中島菜って知ってる?能登で生まれた野菜の特徴やレシピを紹介

中島菜って知ってる?能登で生まれた野菜の特徴やレシピを紹介

中島菜は、石川県の能登地方の一部で栽培されている伝統野菜です。野菜が少ない冬の季節に食べられることから、古くから地元の人たちに珍重されてきました。近年では栄養効果も期待されています。中島菜の特徴や栄養、食べ方やレシピ、保存方法を見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.中島菜とは
  2. 2.中島菜の特徴
  3. 3.中島菜の食べ方
  4. 4.中島菜のレシピ6選
  5. 5.中島菜の栄養効果
  6. 6.中島菜の保存方法
  7. 7.能登の伝統野菜を味わおう

中島菜とは

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中島菜は「漬け菜」と呼ばれる野菜の一種です。石川県能登地方で、明治時代から漬物やおひたしにして食べられてきました。2006年11月には「能登伝統野菜」として、地域団体商標を取得しています。中島菜の収穫および出荷時期は11月~3月です。能登伝統野菜であるため、種子はJA能登若葉が管理しています。このため、能登以外での種子の入手や栽培はほぼありません。

能登伝統野菜とは、能登地方で30年以上栽培され、伝統料理に用いられてきた歴史を持つ野菜を指します。中島菜以外にも6種類あるんですよ。

能登伝統野菜は「中島菜」「沢野ごぼう」「金糸瓜(きんしうり)」「神子原(みこはら)くわい」「小菊かぼちゃ」「かもうり」「唐川菜(からこな)」の7種類だよ。

名前の由来

中島菜の名前は生産地に由来しています。中島菜は石川県七尾市中島町で、明治時代から栽培されてきました。中島町を含む七尾市と鹿島郡中能登町が、中島菜のおもな生産地となっています。ただし、中島菜がいつどのように生まれたのか、中島町で栽培されるようになった正確な年などは詳しくはわかっていません。

中島菜の特徴

特徴①ギザギザの葉

中島菜の大きな特徴はギザギザの葉です。葉の形状そのものはカブに似ていますが、葉の縁に細かいギザギザが入っています。中島菜の葉には独特の食感もあり、おひたしや炒め物にしてもおいしく食べられますよ。

特徴②辛味と苦味がある

中島菜の味の特徴は、ピリっとした辛味とほろ苦さです。中島菜はホウレン草や小松菜などの一般的な青菜類と同じく、漬物やおひたしとして料理されることが多い野菜ですが、小松菜と比べると味にクセがあります。調理する際、味付けに注意しましょう。

特徴③無農薬栽培が可能

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中島菜は無農薬栽培が可能です。中島菜は10月に植え付けし、冬~春の短い期間に栽培と収穫を行います。能登は雪深い地域のため、ほとんど雪の下で栽培することになる野菜です。このため病気や害虫がほとんど発生しません。厳冬期に行う栽培は人間には厳しいですが、無農薬栽培を実現できるため、地球環境には優しい野菜栽培です。

自然環境の保護が叫ばれているなか、中島菜のように無農薬栽培が可能な野菜は、大きな期待を寄せられています。

冬の厳しい環境のなかで育つ中島菜は、養分をたっぷり蓄えて育つんだ。そのことから栄養面でも期待されているんだよ。

特徴④加工商品が豊富にある

中島菜はいろいろな形に加工されて流通しています。中島菜は日持ちしないため、冷凍保存が不可能な時代は漬物にして保存していました。近年、冷凍保存のほか、「使いやすく日持ちするように」と生み出されたのが中島菜粉末です。中島菜粉末は茎も葉も乾燥させて粉末にしたもので、幅広い用途があります。乾燥粉末から、中島菜入りのお茶や麺類、料理やお菓子が生まれました。

特徴④生産地以外では育たない

出典:写真AC

中島菜は生産地以外では育ちません。正確にいうと、生産地である七尾市以外の土地で中島菜を栽培すると風味が変わってしまい、中島菜とは別種類の野菜になってしまうのです。中島菜が「能登伝統野菜」として管理され、外部への種子提供も行われない野菜となったのは、この特徴も関係しているのでしょう。

中島菜の食べ方

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中島菜の食べ方は、通常の青菜類と変わりません。地元では冬場に食べられる貴重な野菜として、保存がきく漬物や調理が簡単なおひたし、体が温まる汁物の具材にするのが一般的でした。近年では独特の辛味や苦味を活かし、パスタの具材や炒め物にすることもあります。

中島菜のレシピ6選

レシピ①中島菜の漬物

漬物は中島菜の定番料理です。さっと茹でて塩で漬けるだけなので、簡単に作れます。ホカホカご飯にもよくあいますよ。食材が傷みやすい夏場に漬ける場合は、冷蔵庫に入れておきましょう。

