鉢植えのバラの育て方
鉢植えでのバラの育て方のポイントを、用土・水やり・置き場・肥料・剪定そして植え替えのそれぞれについてご説明します。
用土
鉢植えでバラを育てる場合に、用土のよしあしがとても重要になります。土の中の環境がよいと、根が元気に育ち、強いバラに育ちます。赤玉土小粒・堆肥・腐葉土などを混ぜて用土を作りますが、初心者の方は「バラ専用培養土」を使えば安心です。様々な種類のバラ専用培養土が販売されていますので、説明をよく読んで選びましょう。
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水やり
バラの鉢植えの管理で忘れてならないのは水やりです。「土が乾いたらたっぷり」が基本です。土の表面が乾いていたら鉢の根元全体へまんべんなくたっぷりと水をかけてください。水やりの時間は午前中が理想的です。夏は特に乾きやすいので、土が乾いていたら夕方も水をやります。
水のやり過ぎにも注意
水やりを忘れると水切れを起こしますが、反対に水が多すぎると根腐れを起こします。バラを大切にし過ぎて水のやり過ぎにも注意しましょう。水が多くても少なくても枯れる原因となります。
雨の日の水やりは?
「雨の日は水やりはお休み」と初心者の方は思いがちですが、必ずしもそうではありません。強い雨が降っても、鉢の置き場所によってはほとんど土が乾いていることがあります。葉がよく茂っている場合も株元が乾いていたりします。雨の後に土の様子を確認して、乾いていたら水やりをしましょう。
ボタニ子
真夏の雨後、水やりをしないでいたら、バラのつぼみがぐったりということがありましたぁ・・・
置き場所
バラはお日様が大好きですから、日当たりのいい場所に置くことが一番です。特に光合成の活動がさかんな午前中が大切なので、少なくとも午前中によく日が当たる場所を選びます。東側か南側が理想的です。夏は必要に応じてあまり暑くなり過ぎない場所へ移動させたり、日陰を作るなど工夫して夏の暑さに対処します。
ボタニ子
わが家の玄関はあまり日当たりがよくないけれど、普段は日当たりのよい場所に置いているバラを、花が咲き始めたら玄関先に移動して飾っています~~
肥料(追肥)
鉢植えのバラには、肥料もとても大切です。植え付けた時の元肥だけでは足りなくなりますので、3月から11月までは追肥を与えます。肥料には様々な種類がありますが、追肥にはバラ栽培用の緩効性肥料がおすすめです。決められた分量を決められた時期に与えます。月1回与える肥料であれば、毎月決まった日にちに与えるようにすれば忘れないで与えられます。
ボタニ子
「バラは肥料食い」と言われるけど、やりすぎには注意!!肥料のやりすぎで、病気になったり、時には枯れることがあります~~
鉢植えの寒肥について
寒肥とは、冬の間に与える肥料です。バラの栽培の本などに「寒肥を必ず施す」などと書かれていますが、それは地植えのバラのことです。鉢植えの場合は、鉢の植え替えの際に元肥を入れるため、寒肥は必要ありません。ただし、鉢植えでも植え替えをしない場合は、寒肥を与えてください。
剪定
バラの剪定には、花後剪定・夏剪定・冬剪定の3種類があります。鉢植えの場合、剪定をきちんとしないと背が高くなりすぎてバランスがとても悪くなり、風で倒れやすくなります。また、花の位置が高くなると見づらくなります。
花後剪定
花後剪定は、花が終わった後に花枝の半分くらいまで切り戻します。すると、次の花や新芽が上がりやすくなります。花をそのままにしておくと、実がついたり、次の花や新芽が出なくなったりします。必ず花後剪定をしましょう。
夏剪定
夏剪定は、8月下旬から9月中旬の間に、四季咲き性のバラを剪定します。必ずしなければいけないものではありませんが、夏剪定をすると秋になって同時期に見やすい位置に花を咲かせることができます。剪定は、全体の3分の2の高さを目安に切り戻します。外側の枝を少し低めにするとこんもりと茂ります。
冬剪定
冬剪定は、12月から2月頃に行います。植え替えの前に行っておきます。樹高の1/2を目安に高さをそろえるように剪定します。その際良い芽の上で剪定するようにします。また、芽の伸びる方向を考えます。外芽の上で剪定すると、株が外側に伸びて広がります。内芽の上で剪定すると、枝の広がりを抑えることができます。鉢の置き場所や、全体のバランスを考えながら剪定しましょう。
植え替え
鉢の植え替えは、1~2年に1回、休眠期の12月~2月の間に行います。植え替えをしないでそのままにしておくと、鉢の中が根で一杯になって根詰まりをおこしてしまいます。根詰まりをおこすと水分や肥料の吸収が悪くなります。
大きな鉢に植え替える場合(鉢増し)
今使っている鉢より大きな鉢に植え替える方法
- 鉢から株を引き抜く
- 根鉢の周囲の古い土を薄く落とす
- 二回り大きい鉢に新しい用土を少し入れて有機質の元肥を入れる
- さらに少し用土を入れ、株を入れる
- ウォータースペースを3~4cm残すように用土を足す
- 鉢を軽くゆすって根鉢と用土のすき間をなくす
- たっぷり水をやる
鉢の大きさを維持する場合(用土替え)
鉢のサイズをこれ以上大きくしたくない場合の植え替えの方法
- 鉢から株を抜く
- 根鉢についた土を2/3~1/2くらい落とす(株を横にして指先で固まった土をもみほぐす)
- 長く伸びた根や黒くなった根を切る
- 鉢に新しい用土を少し入れて有機質の肥料を入れる
- さらに用土を少し入れ株を入れる
- ウォータースペースを3~4cm残すように用土を足す
- 鉢を軽くゆすって根鉢と用土のすき間をなくす
- たっぷり水をやる
ボタニ子
動かすのが大変なくらい大きな鉢(プランター)に植えてある場合は、鉢の中の土を部分的に掘り出して、新しい用土に入れ替えるといいですよ。
参考文献
なお、鉢植えのバラの育て方につきましては「別冊NHK趣味の園芸 鉢で美しく育てるバラ 木村卓功著」を参照の上、記載させていただいております。
まとめ
鉢植え向きの育てやすいバラを選び基本的な管理をすれば、鉢植えでバラを育てるのはそれほど難しくはありません。鉢植え向きのおすすめのバラを参考に、ぜひ1鉢からバラを育ててみてくださいね。
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出典:筆者撮影