スズシロ(蘿蔔・清白)とは?花や葉の特徴やおいしい食べ方を紹介!

スズシロ(蘿蔔・清白)とは?花や葉の特徴やおいしい食べ方を紹介!

スズシロといえば真っ先に「春の七草」を思い浮かべますね。最近では七草を実際に道で見つけることは難しくなりましたが、スズシロは実は今でもあちこちで見かけることができ、とても身近な植物です。スズシロの花や葉の特徴、レシピなどをいろいろご紹介します。

記事の目次

  1. 1.はじめに
  2. 2.スズシロについて
  3. 3.スズシロのアレンジレシピ
  4. 4.春の七草について
  5. 5.まとめ

はじめに

出典:写真AC

スズシロは、春の七草「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」で有名ですね。最近では全種類を近くの道端や土手などで見つけることは難しくなりました。しかし、スズシロは今でもあちこちで見かけるとても身近な植物で、昔からいろいろな料理に野菜として用いられて重宝されています。ここでは、スズシロの花や葉の特徴・おいしい食べ方などをあれこれご紹介します。

スズシロについて

スズシロは実は大根

出典:写真AC

七草のひとつであるスズシロは雑草だと思いがちですが、実は、大根の昔の呼び名です。アブラナ科の植物で、寒い季節によく育ちます。スーパーなどで葉付きで売られている大根は花が咲く前に収穫したもので、収穫せずに畑に残しておくと小さな白や薄紫の花が咲き(品種によって違います)、花が散った後に細長いさやに入った種ができます。

スズシロの生産地

フリー写真素材ぱくたそ

最近では1年中スズシロを見かけます。スズシロの生産量は年間約150万トンで、生産地として有名なのは北海道・千葉県・青森県です。主に、北海道・青森県は夏に出荷され千葉県は秋冬に出荷されています。

スズシロの特徴

Photo by [puamelia]

スズシロの根

色は白く、太くて長い根です。上の方は甘みがありますが、下にいくにつれて辛みがでてくるので、生で食べる場合は上の方が食べやすくなります。根の甘みは時期によっても違い、春夏の根よりは秋冬の寒い時期の根のほうが甘みが強いといわれています。

スズシロの葉

Photo by NakaoSodanshitsu

スズシロの葉(大根葉)の見分け方ですが、白っぽい茎の両側に厚くて左右同じ楕円形の濃い緑の葉がついていて、上にいくほど大きくなっています。葉の表面は固めの産毛のようなもので覆われていて、触ると少し痛く感じます。全ての茎が根から放射状に生えています。

スズシロの花

Photo by NakaoSodanshitsu

スズシロの根の真ん中からまっすぐに茎が伸び、その茎の先端から下に10cmくらいのところまで、白や薄紫の小さな花がいくつも咲きます。1つの花が枯れたあとに細長いさやができ、その中にたくさんの小さな種が詰まってできます。

スズシロの栄養

スズシロの根

フリー写真素材ぱくたそ

スズシロの根(大根)はジアスターゼという消化を助ける酵素やリパーゼという脂質を分解する酵素が含まれているので、食べ過ぎて疲れている内臓を助けるために、ぜひ食べたい部分です。ビタミンCもたくさん含まれています。秋冬に料理する場合、寒い季節柄スズシロの根を温かい料理に使いたくなりますが、根の部分に含まれている栄養は熱に弱いので、できるだけ食べ方を工夫して生で食べたほうがいいでしょう。

スズシロの葉

出典:写真AC

スズシロの葉(大根葉)は栄養価がとても高く、βカロテン・ビタミンC・ビタミンK・葉酸・カルシウム・カリウムを多く含みます。小松菜・ほうれん草など栄養価が高いといわれている葉もの野菜以上にたくさんの栄養を含んでいて、かなり優秀です。加熱しても残る栄養なので、葉がついた状態で手に入れたらぜひ料理に有効活用しましょう。

スズシロソウとの見分け方

同じアブラナ科の植物で、スズシロとよく似た花を咲かせることから名前がついたといわれるスズシロソウがあります。花は似ていますが、その他はあまり似ていません。見分け方ですが、スズシロは茎が白か白がかっていて、薄緑の葉です。スズシロソウは茎が黒か黒っぽい緑で、ゆるやかなカーブの短い葉です。

スズシロのアレンジレシピ

スズシロの根

スズシロの根の栄養は加熱に弱いので、ここでは加熱を避けて栄養をできるだけ上手にとれるレシピをご紹介します。

ぬか漬け

出典:写真AC

和の食卓に欠かせないものの一つに漬け物がありますね。たくあん・べったら漬けなどいろいろな種類の漬け物がありますが、ぜびぬか漬けをスズシロでもお試しください。ぬか漬けは発酵食品として注目されています。ぬか床は管理が面倒なイメージがありますが、家庭で簡単に作れるキットなども出回っています。