材料 (1/2袋分)
中島菜1/2袋
粗塩小さじ2

作り方

  1. 中島菜はよく洗って茹で、水にとって水気をしぼっておく
  2. ボウルに中島菜を入れて塩をふり、全体になじませる
  3. 重石代わりとして、水を入れた小さめのボウルを中島菜の上に敷き、一日置く
  4. 中島菜の水気をしぼり、好みの大きさに切る
  5. 皿に盛りつけたら、できあがり

レシピ②中島菜の浅漬け

中島菜は浅漬けもよくあいます。浅漬けは漬ける時間を短縮させたいときや、塩分が気になるときにおすすめの調理法です。ただし漬物よりも塩分が控えめなぶん、日持ちはしません。早く食べきるために少量で作りましょう。

材料
中島菜1/2束
塩少し
塩昆布10g

作り方

  1. 中島菜は根元を切り落とし、塩をふって揉み込んだら、しばらく置く
  2. しんなりしてきたら水気をしぼり、ざく切りにする
  3. フリーザーバッグに中島菜と塩昆布を入れ、袋の外から揉み込む
  4. 冷蔵庫に入れ、1時間ほど寝かせたらできあがり

レシピ③中島菜の煮びたし

煮びたしはおひたしの一種です。おひたしと煮びたしは調理法が少し違います。食材を茹でてからだし汁をかけるのがおひたしで、だし汁で煮るのが煮びたしです。一般には、おひたしでは味が染みこまない食材に煮びたしが用いられます。中島菜の場合は、おひたしでも煮びたしでもおいしいですよ。だし汁を甘めに作ると、中島菜の辛味と苦味がやわらぎます。

材料 (3~4人分)
中島菜1束
油あげ1枚
しめじ1株
だしつゆ(希釈用)適量(大さじ3~4
■ 杯)
砂糖大さじ1~2杯
酒大さじ1~2

作り方

  1. 中島菜は1分~2分下茹でし、食べやすい大きさに切る
  2. しめじはほぐし、油揚げは1cmの短冊切りにする
  3. 油をいれた鍋に中島菜、砂糖、酒を加えて1分ほど炒める
  4. 油揚げとしめじを加え、さらに炒める
  5. だしつゆと適量の水を加え、落し蓋をする
  6. 5分ほど弱火で煮込んだらできあがり
  7. そのまま冷まして味を染みこませると、さらにおいしくできあがる

レシピ⑤豚肉と中島菜塩炒め

豚肉と中島菜塩炒めは、中島菜塩を使った炒め物です。中島菜塩とは、中島菜粉末と天然塩をブレンドした商品を指します。中島菜の風味と栄養をしっかりと詰め込んだ調味料です。味つけは中島菜とニンニクのみなので、調理も簡単に行えます。マッチャン(韓国カボチャ)が手に入らない場合は、ズッキーニやナスで代用できますよ。

材料 (5,6人分)
豚コマ600g
マッチャン(韓国カボチャ)←ズッキーニやナスでもよい1,2本
エリンギ1パック
空芯菜1束
ニンニク3かけ
油適量
中島菜塩適量

作り方

  1. フライパンに油をいれ、ニンニクを炒め、香りが立ったところで豚肉を入れる
  2. マッチャンは輪切りかいちょう切り、エリンギは拍子切り、空芯菜は4cm~5cmくらいの長さに切る
  3. 豚肉に火が通ったところで中島菜塩を加え、まんべんなく混ぜる
  4. マッチャンとエリンギを加えて炒め、火が通ったら空芯菜を加え、さらに炒めていく
  5. 味見をして、薄いと感じたら中島菜塩を足して調整する
  6. 味が決まったら皿に盛りつけてできあがり

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中島菜塩は、中島菜粉末と天然塩をブレンドした加工商品です。中島菜独特の風味が詰まったブレンド塩は、肉料理やパスタ料理によくあいます。

おすすめ度★★★☆☆
サイズ100g

レシピ⑥中島菜の胡麻和え

野菜料理の定番である和え物も、中島菜によくあう料理です。和え物にはいろいろな種類がありますが、ごまを使ってもおいしいです。中島菜は味に少しクセがありますが、ごまの香りと風味がうまくカバーしてくれますよ。中島菜を茹でる際はシャキシャキした食感を残すため、茹で過ぎないように注意しましょう。

材料
中島菜1/2束
■ 調味料
醤油大さじ1.5
砂糖小さじ1.5
すりごま大さじ1

作り方

  1. 鍋に湯を沸かし、中島菜を下茹でしてザルにあける
  2. 中島菜が冷めたら3cm~4cmくらいの長さに切る
  3. ボウルに調味料をすべて入れて混ぜあわせる
  4. 完全に混ざったら、水気を切った中島菜を入れて和える
  5. 皿に盛りつけてできあがり

次ページは「中島菜の栄養効果」です。

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中島菜の栄養効果

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