ナギナタコウジュとは
ナギナタコウジュは「長刀香需」という漢字の和名がついています。その名の通り、花の穂が反っている形をしていて、長刀に似ているのが特徴です。また、シソ科に属しているため、独特な香りがすることから、香需とも呼ばれ「ナギナタコウジュ」という名前になりました。
ナギナタコウジュの基本情報
科名 | シソ科 |
属名 | ナギナタコウジュ属 |
和名 | 長刀香需 |
原産地 | 東アジア、シベリア〜西ヨーロッパ |
草丈 | 約60cm |
花期 | 9月〜10月 |
ナギナタコウジュの分布
ナギナタコウジュは主に東アジアに生息しています。またシベリア地方や日本にも広く分布している植物です。主に温帯地域に分布するのが特徴で、日本では北海道から九州地方の道端や山道などに生えています。
ナギナタコウジュの特徴
ナギナタコウジュは日本でも広く分布しているので、道端や山道などでも見つけやすい植物です。ラベンダーに似た薄い紫色の花がとてもかわいらしいナギナタコウジュですが、シソ科特有の強い香りがします。花の形や、葉の香りなどナギナタコウジュの特徴をご紹介します。
ナギナタコウジュの花
ナギナタコウジュの花は薄い紫色をしていて、ラベンダーによく似ています。しかしラベンダーとは違い、反り返った形をしているのが特徴です。小さな5mmほどの花がたくさん集まり、ひとつの花穂になっています。花穂は5cmほどの長さで、縦長の形をしています。
ナギナタコウジュの葉
ナギナタコウジュの葉は漢方に利用されています。「コウジュ」という名前で、ナギナタコウジュの葉を摘み取り、乾燥させたもののことです。コウジュには解熱や利尿効果が期待できます。また、ナギナタコウジュ特有の香りを生かして、口臭除去などにも利用されています。
ナギナタコウジュの香り
ナギナタコウジュはシソ科特有の強い香りがします。とくに10月末になると香りが強くなり、葉が腐ったようなきつい香りがするのが特徴です。一度手に香りがつくと、手を洗ってもなかなか取れないので注意が必要です。
ナギナタコウジュの利用法
ナギナタコウジュは独特な香りを生かして、さまざまなものに利用されています。また、道端や山道でもぐんぐんと育つので、大量に発生するのも特徴です。そんなナギナタコウジュの利用法をいくつかご紹介します。
梅干しの香り付け
梅干しをつけるときに、ナギナタコウジュが使われることがあるのを知っていますか?シソ科の植物は、梅干しを作るときによく使われています。ナギナタコウジュは梅干しに香りをつけるだけでなく、紅色の着色にも使えるのでおすすめです。
漢方
昔から漢方として使われていたナギナタコウジュは、コウジュという名前の漢方として使われています。コウジュには解熱や利尿作用が期待できるだけでなく、発汗やむくみ、腹痛などにも効果的です。漢方には副作用があまりないといわれていて、最近ではナギナタコウジュの漢方は民間薬としても広がっています。
入浴剤
ナギナタコウジュには天然のミネラルが含まれています。ナギナタコウジュの花や葉を乾燥させたものをお風呂に入れて、入浴剤として使用すると効果的です。腰痛や神経痛などを緩和したり、乾燥肌に潤いを与えてくれたりします。
ハーブティー
アイヌ地方でも飲まれていたナギナタコウジュを使ったハーブティー。ポットにお湯を沸かして、乾燥させたナギナタコウジュの花や葉を入れておくだけで、簡単にハーブティーの完成です。また、ナギナタコウジュは、水に入れておくだけで水出しティーとしても利用できます。
まとめ
ナギナタコウジュの特徴や利用方法などをご紹介しました。ナギナタコウジュは私たちの身近なところでも使われている植物です。日本でも広く分布しているので、身近なところで発見できるのも魅力です。ぜひナギナタコウジュをさまざまなところで活用してみてはいかがでしょうか?
出典:写真AC