サラダ

Photo by inazakira

お好みの形にカットしたスズシロを水にさらしてパリッとさせて、他の野菜などと一緒に盛り付けます。しんなりとした食感がお好みの場合は、塩もみしたあとに軽く洗い、絞ってから盛り付けます。ドレッシングやマヨネーズでお召し上がりください。

スズシロの蜂蜜漬け

撮影:執筆者

風邪の時期はスズシロの蜂蜜漬けで喉をうるおすのがおすすめです。薄く皮をむいたスズシロを小さめの角切りにして塩もみし、よく絞って蜂蜜に漬け込みます。漬け込んだスズシロはそのまま食べます。残った液はお湯で割って飲んだり料理に使ったりします。すぐに作りたい場合は、すりおろした根と蜂蜜を混ぜてもできます。お好みですりおろした生姜を加えても、ひと味違っておいしく健康的です。

スズシロの葉

大根葉とちりめんのふりかけ

小さめに刻んだスズシロの葉・ちりめん(乾燥ものでも生ものでもよい)・にんにくをごま油で炒め、醤油で味つけします。お好みで刻んだ生姜やごまを入れてもひと味違って飽きません。ごはんがすすむおいしいふりかけです。ぜひ、お試しください。

チャーハン

Photo by shokai

温かいご飯・卵・スズシロの葉・ハムがあったら、チャーハンもおすすめです。中華鍋にサラダ油を多めにひいて温め、とき卵を入れてふんわりかき回したら、小さく刻んだスズシロの葉とハム・ご飯、調味料(塩・コショウ・中華だし・しょうゆなど)を入れてさっと炒めます。簡単で栄養のバランスのよい料理です。

春の七草について

出典:写真AC
 

「春の七草」というので季節を春と勘違いしそうですが、季節は冬です。正月(新春)の7日に無病息災を願って七草で作ったおかゆを食べるという昔からの風習で、お正月にいろいろと食べて疲れてしまった内臓を休める効果もあります。ちなみに、春の七草の生産量が全国的に有名なのは愛媛県西条市で、「名水百選」のひとつ「うちぬき」という地下水を用いて栽培されているそうです。

せり

フリー写真素材ぱくたそ

セリ科の植物で、とても香りがよく食欲をそそります。カロチン・ビタミンCなどを多く含み、美肌・利尿作用などの効果もあります。セロリに似たギザギザの葉と茎の部分を主に食べますが、最近では根も栄養がありおいしいと注目されています。ぜひ、捨てずに料理したい食材です。

ナズナ

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別名「ぺんぺん草」です。アブラナ科の植物です。利尿作用・解毒作用があるといわれています。白くて小さな花が茎の周りにぐるっと放射状に咲き、その後ハートの形のさやの中に種ができます。ハートの部分を少し剥いてでんでん太鼓のようにして振る遊び方もできる、親しみのある植物です。

ゴギョウ

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「母子草(ははこぐさ)」の別名です。黄色の小さな花が咲きます。咳や痰、のどの痛みに効果があるとされています。

ハコベラ

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大きながくの上に白くて小さい花が咲く、20cmくらいの高さの草です。利尿作用・浄血作用があるといわれていて、生薬の一つです。昔は虫歯の治療薬としても利用されていました。花びらは10枚に見えますが、1枚の花びらがうさぎの耳のように細長く2つに分かれていて、5枚あるのでそう見えます。

ホトケノザ

出典:写真AC

「ホトケノザ」とは、春になるとよく道端などで見かける、濃い緑の葉の上に紫の小さな花が咲く植物をいいます。実は、春の七草でいう「ホトケノザ」とは「コオニタビラコ」のことです。食欲増進・胃を健康に保つ効果などがあります。

スズナ

出典:写真AC

スズナは「かぶ」の葉の部分をいいます。カルシウムやビタミンKを多く含みます。スズシロと同じアブラナ科の植物ですが、見分け方としてはかぶのほうが根が丸くえぐみがありません。食感も大根よりもしんなりしています。葉はスズナのほうが大きくて柔らかです。

スズシロ

漢字で「蘿蔔」や「清白」と書きます。白は根の部分を指し「冬の寒い時期に清々しく育っている」という意味です。

まとめ

出典:写真AC

スズシロは実はいろいろな食べ方があって、優秀な野菜だということがおわかりいただけましたか。栄養豊富なスズシロをお楽しみください。

あつこちん
ライター

あつこちん

ガーデニング・家庭菜園が好きな主婦です。自宅や友人宅の庭でマイペースで楽しんでいます。

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