架空の人物の名前のバラ一覧【日本】
架空の日本人名のバラ①ミツコ
バラ 苗 【ミツコ (HT) 大輪 四季咲き】
参考価格: 4,268円
ミツコは1970年にフランスのデルバール社が作出したバラです。交配親の名花ピースによく似た花姿ですが、ピースよりも花びらが丸くフリルがかっています。樹高は0.8m~1.3mと低めで鉢植え栽培も可能です。名前はフランスの香水・化粧品メーカー「ゲラン」の香水「ミツコ」に由来しています。名前のとおり、ミツコもすばらしい香りがします。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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名前の由来となった人物
ミツコの名前の由来である香水「ミツコ」は、1909年に出版された小説「ラ・バタイユ」に登場する、架空の日本人女性ミツコに由来しています。ミツコは「ラ・バタイユ」に登場する日本海軍の海軍大将の年若き妻です。英国の海軍士官と恋に落ちますが、道に外れた恋をよしとせず、結局は相手を拒絶しました。
香水「ミツコ」は、小説内でゲランの香水を取り上げてくれたお礼にゲラン氏が作ったものなんだよ。
架空の日本人名のバラ②かぐや姫
バラ苗かぐや姫 (HT黄)
参考価格: 3,280円
かぐや姫は、1998年に日本の大手バラメーカー京成バラ園芸が作出しました。花径10cmの剣弁高芯咲きで花色は明るい黄色です。光沢のある濃緑色の葉が花色を引き立てます。このバラの大きな特徴は香りです。ティー香にフルーツ香が混ざった甘く優美な香りで、1996年度のJRC「香りの大賞」を受賞しています。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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名前の由来となった人物
かぐや姫の名前の由来は、平安時代初期に成立した日本最古の物語「竹取物語」のヒロイン「なよ竹のかぐや姫」です。光り輝く竹からあらわれたかぐや姫は、竹取りにきた翁(おきな)とその妻に保護され、美しく成長しました。成長した姫は高貴な人たちから求婚されますが、いずれも拒絶します。それには深い事情がありました。じつは彼女は月の住人で、八月の十五夜に月へ帰らなくてはならなかったのです。
かぐや姫を愛する翁たちは、彼女を月へ帰さないように奮闘しますが、かないませんでした。
かぐや姫は翁夫婦に不死の薬を贈ったけど、夫婦は「愛する姫に二度と会えない身で、不死を得ても何になろうか」と薬を燃やしてしまうんだよ。
架空の人物の名前のバラ一覧【外国】
架空の外国人名のバラ①オフィーリア
【バラ苗】 オフィーリア 国産苗
参考価格: 2,675円
オフィーリアは、1912年にイギリスで作出された歴史的品種です。オフェリアとも呼ばれています。剣弁高芯咲きの花形を確立したといわれる端正な花形と淡いピンクの花色、「オフェリア香」と呼ばれる独特の甘く気品ある香りが大きな特徴です。品種改良にも大きく貢献し、「現代の名花でオフィーリアの血をひかぬものはない」といわれるほど多くの子孫を残しています。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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名前の由来となった人物
オフィーリアの名前の由来は、イギリスの劇作家シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の登場人物オフィーリアです。オフィーリアは主人公ハムレットの恋人ですが、復讐心にとらわれる恋人の姿に苦悩します。さらに父を殺されるなどの悲劇に見舞われて正気を失い、ついには命を落としてしまいました。その悲劇性とはかない美しさから、多くの美術作品の題材に用いられています。
架空の外国人名のバラ②シェエラザード
バラ苗 シェエラザード (Sh濃桃)
参考価格: 3,580円
シェエラザードは、2013年に日本のバラ育種家木村卓功氏が作出しました。「波状弁咲き」と呼ばれる独特の花形と、紫がかったローズピンクの花色が大きな特徴です。ダマスク香にフルーツ、スパイス、ティーが入り混じる芳香がよく香ります。耐病性もある優秀な品種で、2018年のモナコ国際バラコンクールで芳香賞とフロリバンダ賞の2つを受賞しました。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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名前の由来となった人物
