キャロブとは
キャロブ(カロブ:carob)は、おもに地中海沿岸諸国で栽培されているマメ科の植物です。日本名はイナゴマメといいます。果肉全体が甘く、ココアやチョコレートに風味が似ており、ココア、またはチョコレートの代替品として利用されています。栄養豊富でカフェインを含んでいないことから、近年流行りのオーガニック食品や健康食品にも用いられ、人気上昇中の食品です。
ただし、キャロブでアレルギーを引き起こすケースもあるんだ。摂取する際は注意しようね。
名前の由来
キャロブの名前は、ギリシャ語で「動物の角」という意味がある「Kerátiōn」が語源です。日本名のイナゴマメは、英名の「Locust bean」を訳したもの、または種子の見た目が昆虫のイナゴに似ていることから、イナゴマメという名前になったといわれています。
キャロブの特徴
特徴①花
キャロブは雌雄異株の植物です。秋の開花時期を迎えると、雄株に雄花、雌株に雌花がつきます。雌花はマメ科の植物に多い蝶のような花形とは異なり、かなり特徴的な形状です。雄花はブラシのような形状で咲きます。雌雄異株の植物なので、どちらか一方だけでは結実しません。
特徴②実
キョロブの果実は、15cm~20cmの細長いサヤに、5個~10個の豆果が入っています。キャロブの果実は熟すのに、1年近くもの時間が必要です。開花後につく果実は緑色ですが、翌年の晩夏を迎える頃にようやく茶色く熟します。
特徴③チョコレート(カカオ)の代替品
キャロブは歴史の古い植物です。古代エジプト時代に甘味料として用いられていた記録があります。現在のキャロブは、おもにココアやチョコレートの代替品として利用されることが多いです。栄養豊富でノンカフェインであることから、ダイエット中のお菓子作りや、近年流行りのオーガニック食品に利用される機会が増えました。
近年は健康や安心・安全な食品を求める傾向が高まっています。キャロブの人気も高まっていくでしょう。
最近はチョコレートの原料のカカオの生産量が消費量を下回っているんだ。これもキャロブが注目され、人気が出た理由なんだよ。
キャロブに含まれる栄養
栄養①食物繊維
キャロブには食物繊維が豊富に含まれており、その含有量はゴボウの約2倍といわれています。食物繊維は体内の老廃物や有害物質の排出を促進する働きを持つため、整腸効果や便秘改善効果が期待されている栄養成分です。キャロブの効能は古くから知られており、ヨーロッパでは軟便の際、整腸剤の代用品として用いられていました。
栄養②鉄分
赤血球を作り、貧血を予防する効果効能があるとされる鉄分も、キャロブに含まれている主要栄養成分です。キャロブに含まれている鉄分の量は、ほうれん草とほぼ同量といわれています。ただし、キャロブに含まれている食物繊維には、鉄分の吸収率を低下させる作用もあります。栄養バランスを整えるために、鉄分の吸収率を上げるビタミンCやたんぱく質を含む食材を、キャロブといっしょに摂りましょう。
栄養③カルシウム
骨や歯を丈夫にする働きを持つカルシウムは、マメ科の植物に含まれていることが多い栄養成分です。キャロブにも豊富に含まれています。しかもキャロブはノンカフェインです。そのため、カルシウムが不足しやすい子どもや高齢者にも、安心して与えられます。カルシウムの吸収率を上げるために、キャロブとビタミンDを含む食材といっしょに食べれば、さらに栄養効果が増すでしょう。
栄養④ピニトール
キャロブに含まれている栄養成分で注目されているのが、サヤに含まれている栄養成分ピニトールです。血糖値を調整する働きがあり、糖尿病や肥満の予防・改善効果を期待されています。ピニトールを含む食材は少なく、キャロブのほかには大豆、ルイボス、アイスプラントなどに確認されているだけです。しかも、これらの食材のピニトール含有量は、キャロブにはおよびません。
イナゴマメから抽出されたピニトール、カイロ-イノシトールは多くのエビデンスで裏付けされた素材です。インスリン抵抗性改善効果や体内にグルタチオンを生成し、抗酸化効果、肝臓保護効果、更にグルコサミンと併用で抗炎症効果、クレアチンと併用で疲労回復力の向上効果を示します。
キャロブの食べ方
食べ方①キャロブパウダー
桜井食品 オーガニックキャロブパウダー 200g
参考価格: 359円
キャロブパウダーとは、キャロブを乾燥させパウダー状に加工した商品です。日本で流通しているキャロブを加工した商品のなかでは、パウダータイプのものがもっとも多く流通しています。この商品は栄養面のほか安全面も重視し、原材料にオーガニック栽培で育てたキャロブを使用しています。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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重さ | 209g |
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食べ方②キャロブチップス
有機キャロブチップス 100g ×2個セット アリサン Alishan
参考価格: 1,806円
キャロブチップスとは、キャロブパウダーに油脂や糖類と加えて焼き固めた、チップタイプの商品です。パウダータイプと比べるとカロリーが高いですが、味にクセが少なく食べやすいという利点があります。見た目と風味がチョコチップと似ているため、チョコチップの代替品とされることが多いです。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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重さ | 100g |
