紅茶・緑茶・ウーロン茶の効能
「朝茶は七里帰っても飲め」「朝茶はその日の難逃れ」ということわざをご存じでしょうか?朝のお茶は一日の災難を防いでくれるので、飲むべきであるという意味のことわざです。このように、古くから日本でもお茶の効能について注目されていました。この項目では、紅茶・緑茶・ウーロン茶の効能についてご紹介します。
効能①整腸作用
お茶に含まれているカフェインやタンニンには消化を促す効果があります。また、消化機能を活性化させることにより、食欲増進につながります。食欲がない方や、食べすぎや飲みすぎで胃腸が疲れている方にもおすすめです。
効能②新陳代謝を促す
お茶に含まれているカテキンやタンニンは新陳代謝をよくし、脂肪燃焼を促します。特にタンニンは摂取してから運動をすると、中性脂肪を分解するので、ダイエット中の方はお茶を飲んでから体を動かすことをおすすめします。脂肪の蓄積を抑える効果もあるので、肥満防止にもなりますよ。
効能③コレステロール・血圧を下げる
お茶に含まれるカテキンやアミノ酸はコレステロールを下げる効果があります。また、タンニンには血圧を下げる効果があるので、高血圧の方におすすめです。
効能④糖尿病の予防
お茶に含まれるカテキンは体内のブドウ糖の増加を防ぎます。そのため、糖尿病予防に役に立ちます。前述の通り脂肪燃焼の効能もあるので、積極的にお茶を飲むことによって太りにくい体を作ることができ、生活習慣病の予防にもつながりますよ。
効能⑤殺菌作用
カテキンやタンニンには殺菌作用があるため、食中毒の予防や虫歯予防にも効果があります。また、お茶を濃くいれたものを飲むと、のどの炎症を抑えることができ、風邪が早く治るという民間療法もあります。風邪気味のときにはぜひ試してみてください。
チャノキとは
「チャノキ」は紅茶・緑茶・ウーロン茶の原材料の植物です。実は、チャノキからできるお茶は、この3種類にとどまりません。同じ植物からさまざまな味わいのお茶が楽しめるのは少し不思議ですね。チャノキから作られる他のお茶もあわせてご紹介しますので、チェックしてみてください。
基本データ
学名 | Camellia sinensis |
科名 | ツバキ科 |
属名 | ツバキ属 |
原産地 | 中国、インドシナ半島~インド |
草丈・樹高 | 2~15m(品種によって異なる) |
開花時期 | 10~12月 |
花色 | 白 |
チャノキの特徴
チャノキとは、ツバキ科の常用緑樹のひとつで、原産地は中国西南部からミャンマー北部だと考えられています。つやつやとしたツバキに似た葉が特徴です。主な用途はお茶として使用されることですが、大気汚染に強く耐寒性があるので、庭木として使われることが多い植物です。開花時期は10~12月で、白くかわいらしい花を咲かせます。
品種の違い
チャノキには、中国原産の「ver.sinensis」と、インドのアッサム地方原産の「ver.assamica」の2つの品種があります。中国型のチャノキは樹高が低く、2~3mほどですが、アッサム型のチャノキだと樹高が15mほどの巨木に育つこともあります。花や葉の大きさも、アッサム型よりも中国型のほうが小さいのが特徴です。日本で育てられているチャノキは、ほとんどが中国型です。
チャノキの歴史
チャノキの歴史は古く、中国では神話の時代にお茶を食用としていたという伝説が残っています。唐の時代には、上流階級の間ですでにお茶として飲まれはじめ、その後庶民にも広がりました。チャノキが日本に渡来したのは、奈良時代だといわれています。はじめは生薬としての利用が主でしたが、鎌倉時代に千利休などの台頭でお茶文化が発展し、飲料としての栽培が盛んになりました。
チャノキから作られるお茶
チャノキからは紅茶や緑茶、ウーロン茶以外のお茶も作られます。それぞれ発酵度によって呼び名が変わり、「黄茶(ファンチャ)」「白茶(パイチャ)」「黒茶/プーアール茶」などが代表的です。同じ植物から約6種類のお茶が楽しめるのは、それだけ歴史のある植物だという証拠でもあります。お茶専門店ではテイスティングできるところもありますので、お好みの味わいを探してみてくださいね。
まとめ
紅茶や緑茶、ウーロン茶の違いは、発酵度にあります。また、カフェイン量は発酵度や摘まれた箇所、入れ方によって変化します。さまざまな効能があるのもうれしいですね。チャノキからは約6種類のお茶が楽しめるので、お好みの味わいを探してみてください。
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