豆苗とは
豆苗とは、エンドウ豆の種から発芽した茎や葉の部分を食用とする野菜のことです。原産地は東南アジアで、豆苗として食べるようになったのは中国が発祥だといわれています。日本に伝来したのは1970年代で、日本ではまだ歴史が浅い野菜だといえるでしょう。豆苗は、主に水耕栽培で育てられているので、天候で品質が左右されません。そのため、安価に手に入ることも嬉しい野菜です。
基本情報
園芸部類 | 野菜 |
英名 | pea |
学名 | Pisum sativum L. |
別名 | ノラマメ |
原産地 | 東南アジア |
特性・用途 | 食用 |
どんな味?
豆苗は、辛みがほとんどなく、インゲン豆やスナップエンドウに似たあっさりとした味わいが特徴の野菜です。少しだけ苦みが感じられることがありますが、それも味の特徴としておいしく食べられるでしょう。食感と香りもとてもよく、さわやかな青い葉物の香りとシャキシャキとした歯ごたえが楽しめますよ。
日持ちはどのくらい?
豆苗の日持ちは、おおよそ2~3日です。それ以上置いておくと、葉や茎が傷みやすくなるので注意しましょう。冷蔵で保存する場合は、葉を上にした状態でビニール袋に入れ、口を縛ってから野菜室などに入れておきます。
切り方など調理の仕方は?
豆苗は、豆の部分から茎や葉が伸びた状態で販売されています。豆苗を食べるときは、袋から出し、豆の部分より約2~3cm上をカットして使いましょう。種に近いところをカットすると、わき芽を一緒に切ってしまうので、2回目の収穫ができなくなります。もし豆苗の再生をしたい場合は、切り方に気をつけることをおすすめします。
豆苗の生食でもおいしい食べ方4選
豆苗の生での食べ方①サラダ
豆苗のさわやかな味わいと食感を活かすなら、サラダがおすすめです。アクが少なくえぐみもないので、さまざまな味のドレッシングや食材にもよくあいます。辛みもあまり感じないため、子どもにもおすすめです。
豆苗の生での食べ方②和え物
豆苗の食感や味を楽しむには和え物もおすすめです。食べるときに口いっぱいに広がる豆の香りが、和え物でよく使われるゴマだれや酢味噌などの少し濃いめの味付けにもとてもよくあいます。
豆苗の生での食べ方③ナムル
おつまみとしてぴったりのナムルも、豆苗と相性がぴったりの調理方法です。ごま油の香りと豆苗の食感がよくあい、箸休めにもおすすめです。またナムルにすると日持ちするため、常備菜としても活躍できますよ。
豆苗の生での食べ方④トッピング
豆苗は鮮やかな緑の色合いがきれいな野菜です。そのため、その色合いを活かしてメイン料理のトッピングとしても使えます。味にえぐみがないので、食べるときにメイン料理の邪魔をしません。「少し色味が足りないな」というときにはぜひ豆苗を使ってみてください。
おすすめの豆苗の生食レシピ4選
レシピ①豆苗と油揚げの香ばしサラダ
豆苗の食感と油揚げの香ばしさで箸が止まらなくなるサラダです。ドレッシングはどのようなものでもあうので、好みのものを使用してください。味付けを濃いめにすれば、おつまみとしても食べられます。
材料(2人分)
- 豆苗:適量
- 油揚げ:2枚
- レタス:4~5枚
- ドレッシング:お好みで
作り方
- 油揚げは熱湯をかけて油抜きをし、ひと口大に切り分ける
- レタスはひと口大にちぎり、冷たい水に入れておく
- 豆苗は食べやすい大きさに切り分ける
- 薄く油を引いたフライパンで、1の油揚げをカリカリになるまで焼く
- 皿に水切りをした2のレタスと、4の油揚げを盛り付ける
- 3の豆苗をトッピングし、ドレッシングをかけて完成
レシピ②豆苗と豆腐のじゃこサラダ
