はじめに
春先から初夏が旬のそら豆(空豆)は、ビタミン類、カリウム、そしてタンパク質が豊富な豆類です。茹でたての香りや、ほくほくとした食感が好きな方も多いことでしょう。そんなそら豆ですが、実はあっという間に鮮度が落ちてしまい、日持ちしません。旬も短く鮮度も落ちやすいそら豆の上手な保存方法を知って、長くおいしく楽しみませんか?
そら豆を上手に茹でる方法
保存方法をご説明する前に、まずはそら豆を上手に茹でる方法を確認しましょう。そら豆はなんといっても茹でたてが一番おいしい瞬間です。おいしさを引き出す簡単な茹で方をご紹介します。
茹で方①さやから豆を出す
まずさやから豆を取り出します。さやから出してしまうと、豆の鮮度はあっという間に落ちてしまうので、茹でる直前に取り出すのがベストです。
茹で方②豆の薄皮に切り込みを入れる
取り出した豆の薄皮に少しだけ切り込みを入れます。茹でる際に、塩味がよく豆に染み込むようにするのが目的なので、大きく入れる必要はありません。
茹で方③塩を入れて沸かせた湯で茹でる
1リットル当たり、大さじ1杯ほどの塩をいれ、沸騰させます。沸騰したところに、さきほどの切り込みいれた豆を入れて吹きこぼれに注意しながら茹でましょう。お湯に対しての豆の量があまりに多いと、お湯の温度が下がり、豆がしっかり茹でることができない場合があります。お湯の中で豆がゆらゆらと泳ぐ程度の量に抑えて茹でるのがよいでしょう。
茹で方④3〜5分茹でる
ぐつぐつとそのまま3~5分茹でます。豆の火の通り具合を確認し、ザルにあければ完成です。塩水で茹でているのでほんのり塩味がついています。薄皮にも切れ目が入っているので、向きやすいはずです。薄皮を剥いたらそのまま茹でたてのおいしい食感や風味を楽しみましょう。
そら豆を買ってきて、おいしく茹でて楽しんでも量がたくさんある場合は残ってしまうこともあるでしょう。鮮度が落ちやすいそら豆をどうすれば上手に保存できるのか、確認していきましょう。
そら豆の保存方法①常温
まずは常温での保存が可能なのかご説明していきます。そら豆のおいしさの期限は3日程度といわれているほど、短い期間で鮮度が落ちやすい食材です。常温でいつまでも保存することは厳しいでしょう。
常温で保存できる期限は2日ほど
流通経路での時間経過を考えると、常温でさやの状態で保存するとなると期限は2日ほどが限度でしょう。さやから取り出した状態であればさらに短くなります。基本的には常温での保存は向かないと覚えておきましょう。
どうしても常温保存するなら「乾燥」させよう!
例えば家庭菜園などで大量にそら豆を収穫できたときや、ご近所からおすそ分けしていただいたときなどにおすすめの方法が乾燥です。さやごと新聞紙に広げ、天日乾燥させるだけです。カラカラになったら瓶やタッパーといった保存容器にシリカゲルと一緒にいれておけば数か月の期間、常温で保存ができます。この際、乾燥さえるそら豆はさやが黒くなった完熟したものを乾燥させるようにしましょう。
そら豆の保存方法②冷蔵
常温では乾燥させない限り、日持ちしないそら豆ですが、実は冷蔵庫でも同程度の期間しか保存できません。特にさやから出した豆の状態や、薄皮に切り込みを入れたもの、一度茹でたものなどは冷蔵庫に入れたとしても短い期間しか保存できないことを覚えておきましょう。
冷蔵庫で保存できる期限も2日ほど
実は、そら豆の保存の適温は0℃前後とかなり低い温度帯です。冷蔵庫の中でもパーシャルなどの低い温度帯であれば保存期間は伸ばせますが、10℃前後になる冷蔵庫や、それよりも高い温度帯となる野菜室での保存はあまり効果がありません。どのような状態であってもおいしくいただける期間は2,3日ほどですので早めにおいしくいただくようにしましょう。
そら豆の保存方法③冷凍庫
常温、冷蔵保存とご紹介してきましたが、最後は冷凍庫での保存となります。保存適温が0℃前後であることからもやはりそら豆の一番の保存方法は、冷凍庫を使用したものであると想像できることでしょう。保存期間も一番長くできます。詳しく見ていきましょう。
一番鮮度が保たれる方法は「さやごと冷凍」
さやから出すと鮮度の落ちる速度が加速するのは先述した通りです。そうなると、やはり一番のおすすめの保存方法は「さやごと」冷凍庫にいれることです。密閉できる保存袋にさやごと入れて、空気をなるべく抜いてから冷凍庫に入れましょう。
次におすすめの保存方法は「薄皮が付いた状態で冷凍」
大量にある場合などは、さやごと冷凍すると冷凍庫の場所をとりすぎることもあります。そんなときにおすすめなのが、さやから出してすぐに薄皮ごと冷凍する方法です。薄皮には、茹でる時にした処理のように小さく切り込みを入れておくと解凍後の扱いも楽になります。
調理の時短が優先なら「茹でてから冷凍」
生のまま冷凍しておくのが鮮度が落ちず、おすすめとご紹介しましたが、そうすると調理のたびに一から茹でたり薄皮を剥いたりと面倒な工程が増えてしまいます。多少味が劣りますが、忙しい方におすすめの方法は「茹でてから冷凍」の方法です。最初にご紹介した茹で方よりも少しだけ短い茹で時間にし、茹でた豆を冷凍庫で保存すれば完了です。
冷凍庫で保存できる期間は1~2か月ほど
2~3日しか保存できない常温や冷蔵庫保存と比べて、冷凍庫での保存は圧倒的に長いことがおわかりいただけたでしょう。鮮度や味の劣化も抑えられるので、やはり一番の保存方法は冷凍庫での保存といえます。
出典:写真AC