野いちごの種類・味まとめ!野生のいちごで食べられる品種はどれ?

野いちごの種類・味まとめ!野生のいちごで食べられる品種はどれ?

野山など、自然の中で自生する野いちご。小さくて可愛らしい花や、色鮮やかな実は見る人を楽しませてくれますね。野いちごは種類が多く、おいしく食べられるものがたくさんあります。今回は、野生のいちごの種類や味を、画像とともにご紹介します。

記事の目次

  1. 1.野いちごとは
  2. 2.野いちごの種類
  3. 3.生で食べれる野いちご(6種類)
  4. 4.加工するとおいしい野いちご(2種類)
  5. 5.食用に向かない野いちご(1種類)
  6. 6.野いちごの育て方
  7. 7.おわりに

野いちごとは

Photo byLoggaWiggler

野いちごとは、バラ科の植物のうち、野山に自生していちごのような果実をつけるものの総称です。ラズベリーやブラックベリーと同じキイチゴ属に、多くの野いちごが属しています。変種、雑種が多く、山深くに自生する希少なものから、道端や田んぼのあぜ道などで比較的よく目にするものまで、種類が豊富です。

野いちごと木いちごは同じ種類?

Photo bypixel2013

キイチゴ属、と聞いてラズベリーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。フランス語でフランボワーズ、日本語では木苺と呼ばれているのは、実はヨーロッパキイチゴという品種のものです。本来、「キイチゴ」とはバラ科キイチゴ属の総称なので、大きなくくりでいえば多くの野いちごもキイチゴの仲間、ということになりますが、現在一般的には、ヨーロッパキイチゴの和名としても木いちごという言葉が使われています。

野いちごと山いちご、何が違う?

 出典:写真AC

山いちごという名前も聞いたことがあるけど、野いちごとどう違うの?

どちらも、野生のキイチゴ属の植物の呼び名として使われている名前です。

「野いちご」も「山いちご」も通称

「野いちご」という品種の植物がないのと同じように、「山いちご」という品種の植物もありません。野いちごと山いちご、両者に明確な線引きはありませんが、一般的には野いちごの別名として言い換えたり、山間部で摘んだ野いちごのことを山いちごと呼んだりしているようです。

野いちごの種類

Photo bycongerdesign

野いちごはその種類がとても多く、よく似たものも多いので、見分け方は画像などで花や葉、果実の特徴を知ることから始まります。また、花や実のなる時期もヒントになります。ここからは、比較的よく知られているものを中心に、自生している9種類の野いちごを、花と果実の画像とともに紹介します。

生で食べれる野いちご(6種類)

日本に自生する野いちごは、基本的にほとんどが食べられるものばかりです。数多くの野いちごの中から、そのままでもおいしく食べられる品種を6種類ご紹介します。みずみずしい自然の恵みを、一番感じられる食べ方ですね。するどいとげのあるものも多いので、けがに注意して摘むようにしましょう。

①くさいちご(草苺)

 出典:写真AC

くさいちごの基本情報

自生する地域 本州~九州の山野
特徴 丈は20~60cm
全体に細かな毛があり、茎には小さなとげ
3~4月、5枚の花びらの白い花
果実 5~6月、赤い実で、酸味が少なく甘い

Photo by 阿橋花譜 KHQ Flower Guide

ワセイチゴ(早稲苺)または、ナベイチゴ(鍋苺)の別名もあります。背が低く草のように見えるところから、名づけられました。広い範囲で見られる、よく知られた野いちごです。

②もみじいちご(紅葉苺)

もみじいちごの基本情報

自生する地域 中部地方以北、山野の日当たりのいい林道の縁など
特徴 高さ2m程度、葉がモミジの形に似ている
毛はなく、鋭いとげが多い
4~5月、白い花が下を向いて咲く
果実 6月、黄色い実で、野いちごの中でも最もおいしい

黄色い果実をつけるので、別名キイチゴ(黄苺)とも呼ばれ、野いちごのなかでも最もおいしいと評判の高い品種です。中部地方より西は、変種で葉が細長い「ながばもみじいちご」が自生します。

③かじいちご(梶苺)

かじいちごの基本情報

自生する地域 主に西日本の太平洋側、暖かい気候を好む
特徴 高さ2~3m、葉や茎に毛がなく、とげもない
葉が大きく、かじの木の葉に似ている
3~5月、上向きに、白い花が咲く
果実 5~6月、オレンジ色の実で甘く、酸味はあまりない

 出典:写真AC

山だけではなく、沿岸部の森などにも自生します。もみじいちごと間違えられやすいですが、もみじいちごより大型で、とげのない木です。

④にがいちご(苦苺)

にがいちごの基本情報

自生する地域 本州、四国、九州 
山の中に小さな藪を作ることが多い
特徴 高さ50cm~1m、
茎が少し白っぽく大きなとげが多い
4~5月、枝の先に白く花びらが細い花が上向きに咲く
果実 5~6月、甘いが苦みを感じる場合も

名前から食べられないと勘違いされがちですが、苦みを感じる果実もあるものの、実はおいしい野いちごです。葉は浅く3つに切れますが、切れ込みがないものも混ざります。5月頃から実をつけるので、別名をゴガツイチゴ(五月苺)とも言います。

⑤くまいちご(熊苺)

くまいちごの基本情報

自生する地域 本州、四国、九州の山地
特徴 高さ1~2m 枝や茎が赤紫色で、とげが非常に多い
5~7月、白い花が枝の先に数個集まって咲く
果実 6~8月、大きめで、熟すと赤く甘い
核果(実の細かい粒)の先がとがっている

熊が食べていそうな山の中に自生することから、名づけられました。繁殖力が強いので藪を作りますが、とげが非常に多いので、摘む時には注意が必要です。

⑥えびがらいちご(海老殻苺)

Photo by treegrow

えびがらいちごの基本情報

自生する地域 日本各地の山地で日当たりのいい場所
特徴 高さ2ⅿ以上、つぼみや茎に赤紫の毛が生える
葉の裏が白い
6~7月、白い花、花びらは平らに開かない
果実 7~8月、赤い実で甘く、酸味は控えめ

つぼみなどの様子が、海老の殻を連想させるところから名前がついた野いちごです。数が減り、希少になりつつありますが、見た目が独特で、花束やフラワーアレンジなど観賞用としても活躍します。葉の裏が白いので、別名をウラジロイチゴ(裏白苺)といいます。

次のページ

加工するとおいしい野いちご(2種類)

関連記事

Article Ranking