豆苗と豆腐を使ったさっぱりとした味わいが特徴のサラダです。食欲がなくてもあっさりと食べられるので、夏バテ対策にもおすすめですよ。お好みで梅肉を和えたり、大根おろしとポン酢で和えたりしてもおいしく食べられます。いろいろアレンジしてみてくださいね。
材料(1人分)
- 豆苗:1/2パック
- 豆腐:100g
- じゃこ:大さじ3~4
- もみのり:お好みで
- ドレッシング:お好みで
作り方
- 豆腐をひと口サイズに切り分けておく
- 豆苗を食べやすい大きさに切り分ける
- 皿に2の豆苗と1の豆腐を盛り付ける
- じゃこともみのりを3に散らし、ドレッシングをかけて完成
レシピ③メインのおかずにも!豆苗とささみの和え物
豆苗とささみを使った和え物です。食べごたえがあるので、メインのおかずとしてもおすすめですよ。
材料
- ささみ:3~4本
- 豆苗:1/2パック
- 酒:大さじ2
- 塩:小さじ1
- 梅肉:2~3個分
- めんつゆ:小さじ2
作り方
- 耐熱皿にささみを入れ、塩と酒をふりかけてラップをする
- 1を電子レンジで3~5分ほどチンする
- 豆苗はひと口大に切り分けておく
- 2のささみの粗熱が取れたら手やフォークで食べやすい大きさにほぐす
- 大きめのボウルに梅肉とめんつゆをいれて混ぜておく
- 5に4のささみと3の豆苗を入れて軽く和える
- 皿に盛りつけて完成
レシピ④豆苗とアボカドの中華風ナムル
ごま油の香ばしい香りと豆苗の食感、アボカドのねっとりとした口当たりが絶品のナムルです。おかずにはもちろんのこと、おつまみとしてもおすすめですよ。お好みで、すりおろしのにんにくを加えましょう。アボカドの変色が気になる人は、レモン汁を少しふりかけておく変色を防げます。
材料
- 豆苗:1/2パック
- アボカド:1個
- ごま油:大さじ1
- 鶏がらスープの素:小さじ2
- 塩コショウ:適量
- もみのり:適量
作り方
- 豆苗は食べやすい大きさに切り分けておく
- アボカドは種を取り、ひと口大に切り分ける
- 大きめのボウルに1の豆苗と2のアボカドを入れる
- 3にごま油、鶏がらスープの素、塩こしょうを入れ、軽く混ぜる
- 4を冷蔵庫に入れ、10~20分ほど味をなじませる
- 皿に盛り付け、もみのりを散らして完成
豆苗の再生栽培
豆苗は再生栽培ができる
豆苗は、食べ終わったあとの残った種と根の部分を水に浸しておくことで、再生栽培ができます。再収穫までの日数は、7~10日ほどかかります。キッチンの窓辺などでも育てられることや、新しい茎や葉がにょきにょきと生えてくるようすをしっかり観察できることなどから、子どもの食育としてもおすすめです。
2回目以降の収穫の注意点
雑菌に注意
2回目以降の豆苗は、管理された状態での栽培ではないため雑菌が繁殖しやすくなります。そのため、生食での調理は控え、念のためしっかりと火を通して食べたほうがいいでしょう。
カビに注意
豆苗の再生栽培は水に浸ける必要があるため、カビが発生しやすくなります。水は必ず毎日取り換えましょう。また夏場は蒸れやすく、種の部分が腐りやすくなるので、風通しのいい場所での栽培をおすすめします。
再収穫は2回まで
豆苗の再収穫は2回までが限度です。3回目以降は、新しい茎や葉が生えるためのわき芽が少なくなるため、成長が弱くなります。また、ずっと水に浸けておくことで、カビや雑菌などの成育トラブルも発生しやすくなるでしょう。再生栽培は2回までにとどめておきましょう。
豆苗は生でもおいしく食べられる
豆苗は、アクが少なく辛みもほとんどないので、生でもおいしく食べられる野菜です。えぐみも少なく、さまざまな食材にあわせやすいのも魅力といえるでしょう。調理方法しだいでは日持ちもするので、常備菜としてもおすすめですよ。ぜひいろいろな食べ方に挑戦してみてください。
出典:写真AC