金木犀の香りと効果！いい匂いがする理由や金木犀を使った人気の香水を紹介！

金木犀は秋にオレンジ色の4枚の花弁からなる花を房状に咲かせる、モクセイ科の植物です。その花からはよい匂いが漂います。匂いのよさから金木犀の花はお茶や香水、芳香剤といったさまざまなものに利用されています。

金木犀は雌雄異株です。原産地である中国から、雄株が日本に持ち込まれました。本来、雌株がないと実をつけませんが、金木犀は挿し木で増やせます。この挿し木の手法が用いられ、金木犀の雄株が日本に定着しました。雄株は花を多くつけるため香りが豊かです。中国にはギンモクセイといって白色の花をつける品種がありますが、日本の金木犀はこのギンモクセイの変種です。

金木犀のいい匂いはほかにたとえようのない特徴的なものです。その匂いの主な成分はβ-イノオン、リナロール、γ-デカラクトン、リナロールオキシド、ヘキセノールです。いずれも揮発性の成分で、時間とともに花弁から空気中に溶け込んでいき、あたり一帯をいい匂いで満たします。

γ-デカラクトンは、金木犀の香りを構成する成分の中でも特に甘い香りを放ちます。桃とミルクを混ぜたような匂いと評され、この香りをほとんどの虫が嫌います。虫の中でも受粉にかかわるアブだけは、この香りを嫌わず花に近寄ってきます。金木犀のいい匂いは、このγ-デカラクトンによるところが大きいといえるでしょう。

金木犀の匂いには、消化器官を健康にする効能が期待できます。香りが消化器官を刺激し、唾液や消化液の分泌を促すといわれています。金木犀の花がお茶やお酒などに加工されるのは、こういった効果があるからでしょう。

金木犀のいい匂いには快眠作用もあるとされます。中でも白ワインに金木犀の花を漬け込んで作る「木犀花酒（けいふぁちんしゅ/けいかちんしゅ）」は、低血圧や不眠症に効果があるとされています。「楊貴妃」と呼ばれるカクテルに使われるお酒はこの「木犀花酒」です。

金木犀の強い匂いは、消臭剤として日本で古くから用いられてきました。特に下水設備が整っていなかった時代は、消臭効果を狙ってトイレの近くに金木犀を植えていたそうです。金木犀の香りからトイレを連想する人がいるのは、そういった経緯によります。

フレグランスは香りを楽しむもの全般を指し、香水やルームフレグランス、コロンなどの総称です。香水はフレグランスの中のひとつで、フレグランスの中でも香料の割合が高く、香料をエタノール（アルコール）で希釈したものです。アルコールが揮発するとともに香りが漂います。