ドウガネブイブイの駆除方法【無農薬】
無農薬トラップで駆除する
ペットボトルと家にあるものでドウガネブイブイの無農薬トラップが作れます。材料は酢、酒、オレンジジュースや砂糖水です。装置を作り、ヒモをつけて畑や果樹園などにいくつか下げておきましょう。ドウガネブイブイだけでなく、コガネムシやカメムシなども捕獲できます。
無農薬ペットボトルトラップの作り方
- 酢を1、酒を7、オレンジジュースを2の割合になるように混ぜる
- ペットボトルの上部1/3程度を切り取る
- ペットボトルの切り口付近に吊るすための紐を固定する
- ペットボトルに1の液を入れ、2で切り取ったペットボトルの上部を逆さにはめ込む
誘蛾灯で駆除する
ドウガネブイブイの成虫は夜行性です。正の走光性といって、明るい方向へ向かう習性があるため誘蛾灯が役立ちます。しかし、ドウガネブイブイは体が大きく、蛾を落とすくらいの誘蛾灯の電流では死にません。気絶して落ち、そのうちまた気がついて動き出します。誘蛾灯の下に大きめのバケツやタライに水を張って置いておくと、落ちてきたドウガネブイブイを溺死させられます。
捕殺して駆除する
成虫
ドウガネブイブイの成虫は触ると落ちて、下から逃げる習性があります。畑や家庭菜園で成虫を見つけて、手で捕獲しようとするとつるっと滑って落ちてしまいます。口を切った大きめのペットボトルや、バケツを下で構えて捕まえようとすると、逃げて容器に勝手に入るためおすすめです。潰すのが気持ち悪い場合は、水を入れてフタをしておけば溺死します。
幼虫
ドウガネブイブイの幼虫駆除にも水は有効です。プランターや植木鉢が入るくらいの大きさのバケツやタライに水をたっぷり入れます。プランターや鉢をその中に入れ、しばらく様子を見ます。息ができず、苦しくなって土の中から地表に出てきたドウガネブイブイの幼虫を一網打尽にすれば、駆除完了です。プランターなど限定的な場にはおすすめですが、残念ながら畑や家庭菜園にはむきません。
寄生虫で駆除する
ドウガネブイブイの天敵として、幼虫の捕食者や寄生虫がいます。ヒメイラナガツチバチの幼虫のエサはドウガネブイブイやコガネムシの幼虫で捕食者になりますが、数を集めるのが大変でしょう。センチュウという寄生虫は自然界では病害虫ですが、ドウガネブイブイなどの幼虫駆除用に研究開発された「バイオトピア」というセンチュウなら安全性が高くおすすめです。
ドウガネブイブイの予防策
ドウガネブイブイを完全に一匹残らず駆除するのは難しいです。しかし、発生する量を抑えたり、幼虫のエサを減らしたりすることはできます。草花や野菜、果物などの栽培をスムーズにするためにも、ドウガネブイブイの発生の予防方法を知っておくとよいでしょう。予防方法は薬剤を使う方法や道具を利用する方法などあります。
圃場(ほじょう)周辺の整備
畑や果樹園、またベランダでの栽培の場合、家の周辺の雑草を除去しておくと効果的です。ドウガネブイブイの成虫は葉や果実などを食害するため、雑草も好んで捕食します。雑草が茂っていると、ドウガネブイブイの隠れ家にもなるため、作物を育てる圃場や家の周辺の雑草をきれいにしておきましょう。
防虫シートを使う
ドウガネブイブイの成虫が産卵しにくる時期より前に、植物に防虫ネットを張っておきましょう。野菜や果物など、殺虫剤をあまり使いたくない場合に役立ちます。ドウガネブイブイの産卵時期は梅雨ごろのため、その前にドウガネブイブイがいないのを確認してきっちり防御してください。卵を産ませないことが大切です。
竹パウダーを使う
植木鉢やプランターで植物を育てている場合に役立つのが竹パウダーです。水責めで土の中にドウガネブイブイの幼虫がいないのを確認して、表面に約3cm~5cm程度、竹パウダーを敷き詰めます。水やりをたっぷりすると乾燥したときに繊維が固まって、ドウガネブイブイの成虫が産卵するのに入れない硬さになります。
ボタニ子
土が見えていたら、そこからドウガネブイブイがもぐりこめるわ。植木鉢の端もしっかり敷き詰めてね。
ボタ爺
竹パウダーは粉タイプと繊維が残っとるタイプがあるようだの。ひび割れにくいから、おすすめは繊維があるほうかな。
おすすめの商品
お徳用宮崎県産竹パウダー
参考価格: 2,500円
竹パウダーは、宮崎県産の孟宗竹を加工して作った国産のものです。ドウガネブイブイの駆除としてだけでなく、バクテリアや乳酸菌の活性化による土壌改良効果も期待できます。
用土はしっかり熟成させる
ドウガネブイブイの幼虫のエサは、1齢・2齢とも土の中の有機物です。成虫も土が柔らかく、有機物が多い場所を好んで産卵します。植物を栽培するときはしっかり熟成した腐葉土を使用しましょう。未成熟の用土は、ドウガネブイブイの幼虫の格好のエサになってしまいます。堆肥も完熟したものを使用してください。
ドウガネブイブイに似た虫
アオドウガネ
ドウガネブイブイと形はほぼ同じですが、青緑色の光沢をもつのがアオドウガネです。諸説ありますが、ドウガネブイブイは在来生物でアオドウガネは南の暖かい地域から渡ってきた外来種といわれています。沖縄ではサトウキビを食害するようで、甘いものが好みです。近年の温暖化で北上する個体が多く、ドウガネブイブイが追いやられているという報告もあります。
カナブン
カナブンもコガネムシ科ですが、ドウガネブイブイとカナブンとは違います。ドウガネブイブイは葉や根を食害する害虫ですが、カナブンは腐った木に卵を産み、幼虫はそれを食べて森や林を自然に返します。成虫の食性も樹液で、益虫です。ドウガネブイブイとカナブンの見分け方や違いを知っておけば間違えて捕殺しなくても済むでしょう。
見分け方
カナブンの見分け方は羽の付け根です。カナブンは逆三角形ですが、コガネムシの仲間のドウガネブイブイは半円のようになっています。体の形も違い、カナブンのは四角い印象で、ドウガネブイブイは楕円形です。大きさは、個体差がありますがカナブンのほうが大きめで、ドウガネブイブイのほうが小さいです。カナブンは外国産のものも取引されていて、鮮やかな模様のものもいます。
ドウガネブイブイを駆除して快適なガーデニング
ガーデニングをしていて葉に勢いがなくなってきたら、ドウガネブイブイの幼虫がいるかもしれません。葉や花が食害にあうだけでなく、ひどいときには枯死してしまうこともあります。駆除方法も予防方法も種類があるため、植物や自分にあった方法で試してみましょう。早めに駆除予防ができれば、ドウガネブイブイと戦わずして充実したガーデニング生活が送れます。
- 1
- 2
筆者撮影