イヌガラシとは？特徴や見分け方をご紹介！雑草として駆除方法は？

家庭菜園をしている人でも、雑草の種類と名前まで知っている人はあまりいないのではないでしょうか。今回ご紹介するのは「イヌガラシ」という植物です。名前からその姿が思い浮かばない方でも、きっと目にしたことはあると思います。どのような特徴の植物なのかを見ていきましょう。

乾燥している場所よりは、やや湿っている土地を好みます。また、雌雄同花の特徴を持っています。茎の色は暗緑色で光の加減では薄い紫色にも見えます。花の下にできる果実（サヤ）が1.5cm以上と長くなるのも、イヌガラシの特徴のひとつです。

イヌガラシはよく似た容姿の雑草で、スカシタゴボウとキレハイヌガラシがあります。パッと見ると同じ植物にも見えます。しかし、ここを比べてみれば見分け方がわかるというポイントをまとめてみました。

スカシタゴボウもイヌガラシと同じく、アブラナ科イヌガラシ属のため見分けるのが難しい雑草です。しかし、よく見ると葉の形状が異なります。イヌガラシの葉は長楕円形に緩やかな切れ込みがあります。スカシタゴボウの葉はダイコンの葉っぱのような付き方（羽状裂片といいます）で、切れ込みがしっかりあります。

葉っぱの形状のほかに見分け方としては、開花後にできる果実（サヤ）の長さにちがいが見られます。これは角果（かくか）とも呼ばれます。パッと見ると楕円形に膨らんでるような感じですが、よく見ると真ん中がややくびれている形をしています。イヌガラシの角果はスカシタゴボウに比べると、同じ楕円形でも細長くなっています。

キレハイヌガラシもイヌガラシと似ている容姿をしていますが、ヨーロッパ原産の帰化植物（外来種のこと）です。そのためか、切れてしまった根っこからでも再生し、成長を続けるほど繁殖能力が高い雑草です。こちらの葉は、ニンジンに似ていて羽状に細く裂けているような形です。なお、名称のキレハは漢字で書くと切葉となります。

イヌガラシに限らず種子で増える雑草の駆除のポイントは、種を地面に落とさないことです。イヌガラシの花期は4月～6月です。秋に咲くこともありますが、花の生育とともに果実も成長していきます。もちろん、葉の状態のときに除草することで翌年の発芽を少しずつ減らすことはできるでしょう。

草刈り機（刈り払い機）は取り扱う際に注意が必要ですが、除草のための機械としてはとても有効です。上記の画像の先端部分はチップソーと呼ばれる金属製の刃のアタッチメントです。この他にも、ナイロンコードという細長いケーブル状のものなど、場所や雑草の種類によって様々なタイプがあります。

イヌガラシの駆除に特化された除草剤はありません。オススメのタイプとして、非選択性のグリホサート系除草剤であるサンフーロンをご紹介します。ラウンドアップに対するジェネリック農薬といえるものです。葉っぱから薬剤が浸透し、根まで到達し全体を枯らしてしまう効果があります。希釈率によって散布頻度は変わってきます。

イヌガラシは見た目の似ている雑草もありますが、家庭菜園ではとてもポピュラーな植物です。完全な駆除を目指すことよりも、まずは家庭菜園を楽しむことが第一です。おおらかな気持ちで雑草たちと向き合っていくのが大切です。