夏の暑さに強い多肉植物
➀アガベ属
アガベは丈夫な葉と爪を持ち、暑さ・乾燥に強い耐性を持つ種類の多肉植物です。原産地がメキシコやアフリカなどのため、多少劣悪な環境でも育ちますが、日本の梅雨・夏の湿気には耐性がありません。なるべく用土を乾燥気味に保ち、半日陰での管理をすれば屋外での夏越しも可能でしょう。
➁カランコエ属
ほかの多肉植物と比べて耐暑性はやや強く、長時間直射日光にさらされなければ屋外での夏越しが可能です。30℃を超す日が続くと溶けたり、茎や葉がへたったりする可能性もありますが、基本的には屋外の半日陰で管理できれば問題ありません。また同じ科にふくまれ、似たような特徴を持つコチレドン属も、同じようにして屋外で夏越しできます。
ボタニ子
ボタ爺
毛は生えてくるまでに時間がかかるから、夏の暑さからはなるべく避けよう!
➂センペルビウム属
センペルビウムは春秋型の多肉植物ですが、鉢を乾燥気味に管理すれば屋外での夏越しが可能です。葉にためる水分量があまり多くない種類なこともあり、よほど暑さにさらされなければ溶けたり変色したりすることはあまり多くありません。うまく管理できれば、夏でも春や秋と同じような姿を保てる可能性が高いでしょう。
夏の暑さに弱い多肉植物
➀ハオルチア属
ハオルチア属は夏・冬が休眠期にあたり、水を吸う力や傷みを回復する力などが弱まります。気温の変化にも弱い種類のため、夏越しがやや難しい多肉植物です。日中の湿度と温度で溶けることを防ぐためにも、断水気味で管理するとよいです。また、室内で管理する場合は定期的な換気ができると鉢内の空気がリセットされ、根腐れを防止できます。
腐敗・変色などが起こる可能性
ハオルチアは急激な気温の変化・厳しい日光などにさらされると、変色したり腐ったりする可能性があります。特に「窓」の大きい品種のハオルチアはダメージを受けると茶色くなったり、葉がしおしおと萎えたりすることが多いです。またこれらの傷みは回復するまでに時間がかかることが多く、管理もより手間になります。夏に屋外で管理することは難しいため、室内の明るい日陰で管理できるとよいでしょう。
ボタニ子
ハオルチアの「窓」ってなに?
ボタ爺
ハオルチアの「窓」とは、水のたまった透明な部分のことじゃ。窓は傷みやすいが、ハオルチアが光合成するうえでとても大切なものなんじゃよ。
➁エケベリア属
エケベリア属には基本的に丈夫な品種が多いですが、春秋型のため夏の暑さにはあまり強くありません。ハオルチア属と同じく蒸れに弱く、根腐れしやすいため、屋外での管理は注意が必要です。種類によっては1日屋外に出すだけでダメージを受けることもあるため、高温障害のリスクを考えると半日陰での管理が得策です。特に斑入りは日光によるダメージを受けやすいため、屋外で管理している場合は遮光グッズを活用できると安心です。
見た目の美しさが損なわれることも
エケベリアが夏に蒸れや日光不足などのダメージを受けると、葉と葉の間の締まりが悪くなったり葉が薄くなったりといった状態になることがあります。しかし、ある程度の日差しを当てないと葉がきれいに締まらず、秋の紅葉も望めないため、水やりの調整や遮光グッズの活用などでうまく管理していきましょう。
➂セダム属
セダム属には虹の玉や乙女心などがふくまれ、ぷっくりと丸い葉が特徴的な多肉植物です。丈夫な品種ですが、エケベリアよりも葉の水分量が多いため、高温障害や葉焼けには要注意です。下葉がカリカリと焼けていたり、白っぽくなっていたりするサインを見逃さないようにしましょう。また、涼しい時間帯に適量の水を与えないと、暑さで枯れてしまう可能性の高い種類です。日中の水やりは控え、夕方に霧吹きやスプレーで上手に水を与えましょう。
➃アエオニウム属
アエオニウム属は春秋型の多肉植物で、薄く色鮮やかな葉が特徴です。夏は休眠期にあたるためダメージを受けやすく、特に暑い日が続くと葉の締まりが悪くなることがあります。また、葉にあまり水分をためないため株のバランスが崩れやすく、夏に管理を失敗するとあまり美しい姿に育ちません。ほかの夏に弱い多肉植物同様、用土を乾燥気味に育てられるとよいでしょう。
夏越しを失敗しないコツまとめ!
- 気温が30℃以上になったら、素早く室内へ移動させる
- 気温だけでなく、湿度もこまめにチェック
- 水は16時頃に与え、量と頻度は控え気味に
直射日光や地面からの熱による、葉焼けや高温障害に注意
- 寄せ植えには扇風機やサーキュレーターを活用できるとよい
表面に毛の生えている種類の多肉植物は、暑さや過湿などのストレスがかかると毛が抜けてしまうことがあるよ!