ルビーカカオとは
ルビーカカオとは、スイスのチョコレート会社「バリー・カレボー」によって開発された、新しいチョコレートの原料です。ルビーカカオには特定の種類や原産国はなく、特有の色と酸味の元となる天然の前駆体を持つカカオ豆がルビーカカオと呼ばれます。ルビーカカオから作られるルビーチョコレートは、第一のブラック・第二のミルク・第三のホワイトに次ぐ「第四のチョコレート」として近年話題になりました。
ボタニ子
チョコレートの色と味の元になる「前駆体」ってなぁに?
ボタ爺
前駆体とは、化学反応などである物質が生成される前の段階にある物質のことじゃ。カカオ豆が発酵するときにルビーチョコレートになるかがわかるらしいが、作り方は企業秘密で謎に包まれているのじゃ。
Barry Callebaut(バリー・カレボー)とは?
バリー・カレボーグループはベルギーのカレボーとフランスのカカオ・バリーが合併してできたチョコレート製造会社です。グループ全体で175年以上の歴史を持ち、そのチョコレートやココア製品は世界の25%のシェアを占めます。カカオ・バリーとカレボーは、現在もグループ内でブランドとして残っており、ルビーチョコレートはカレボーが13年の月日をかけて開発しました。
ルビーカカオが希少な理由
ルビーカカオは従来のカカオに比べて希少なカカオ豆です。その理由はルビーカカオが持つ天然の前駆体にあります。この前駆体はすべてのカカオにあるわけではなく、特定の種類や原産国によって作られるものでもありません。ルビーカカオは、バリー・カレボーの独自な方法で選別・加工されますが収穫量は少なく、特別な手間をかけた希少なカカオ豆なのです。
ルビーカカオの効能
長年の研究により、カカオ豆に含まれる栄養素にはさまざまな病気のリスクを減らす効果があるとわかっています。なかでも特に注目されているのは、カカオ豆の色素であるカカオポリフェノールと、たんぱく質であるカカオプロテインです。健康効果を期待できるのはカカオ成分70%以上のチョコレートになりますが、これらの栄養素からは、美容と健康にうれしい効果が期待できます。
カカオポリフェノール
カカオ豆に含まれるポリフェノールという色素成分には、非常に高い抗酸化作用があります。ポリフェノールの高い抗酸化作用により細胞の老化を防ぎ、アンチエイジング効果・動脈硬化予防・心臓病予防・高血圧予防・認知機能を高める効果が期待できます。砂糖が少ない高カカオチョコレートならばダイエット中も安心して食べられますよ。
カカオプロテイン
カカオ豆に含まれるカカオプロテインの一部は難消化性で、消化の過程で小腸内で吸収されずに大腸まで運ばれます。大腸に運ばれたカカオプロテインは、便のカサを増し腸内環境を整えることがわかりました。腸内細菌に変化をもたらし腸内環境を整えるので、便秘解消にも効果が期待ができます。
ルビーカカオの栽培方法
カカオの木が栽培できるのは、西アフリカ・東南アジア・中南米の限られた一部の地域だけです。またカカオの木は実がなるまで3~5年ほどかかり、栽培には非常に根気が求められます。長い時間をかけて大切に育てられたカカオ豆の中には、ルビーカカオも含まれています。
栽培環境
カカオは非常にデリケートな樹木で、栽培環境もきわめて限定されています。カカオの生育に適した環境は、平均気温27℃以上で年間の気温の変動が少なく、日照時間が1日5~7時間、降雨量は年間2000mm以上、土壌の水はけがよい場所です。この条件を満たす、赤道を挟んだ南北緯20°以内の栽培可能な地域を「カカオベルト」と呼んでいます。
育て方
カカオを種から発芽させるのは非常に難しいといわれます。種はカカオポッドからとったら、できるだけ早くまくことが大切です。種に用土を1~2cmかぶせ、水をたっぷりやり20℃以上の温度で発芽するまで管理します。発芽して健康に育った苗はシェイド・ツリーに囲まれた畑に植え替えられ育てられ、4年目くらいにようやく収穫時期を迎えるのです。
ボタ爺
「カカオポッド」とは、カカオの果実のことじゃ。カカオの幹にぶら下がるようにできる、ラグビーボール型のカカオの実をカカオポッドと呼ぶぞい。
カカオの日よけ対策
カカオの木を生育するには、カカオの木は直射日光にとても弱いため、周りに日よけになる「シェイド・ツリー」と呼ばれる背の高い樹木を植えます。シェイド・ツリーはおもに生育が早く、実も収穫できるバナナの木を植えることが多いです。落ち葉は肥料になるだけでなく、土壌を乾燥から守る役目も果たしています。
ボタニ子
次のページでは、ルビーカカオを使って作られるルビーチョコレートの秘密に迫ります。
出典:写真AC