加工するとおいしい野いちご(2種類)
生のままでも食べられますが、酸味が非常に強いので、ジャムなどに加工して食べるのがおすすめの、2種類の野いちごをご紹介します。お好みに合わせて砂糖で甘さを調節できますから、酸味が苦手な方や小さなお子さんでも食べやすくなります。
①ふゆいちご(冬苺)
ふゆいちごの基本情報
自生する地域 | 西日本、四国、九州 山林の縁など |
特徴 | 高さ30cm程、地表をはうように広がる |
花 | 8~11月、白い小さな花 |
果実 | 11~1月、赤く熟し甘いが、酸味が強い |
大きな特徴は、実のなる時期が冬であることです。他の野いちごが春から初夏に実ることを考えると比較的見分け方は簡単ですね。変種の「コバノアマミフユイチゴ」は奄美固有の種ですが、数が少なく環境省レッドリストの絶滅寸前の種に指定されています。
②なわしろいちご(苗代苺)
なわしろいちごの基本情報
自生する地域 | 日本全土、日当たりがよい草地や道路わきなど開けた場所 |
特徴 | 茎がつる状に、他の草の上を這うように伸びる 全体に細かな毛があり、茎にとげがある |
花 | 5~6月、紅紫色の花で、花びらがあまり開かない |
果実 | 6~7月、甘いが酸味が強く、ジャムに向いている |
別名サツキイチゴ(皐月苺・五月苺)とも呼ばれます。日本全国に広く自生しているので、目にすることが多い野いちごす。苗代(稲の種まき)の時期に実がなりはじめるので、この名前がついたと言われています。
食用に向かない野いちご(1種類)
ほとんどがおいしく食べられる野いちごですが、食用には向かない種類もあります。「へびいちご」をご存じですか?味がほとんどなくおいしくは食べられませんが、毒はありません。花や果実の観賞用にはもちろん、果実の焼酎漬けは、昔から虫刺されに効果があるとされています。
①へびいちご(蛇苺)
へびいちごの基本情報
自生する地域 | 日本全域 田んぼのあぜ道や野原、道端など幅広い |
特徴 | 10~20cmの草状 やや湿った場所を好む 小さな葉が3枚くっついた形をしている 花の下のガク(葉のようなもの)が上下二段ある |
花 | 4~6月、黄色い花を咲かせる |
果実 | 5~6月、赤い実をつける 無毒だが味はなく、生食にはむかない 果実酒にすると、虫刺されや傷によく効く |
野いちごの名前で一番知られているのは、このへびいちごかもしれません。昔から毒があると思われドクイチゴと呼ばれたりしますが、実は無毒です。おいしくないのでヘビが食べそうないちご、果実を食べに来た小動物をヘビが狙うから、などが、名前の由来として知られています。
野いちごの育て方
もっと身近に野いちごを楽しみたいという方は、野いちごを育ててみましょう。もともと自然の中で自生する植物ですから育て方は難しくありませんが、繁殖力が強い分育てる場所には注意が必要です。おすすめの種類と、育て方のポイントをご紹介します。
グランドカバーとして
くさいちご、なわしろいちご、へびいちごなどは、つる性の植物ですので、鉢植えやグランドカバーとして利用できます。花を楽しんだり、野いちごを摘んだり、果実酒として利用したりと楽しめますね。育て方のコツは、繁殖力が旺盛なので、伸びすぎたら早めに切り詰めること。とげのある品種もあるので、お手入れの際はけがに気を付けます。
育て方のポイント
- 繁殖力が強いので、伸びすぎたら早めに切り詰める
- 根が浅いので、夏場の高温期には乾燥に注意
- 肥料をあげすぎると、実がならないことがある
- とげのある品種は、けがに注意!
ワイルドストロベリー
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こちらはもともと日本に自生する野いちごではありませんが、野いちごの仲間として、広く流通されている園芸品種です。ヨーロッパや北米が原産で、普段食べているいちごと同じ、オランダイチゴ属に分類されます。丈夫で育て方も簡単なので、初心者にも人気です。
庭木として
庭木として、野いちごの木を植えるなら、かじいちごもおすすめです。とげもなく暑さや寒さに強いので手入れは難しくありませんが、高さが2mを超えるほど大きくなり、地下茎を伸ばして周囲に広がりますので、植える際には広めのスペースをとるなど注意が必要です。大きめのプランターやポットでも栽培できます。
育て方のポイント
- 地植えの場合は大きく育つので、植える場所に気を付ける
- プランターやポットでの栽培は、夏の乾燥に注意
- 肥料をあげすぎると、実がならないことがある
野いちごの苗
野いちごの苗は、インターネットで購入できます。時期にもよりますが、数多くの苗を取り扱うサイトもありますので、手に入れるのは難しくはありません。また、一度植えると大きくなるので、知り合いから苗を分けてもらった、ということもよくあるようですよ。
おわりに
野いちごは、どれも同じように小さな果実で見分け方が難しそうですが、季節や、画像からわかる花や実、木の特徴を頼りに、名前を知ることができそうですね。この他にも、野生のいちごは数多く存在します。野いちごをの見分け方がわかれば、野山の散策の楽しみが一つ増えますよ。見たことのない野いちごに出会ったら、ぜひ名前を調べてみてくださいね。
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出典:写真AC