廃油は家庭でリサイクルできる
廃油は家庭でリサイクルできます。シンクに流すと水質汚染や排水管がつまる原因になるため、廃油はそのまま捨てられません。一般的に、廃油は紙にしみこませたり油の凝固剤でかためたりして捨てることが多いでしょう。リサイクルのために廃油回収をしている自治体もありますが、家庭でも手軽にリサイクルできるので試してみてくださいね。
廃油の活用方法①手作り石鹼
廃油を使った手作り石鹸は手荒れしないといわれているため、食器洗い洗剤としても重宝します。エコで節約にもなる廃油石鹸ですが、廃油特有のにおいや色が気になるという人もいるかもしれません。その場合は、今回紹介するにおいや色をおさえる方法を試してみてくださいね。
用意するもの
材料(500mLのペットボトルを使う場合)
廃油 | 300mL |
水 | 100mL |
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム) | 40g |
道具
ペットボトル |
ビニール袋 |
タオルまたは布 |
ステンレス製のスプーン |
湯煎用の鍋 |
はかり |
じょうご |
プラスチック計量カップまたはクッキングペーパー |
薄手ガラスやポリエチレン製の耐熱性計量カップ |
温度計 |
ゴム手袋・ゴーグル・マスク |
牛乳パック |
包丁 |
アロマオイルやハーブなど |
基本の作り方
ボタニ子
①材料の計量
- ペットボトルをはかりにセットし、じょうごをつかって廃油を計量する
- はかりに計量カップ(プラスチック製)やクッキングペーパーをおいて、苛性ソーダを計量する
- 計量カップ(薄手ガラスやポリエチレン製で耐熱性のもの)を使って水を計量する
②苛性ソーダを溶かす
- 水がはいった計量カップのなかに、苛性ソーダをゆっくり数回にわけて溶かしていく(温度が急上昇するので要注意)
- 水に溶かした苛性ソーダの温度が40℃になるまで冷ます
- 鍋にお湯を沸かす
- 廃油がはいったペットボトルをお湯に浸けて、ペットボトルを軽く振りながら40℃くらいになるまであたためる
③下準備した材料をあわせて混ぜる
- 廃油があたたまったペットボトルのなかに、苛性ソーダをいれる
- ペットボトルのフタをしめ、中身が飛び散るのを防ぐためビニール袋とタオルでペットボトルを包む
- ペットボトルを振りながら中身がマヨネーズ状になるまで30分ほどしっかりまぜる(最初の10分は休まず振り続ける)
④香りづけ~乾燥
- 好みに応じてアロマオイルなどをたらして香りをつける
- 牛乳パックにできあがった液体を流しいれ、固まるまで数日置いておく
- 固まった石鹸を牛乳パックから取り出して、適度な大きさにカットする
- 風通しのよい場所で2~3週間ほど寝かせたら完成
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「好みの香りがわからない…」という場合、まずは数本セットになったものを選ぶのがおすすめです。いろいろな香りを試せれば、好みの香りを見つけられますよ。
廃油のにおいや色を残さない方法(塩析)
廃油石鹼は、廃油のにおいや色が気になって苦手な人もいるでしょう。そんなときは、塩析という方法で数回ろ過すると、独特のにおいも色も軽減されますよ。
ボタニ子
作業をするときは、苛性ソーダが飛び散るのを防ぐために必ずゴム手袋をしてください。
1回目の塩析
- 手作り廃油石鹸を包丁でこまかく刻む、またはおろし金などでおろす
- 石鹸に対して2倍の量の熱湯を用意する
- 熱湯をいれた容器のなかで、石鹸を混ぜながら溶かしていく
- ペットボトルに石鹸を溶かした液体をうつし、水50:食塩1の食塩水(分量は、石鹸が100gなら100mL)をいれてフタをしてからしっかり振ってまぜあわせる
- ペットボトルのフタ側を下にして、水分と分離するまで置いておく
- ペットボトルの下側に水分が分離したら、フタをあけて水分を捨てる
2回目の塩析
- もう一度同量の食塩水をペットボトルのなかで混ぜて、フタ側を下にして置いておき、完全に分離したらたまった水分を捨てる
- ペットボトルの中身を容器にうつして固める
廃油の活用方法②手作りキャンドル
廃油を使って手作りするキャンドルは、好みの色やデザイン、香りなどいろいろなアレンジができます。少ない材料や道具で作れるのもうれしいポイントですね。また、シトロネラというアロマオイルをたらすと、よい香りがするだけでなく虫よけ効果まで期待できますよ。
材料・道具
材料
市販の油凝固剤は、本来廃油を捨てるためにつかわれるものなので、使用は自己責任でおこないましょう。
廃油 | 100mL |
油の凝固剤 キャンドルやパラフィンワックス |
60g/60mL |
好きな色のクレヨン | 1本 |
アロマオイル | 数滴 |
道具
コーヒーフィルターまたはキッチンペーパー |
鍋 |
空き瓶などキャンドルをいれる容器 |
太めのタコ糸 |
割りばし |
作り方
- 廃油を人肌にあたためてから、コーヒーフィルターでこして汚れを落とす
- キャンドルに色づけをする場合は、けずったクレヨンを容器にいれて湯せんで溶かしたものを廃油にまぜる
- 廃油を湯せんで80℃以上にあたため、凝固剤と混ぜあわせる(パラフィンワックスの場合は60℃にあたためる)
- 香りづけする場合は、③の温度を60℃まで冷まし、アロマオイルを数滴たらす
- 容器の底の長さに調整したタコ糸を割りばしではさんで容器に渡しておき、液体を注いで固まるまで置いておいたら完成
廃油の活用方法③肥料
廃油は、油かすのような植物の肥料にもなります。肥料が完成するまでの所要時間は1カ月ほどです。できあがったら植物の根が肥料焼けしないように、根から少しはなして土に混ぜてくださいね。
材料
廃油 |
米ぬか |
ナイロン袋 |
腐葉土 |
作り方
- 常温の廃油と米ぬかをビニール袋のなかで混ぜあわせる(そぼろ状になるよう廃油と米ぬかで調整する)
- ビニール袋を密封して1週間寝かせる
- 腐葉土や堆肥を同量程度くわえて混ぜあわせ、もう1週間寝かせる
- 中身をもう一度混ぜあわせて、また1週間ほど寝かせたら完成
まとめ
廃油は日々の料理で頻繫に出るものです。そのまま流して捨てることはできず、自治体によって処理方法もちがうため、対処に困ることも多いのではないでしょうか。今回紹介した方法を使うと、捨てるはずの廃油が手軽にリサイクルできて便利なだけでなく、エコで節約にもなりますよ。ぜひチャレンジしていろんなアレンジもしてみてくださいね。
苛性ソーダは劇薬です。取り扱いには十分注意しましょう。手袋やマスク、メガネなどで体を保護し、風通しのよい場所で作業してください。