シェエラザードは、「アラビアンナイト(千夜一夜物語)」の登場人物にして物語の語り手を務める架空の女性です。王妃の裏切りが原因で女性不信の暴君と化した王から国民を救うために、みずから王に嫁ぎます。シェエラザードは千一夜に渡って物語を語り続けて王をなぐさめ、人間らしい心を取り戻させました。その結果、王も国民も救われたのです。
シェエラザードは、木村卓功氏が作出した品種群「ロサ・オリエンティス」の代表的品種でもあります。
ロサ・オリエンティスのバラは、神話や伝説、架空の物語の登場人物の名前を持つものが多いんだ。
架空の外国人名のバラ③ナエマ
【バラ苗】 ナエマ (大輪 デルバール )
参考価格: 5,361円
ナエマは、フランスのデルバール社が1991年に作出しました。明るく品のある淡ピンクの花色に花径8cm~12cmのカップ咲きの花形、ダマスク香にレモングラスとフルーツを混ぜた豊かな香りが特徴のつるバラです。2006年のぎふ国際ローズコンテストで、銀賞とベストフレグランス賞を受賞しています。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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名前の由来となった人物
バラのナエマの由来は、ゲランの香水「ナエマ」です。そして香水のナエマは「アラビアンナイト」に登場する、美しい双子の王女からとられました。火のように情熱的なナエマ姫と、水のように穏やかなマハネ姫は、外見は瓜二つでも性格は対照的な双子の姉妹でした。あるとき2人は同じ男性に恋してしまいます。しかし、ナエマ姫は「自分よりも妹のほうが彼にふさわしい」と身を引いたのでした。
物語のなかで、情熱的なナエマ姫は火、穏やかで忍耐強いマハネ姫は水にたとえられています。ナエマ姫が妹姫に恋を譲る原因にもなりました。
ナエマ姫は、すべてを焼きつくす火(ナエマ)よりも、優しく流れる水(マハネ)のほうが、愛する人が幸福になると悟ったんだよ。
架空の外国人名のバラ④オスカル・フランソワ
【バラ苗】 オスカルフランソワ
参考価格: 4,826円
オスカル・フランソワは、2004年にフランスのメイアン社が作出しました。花径12cmの端正な剣弁高芯咲きと清らかな白色、すらりと伸びた茎に、強く香るティー香が特徴です。枝葉や花首のバランスがよく、切り花にも向いています。性質も優秀で、2003年のローマ国際コンクールにてHT部門金賞、芳香部門金賞、ジャーナリスト部門金賞の3つを受賞しました。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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オスカル・フランソワは、メイアン社の「ベルサイユのばら」シリーズの1つです。原作者の池田理代子氏の監修と協力のもとに作出されました。
このシリーズにはオスカルのほかにも、アンドレやロザリーなどの主要人物の名前を冠したバラがあるんだ。どれも魅力的な品種だよ。
名前の由来となった人物
オスカル・フランソワは日本の漫画「ベルサイユのばら」の主要人物です。オスカルは貴族の娘ですが、父の希望によって男として育てられ、近衛連隊長を務めるほどの軍人に成長します。フランス革命時には民衆側につき、のちに戦死しました。絶世の美貌に高潔な魂をそなえたオスカルの誇り高く凄絶な生きざまは多くの熱狂的ファンを生み、社会現象になるほどの人気となりました。
漫画のなかでオスカルが死んだときには、実際に葬儀が催されました。参列者はみんな、心から悲しんでいたそうです。
「ベルサイユのばら」の原作者の池田理代子氏は、フランス政府から「レジョン・ドヌール」勲章シュバリエを授与されているよ。
バラの名前を楽しもう
バラは非常に種類・品種が多いため、いろいろな名前がつけられています。有名人や架空の人物を含めた人名のほかにも、神話や伝承に登場する人外の存在や、地名や国名など、数え上げたらきりがないほどです。バラの美しさや香りだけでなく、名前にも注目してみましょう。由来などを調べてみると、さらにバラの魅力が深まりますよ。
「ラ・バタイユ」の作者は、ゲランの三代目調香師ジャック・ゲラン氏と親交がありました。自身の小説にもゲランの香水を登場させています。