菜の花は健康に役立つ野菜?
菜の花は、鮮やかな黄色い花を咲かせ春の訪れを感じさせてくれる野菜です。健康や美容に欠かせない栄養がたっぷり含まれているため、さまざまな効能が期待できるといわれています。しかし、誤った調理法によって豊富な栄養素を逃がしてしまっては意味がありません。栄養を逃がさない調理方法を知り、菜の花を食卓に取り入れてみましょう。
菜の花とは?
菜の花は、キャベツやブロッコリーなど黄色い花を咲かせるアブラナ科の野菜の総称です。ブロッコリーも収穫せずにしておくと、葉っぱや茎が大きくなり黄色い花を咲かせます。早春に「菜の花」と呼ばれ食用として出回っている品種は、「なばな」や「花菜(はなな)」とも呼ばれ、ほかの野菜と区別されています。
菜の花の栄養価はどれくらい?
菜の花には、花が咲く前の蕾や若い葉っぱを食べる「和種」と、茎と花の部分を食べる「西洋種」の2つがあります。どちらも、ほろ苦い味と豊かな香りがあり、ビタミンやミネラルなど高い栄養価をもった緑黄色野菜です。特に蕾の部分に花を咲かせるための養分がしっかり詰まっています。また、生の菜の花は100gあたり約34カロリーととてもヘルシーな食材でもあります。
可食部100gあたりの栄養価
たんぱく質 | 4.4g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 5.8g |
食物繊維 | 4.2g |
βカロテン | 2200µg |
ビタミンC | 130µg |
ビチオン | 12.0µg |
葉酸 | 340µg |
ビタミンK | 250µg |
カリウム | 390mg |
カルシウム | 160µg |
鉄 | 2.9mg |
菜の花に含まれる栄養と効能
菜の花は、春野菜の中でも特に栄養価の高い緑黄色野菜です。免疫力を高め風邪の予防に役立つビタミンCや、体内の塩分バランスを保つカリウムなど豊富な栄養素がバランスよく含まれています。菜の花は、まだ肌寒さを感じる早春が食べ頃です。栄養を蓄えた旬の時期にしっかり摂取すれば、さまざまな効能が得られるでしょう。
栄養と効能①肌の調子を整える
菜の花には、100gあたり130µgのビタミンCが含まれています。ビタミンCは、シミやくすみの原因となるメラニン色素の過剰生成を抑えたり、コラーゲンの生成を助けたりする栄養素です。できてしまったメラニン色素を分解する働きや、ストレスを解消する働きもあるといわれています。またビタミンCには、抗酸化作用もあり身体を若々しく保つ効果が期待できるでしょう。日差しが強くなる前に積極的に摂りたい栄養素です。
栄養と効能②免疫力が上がる
菜の花には「イソチオシアネート」と呼ばれる辛味成分が含まれています。イソチオシアネートは、強い抗酸化作用があり免疫力を高める働きや、血液の流れをよくしたり腎臓の機能をよくしたりする働きがあるとされています。積極的に摂取すれば、ビタミンCと共に免疫力が上がり風邪の予防やアレルギー症状の緩和に繋がるでしょう。
栄養と効能③貧血を予防する
菜の花には、100gあたり2.9mgの鉄分が含まれています。鉄分は赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となり、全身の細胞へ酸素を運ぶ栄養素です。吸収率を高めてくれるビタミンCや、赤血球の生産を助ける葉酸と一緒に摂取すると効果的といわれています。菜の花には、ビタミンCや葉酸も多く含まれているため、鉄分と一緒に貧血予防が期待できるでしょう。
栄養と効能④ダイエットに繋がる
菜の花には、食物繊維が豊富に含まれているのが特徴です。食物繊維が腸内の善玉菌を増やして、老廃物や有害物質を排出し腸内環境を整えます。またカリウムも多く含まれているため、溜まった水分を体外へ排出し、むくみ解消に役立つとされています。食物繊維とカリウムの働きによって、体内がすっきりしダイエットに繋がる効果が期待できるでしょう。
栄養と効能⑤白髪や薄毛の予防になる
菜の花には、「ビチオン」と呼ばれる成分が含まれています。ビチオンは、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンで、別名「ビタミンH」と呼ばれる栄養素です。体内で脂質やアミノ酸、糖などの代謝に関るエネルギーを助ける働きをしたり、髪や皮膚の健康を維持したりするなど幅広く役立つ栄養素といわれています。白髪や薄毛が気になり始めたら、積極的に食べましょう。
菜の花の栄養素を逃さない調理方法
菜の花は、花が咲き始めると味が落ちてしまうため、購入する際は蕾が固く閉じているものを選びます。また、茎の切り口が瑞々しく鮮やかな緑色のものがおすすめです。調理する前に水を吸わせて葉っぱを元気にさせましょう。茎の下の乾いて硬くなっている部分を切り除き、水を張ったボウルに菜の花を立てるように入れて、30分ほど水を吸わせてから調理します。
調理法①短時間で茹でる
菜の花を茹でるときは、短時間でサッと茹でましょう。ビタミン類やイソチオシアネートは、水に溶けやすい性質をもっているため、茹ですぎないことが大切です。短時間の加熱によって、栄養素の損失を抑えられます。茹でる際は、菜の花の下部を30秒ほど湯に浸してから、全体を40秒ほど湯に浸けましょう。茎の太い部分と柔らかい葉っぱで、茹で時間を分けるのがポイントです。
ボタニ子
茹で汁も調理に使って、溶け出した栄養も摂取しましょう。茹でた後は冷凍すれば、いつでもすぐに使えます。
調理法②油で調理する
菜の花に含まれている脂溶性ビタミンであるβカロテンやビタミンKは、油と一緒に摂ることで吸収率が上がります。生のまま炒めたり、天ぷらにしたりするといった油を使った調理法がおすすめです。下茹でしないほうが、栄養を逃がさず調理できます。また油でサクッと揚げることで、苦味が感じず食べやすくなります。
調理法③電子レンジを使う
菜の花の栄養は、電子レンジを使うと水に栄養が溶け出てしまう心配がありません。耐熱容器に入れて、ラップをしてから1~2分加熱しましょう。加熱した後は、サッと冷水に入れて冷まします。柔らかい葉っぱと硬い茎の部分を分けて加熱したほうが、加熱のムラを防げます。調理の時間を短縮することができ、忙しいときにおすすめの調理法です。
ボタニ子
次のページで、菜の花の栄養を活かした食べ方を紹介します。
出典:写真AC