでも栽培できますが、成長速度が速いので2年を目安に植え替えましょう。
ボタ爺
苗の植え付けには、ハーブの培養土なんかも便利だよ。
育て方③水やり
エルダーベリーは乾燥が苦手です。特に鉢植えは水切れを起こしやすいため、注意してください。土の表面が乾燥してきたら、忘れずに水やりをしましょう。一方で、土がいつまでも湿っている状態も苦手です。よく観察して、状況にあわせて水やりをしましょう。
育て方④収穫
エルダーベリーの収穫は9月以降が適期です。黒い果実のものは黒く、赤い果実のものは赤くしっかり色づいたのを目安に収穫しましょう。青かったり色が薄かったりするものは、未熟な状態です。この未熟なものには毒性があるといわれているため、口にしないように注意してください。
花も楽しもう!
6月頃に開花する花はエルダーフラワーと呼ばれ、インテリアやハーブティーとして楽しめます。花も果実同様、風邪予防によいといわれています。ぜひ生活に取り入れてみてくださいね。
エルダーベリーは肥料がなくてもよく育ちますが、冬の間に化成肥料を施しておくと、花つきがよくなりますよ。
育て方⑤剪定
エルダーベリーの手入れにおいて、剪定は欠かせない作業です。風通しをよくするためにも、必ず剪定してください。伸びすぎている枝や、細い枝を切っていきましょう。収穫が終わった頃を目安にするとよいですよ。
エルダーベリーの増やし方
エルダーベリーの増やし方として、種まきと挿し木があります。しかし種の入手が難しいとされているため、挿し木での増やし方がおすすめです。太く元気のある枝を15cmほど切り取ったら、植え付け時と同じ土に挿してください。水切れに気をつけながら日陰で管理して、根が出るのを待ちましょう。
まとめ
欧州では、エルダーベリーはその果実だけでなく花や葉も有効利用されています。日本ではなじみが薄い植物ですが、これを機会に生活に取り入れてみましょう。日本の気候が苦手ということで、栽培が難しいように思われがちですが、病気や害虫に強い特徴を持っています。ぜひ栽培に挑戦してみてください。
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しっかり殺菌した瓶なら、1年近く保存できるといわれています。