身近で美味しい野草
身近なところに生えている植物には、美味しく食べられるものが数多く存在します。自然のままの野草たちは、生えているそのときがまさに旬を迎えた季節です。道路の脇や植え込みの中、公園の隅など、身の回りには気軽に食べられる美味しい野草があふれています。
町中や公園でもはじめられる
食べられる野草を採取すると聞くと、自然の多い山の中などに行かなければならないと思う人もいるでしょう。実際には、河川敷や畑の脇、街路樹の根元やブロックの隙間など、身近なところにも食べられる野草は生えています。大切なことは知識を身に着けること、適切な下処理を行うことです。
野草の採り方の注意点
野草の採り方には、いくつか注意しなければいけない点があります。安全な場所を選び、適切な量だけを採るよう心がけなければいけません。国立公園など植物の採集が禁じられている場所もあります。また、私有地に無断で入ることは許されません。知識を身に着け、マナーを守って行動しましょう。
毒草との間違いに気をつける
野草の採取で大事なことは、正しい知識を身につけることです。ニリンソウとよく似たトリカブトや、セリとよく似たドクゼリなど、食べられる野草によく似た毒草が存在するケースは少なくありません。正しい採り方や見分け方を知り、ひとつひとつ確認しながら採取することが大切です。
同じ場所から採取しすぎない
野草はどれだけ身近なところに生えていても、自然のものです。同じ場所から採取しすぎると、毎年生えるはずの植物もなくなってしまいます。根や花を食べる場合は、特に採り方に注意が必要です。また、スベリヒユやミントなど繁殖力が強い野草の場合は、ほかの場所に根や種を落とさないように気をつけましょう。
私有地や危険区域に立ち入らない
野草が生えている場所にも注意が必要です。他人の家や畑などの私有地に生えている場合は、無断で立ち入ってはいけません。自然保護地区など採取が禁じられている場所も同様です。また、崖や水辺などの危険な場所に生えている場合も、無理に近づくのは禁物です。
ボタニ子
意外と身近なところに、食べられる野草が生えているのね。だけどそのぶん、採り方には気をつけないといけないわ。
ボタ爺
正しく採取してしまえばこっちのものじゃ。さあ、美味しい食べ方を見ていこう!
野草の美味しい食べ方【おひたし】
おひたしは、さっとゆでてから調味料を絡めて食べる調理法です。香りを活かしてクセを減らせるため、葉や茎を食べる野草に特におすすめです。ただしアクが多い野草の場合は、あまり量を食べすぎないように注意しましょう。
おすすめ野草①スベリヒユ
スベリヒユは、畑やあぜ道などに多く生えている野草です。つるりとした葉と太く赤い茎が特徴的で、地上をはうように伸びていきます。わずかな酸味ととろみが特徴的で、おひたしや辛子醤油和えがおすすめです。栄養価がとても高いスーパーフードとして注目されており、東ヨーロッパではサラダ野菜としても利用されています。
スベリヒユの見分け方
スベリヒユとよく似た植物に、毒草のコニシキソウがあります。両者を見分けるポイントは、茎をちぎることです。コニシキソウは白い液が出てきますが、スベリヒユの場合は何も出てきません。また、園芸品種としても利用されるポーチュラカともよく似ています。夏になると一日中花が咲いているのがポーチュラカ、小さな花がすぐにしぼんでしまうのがスベリヒユです。
おすすめ野草②ツユクサ
ツユクサは、青紫色の花が特徴的な野草です。春から夏にかけて、身近なところでどこにでも生えています。葉や茎は、塩を入れたお湯でさっとゆでておひたしにすると、クセがなくやさしい味わいです。つぼみや花も同じように食べられますが、こちらは天ぷらにして鮮やかな色を活かすのもおすすめですよ。
ツユクサの見分け方
ツユクサによく似た植物には、ムラサキツユクサやトキワツユクサがあります。しかし、ムラサキツユクサはやや食べづらく、トキワツユクサには毒性があります。出始めのころには見分けることが難しいものの、花が咲けば容易になります。ツユクサは、3枚の花弁のうち2枚が紫・残る1枚が白です。ムラサキツユクサはすべて紫・トキワツユクサはすべて白です。
その他のおすすめ野草
- ヤブカンゾウ
- セイヨウアブラナ
- ノゲシ など
出典:筆者撮影