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食べ方③キャロブシロップ
カナーン 有機キャロブシロップ
参考価格: 845円
キャロブシロップは、キャロブを数日間煮詰めて作る商品です。手間がかかるぶん、ほかのキャロブ商品と比べると少し高価ですが、キャロブ本来の甘味、苦味、香りがしっかり味わえます。シロップタイプはハチミツやメープルシロップの代替品として扱われることが多いです。料理のソースやサラダのドレッシング作りにも使えます。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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重さ | 299g |
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キャロブのタイプ別商品比較表
商品 | |||
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商品名 | 桜井食品 オーガニックキャロブパウダー 200g | 有機キャロブチップス 100g ×2個セット アリサン Alishan | カナーン 有機キャロブシロップ |
価格 | 359円 | 1,806円 | 845円 |
商品リンク |
キャロブのアレンジレシピ3選
アレンジレシピ①カップケーキ
キャロブパウダーを使ったカップケーキです。米粉で流行りのグルテンフリーを実現しています。砂糖やバターをきび砂糖や米油に置き換えて、よりヘルシーなレシピに仕上げました。隠し味として塩麹を使っているのも、このレシピの特徴です。
材料 (マフィンカップ6個分)
米粉120g
キャロブパウダー30g
ベーキングパウダー小さじ1
きび砂糖大さじ3
卵1個
塩麹or塩少々
米油大さじ2
牛乳150ml
レーズンorナッツorフルーツミューズリー大さじ3
作り方
- 米粉、キャロブパウダー、ベーキングパウダーは、ビニール袋に入れて軽くふっておく
- ボウルに卵ときび砂糖を入れてよく混ぜる
- さらに米油と牛乳を加えて混ぜる。完全に混ざったら塩麹を加える
- ビニール袋の粉類を入れ、さっくりと混ぜあわせる
- 好みでナッツやレーズンを加え、型に入れる
- 170℃に予熱したオーブンで30分焼く。竹串で刺して、何もついてこなかったらできあがり
アレンジレシピ②ブラウニー
キャロブチップを使ったブラウニーです。このレシピはオーガニックチョコレートを使用して、濃厚な味に仕上げているのが特徴です。チョコレートを使いたくない場合は、ココアの分量を50gにして、つぶしたバナナ約1本分、または水切りした木綿豆腐80gに置き換えます。
材料 (18cmスクエア型、または15cm丸型1台分)
☆チョコレート(できれば乳化剤を使わないオーガニックのもの。パキパキ割っておく)※チョコを使いたくない場合はコツの欄参照を。100g
☆豆乳100cc
☆きび砂糖、または甜菜糖80g
菜種油など好みのオイル80g
★薄力粉(米粉でも可。)80g
★片栗粉大さじ2
★ココアパウダー大さじ2
★ベーキングパウダー(アルミ不使用)小さじ1※
★塩2つまみ
くるみ(粗く刻む)ふたつかみ
好みでチョコチップまたはキャロブチップなど。ひとつかみ
作り方
- クルミはフライパンで乾煎りしておく
- ☆の材料を鍋に入れて弱火にかけ、混ぜ溶かす。油を加えてしっかりなじむまで混ぜる
- ボウルに★の材料を入れて、よく混ぜておく
- ☆の材料に★の材料を加えてよく混ぜた後、クルミとキャロブチップを加えてザッと混ぜる
- 型にオーブンシートを敷き、生地を流し入れる
- 180℃に予熱したオーブンで焼く。時間は20分~25分
- 竹串を刺して、何もついてこなかったらできあがり。粗熱が取れたら切り分ける
アレンジレシピ③マフィン
キャロブシロップを使ったマフィンです。クリームチーズとくるみで、甘くない大人の味に仕上げました。甘味と苦味をあわせ持つキャロブシロップがよくあいます。甘いものが苦手なかたでも、おいしく食べられますよ。
材料 (マフィン型7個分)
ホットケーキミックス200g
☆溶き卵1個分
☆キャロブシロップ(はちみつ、メープルシロップでもOK)大3
☆塩1つまみ
☆オリーブオイル大3
牛乳70ml
くるみ40g
クリームチーズ50g
作り方
- クリームチーズは8mm角に切る。くるみは乾煎りした後、細かく刻む
- ☆の材料をよく混ぜあわせ、完全に混ざったらホットケーキミックスを加えて、さっくりと混ぜておく
- 牛乳を加えて混ぜ、さらにクリームチーズとくるみを入れて混ぜあわせる
- 型に生地を流し入れ、170℃に予熱したオーブンで約20分焼く
- 竹串を刺して、何もついてこなかったらできあがり
- 粗熱を取った後、好みでシロップ(分量外)をかけてから食べる
キャロブでおいしいオーガニックライフを
栄養も風味も豊かなキャロブは、流行りのオーガニックスイーツの材料としても、人気が高まっている注目の食材です。上手に活用して、より豊かでおいしい食生活の実現に役立ててくださいね。
キャロブはチョコレートアレルギーのかたが、チョコレートの代わりとして利用することも多いんですよ。