はじめに
ツマトリソウという花をご存知ですか?白く可憐な花のツマトリソウは、山の高地に咲く野草です。花弁は1.5cm程度の小さな花ですが、花びらの形が洗練されていて美しく、知る人ぞ知る人気の山野草です。この記事では、そんなツマトリソウの特徴や似た花との違い、育て方などを紹介します。
ツマトリソウとは?
名前の由来と花言葉
ツマトリソウの、漢字表記は「褄取草」です。まれに、花びらの先端が淡い紅色に染まっており、その色の入り方が鎧の威色目(おどしいろめ)の1つである「褄取り」に似ていることから、この名がついたといわれています。そんなツマトリソウの花言葉は「純真」です。白く可憐で、清楚な姿にぴったりの花言葉ではないでしょうか。
花の特徴
ツマトリソウの花は基本的に白色で、おおよそ1.5cm~2.5cmの大きさです。茎は地面から5cm~25cmほどの高さまで伸び、全体的に背の低い小柄な草花です。葉の大きさは2cm~7cmほどで、幅広で丸みのある形状をしています。
開花時期や分布
ツマトリソウは北海道や本州北部、四国などに分布し、6月~7月の初夏に花を咲かせる高山帯の多年草です。実は、花の色は真っ白の場合がほとんどで、花弁の端が紅色に染まっているものは珍しいといわれています。また、多年草のため冬も土の中で耐え忍び、開花時期をじっと待っています。
似た花との違い
ツマトリソウには、類似した花がいくつも存在します。ここでは、そのなかでも特に見分けがつきにくいものを紹介します。
ゴゼンタチバナ
「ゴゼンタチバナ」はミズキ科の植物で、サクラソウ科のツマトリソウとは全く別の科の草花です。写真を並べてじっくり見比べてみると、花弁の数や形からもまったく違う花であるとわかります。しかし実際にこれらの花を山で見かける場合、同じ場所に入り混じって咲いていることが多く、立ち止まってよく観察しなければすぐに区別するのは難しいでしょう。
コツマトリソウ
群生しているゴゼンタチバナの中心に咲いているのが「コツマトリソウ」です。この花はツマトリソウに非常によく似ていますが、見分けやすいポイントがあります。それは「葉の形」です。ツマトリソウは葉の先が尖っているのに対し、コツマトリソウの葉は丸みを帯びています。