スイスチャードの概要
スイスチャードは葉野菜であるフダンソウ(不断草)の西洋種です。赤、黄、緑など、カラフルな茎が特徴です。原産地は地中海沿岸で、近年では日本でも広く栽培されていますが、まだ一般的にはあまり知られていません。見た目の美しさから食用だけでなく、観賞用としても人気があります。
ボタニ子
スイスチャードも初めて聞いたけど、フダンソウ(不断草)も初めて聞いたわ…。
フダンソウ(不断草)とは?
フダンソウ(不断草)は、見た目も味もホウレンソウに似た野菜です。季節に関係なく収穫できることから「フダンソウ(不断草)」と名付けられました。流通量が少なく一般的にはあまり知られていませんが、日本で古くから栽培されています。
フダンソウ(不断草)は16世紀~17世紀ごろに日本に渡来したの。フダンソウ(不断草)の在来種は葉が小さなものだったんです。
ボタ爺
明治時代には葉が大きくて茎の白い西洋種が伝わり、20世紀末にはカラフルなスイスチャードが導入されたんじゃ。
スイスチャードの味
スイスチャードはホウレンソウに似た味をしていますが、ホウレンソウと比べるとくせがなく、しゃきしゃきとした食感です。成長するほど葉が硬くなり、アクが出て苦みが強くなります。若い葉はくせもなく、生でも美味しく食べられます。
スイスチャードの栄養価
スイスチャードのカラフルな色は「ベタレイン色素」によるもので、ビタミンCより優れた抗酸化作用があるとされます。ほかにもβ-カロテン、むくみ予防が期待ができるカリウム、代謝を促進するマンガンなど、多くの栄養素が含まれています。
貧血予防になる「鉄分」の含有量は葉野菜でトップクラスです!
スイスチャード栽培の基本情報
スイスチャードは耐寒性、耐暑性も高く病害虫にも強い野菜です。しかし、日当たりが悪い環境で水やりを多くすると、病気が発生しやすくなるため注意しましょう。
栽培カレンダー
ボタニ子
種まきの時期も収穫の時期もすごく長いね!
この収穫期間の長さから「フダンソウ(不断草)」と呼ばれるようになったのね。冬越しをした場合はとう立ちして、春には花を咲かせます。
スイスチャードは冬越しできる?
スイスチャードは冬越しも可能ですが、真冬の収穫はあまり期待できません。霜が降りる場合はビニールでトンネルを作るなどの対策をしましょう。冬越し後はとう立ちしやすく品質が春に向けて落ちていくため、早めに株ごと抜き取ります。観賞用では、春に咲く花もぜひ楽しみましょう。
5月ごろ、とう立ちをした部分から長い花の穂ができて、そこに小さな花をたくさん咲かせます。
ボタ爺
開花からひと月ほどで種になり、こぼれ種からも発芽するぞ。
基本の育て方
暑さ寒さにも病害虫にも強いスイスチャードは、家庭菜園でも簡単に栽培できます。畑に地植えをする場合でも育てやすく、鉢やプランターの栽培にも適しています。
畑での育て方
- 種まきの2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり200gまき、畑を耕す
- 1週間前に1㎡あたり50gの化成肥料、2kgの堆肥をまき混ぜ込み、畝の幅を60~90cm、高さ10cm、条間30cmに調整する
- 深さ1cmの溝を作り、一晩水に浸けた種を2cm間隔ですじまきし、土をかける
- 発芽後は必要に応じて間引きを行い、草丈が10cmになったら1㎡あたり10g追肥する
- 小株取りの場合は草丈が15~20cmのときに、根元からハサミで切り取り収穫する。大株取りの場合は25cmほどで抜き取り収穫する
間引きのポイント
- 本葉が出て葉が込み合ってきたら株間が4~5cmになるように間引きをし、株元の土を寄せる
- 本葉が4~5枚になるころに、小株取りの場合は株間15~20cm、大株取りの場合は株間30cmに調整する
プランター・鉢での育て方
- プランターの場合は60cm以上を基本とし、鉢底石を2cm敷き詰め、8分目まで野菜の培養土を入れる
- 深さ1cmの溝を作り、種を1cm間隔で筋まきし、土をかけて水を与える。二条まきの場合は条間を15~20cmにする
- 鉢で栽培する場合は、10号の鉢に1~2株を目安に種をまく。ばらまき、または点まきでまく
- 成長に応じて地植えと同じように間引く。外葉を摘み取り収穫する場合は、最終的な株間を10~15cm、大株に育てる場合は20㎝ほどに調整。収穫の目安は地植えと同じ
苗を購入した場合は?
苗を購入する場合は、本葉が5枚ほどに育ったものを選びましょう。根を崩さないように気を付けながら植え付け、根付くまでの1週間はたっぷり水やりをします。苗から栽培した場合は、20~30日で収穫が可能です。
生育が悪い場合は、2週間に1回を目安に液肥を追肥しましょう!
収穫の目安
スイスチャードは成長するほど苦く硬くなっていくため、収穫のタイミングを逃さないように気をつけましょう。
スイスチャードの育て方【栽培日記】
実際にプランターで栽培した様子を日記形式で紹介します。今回はポットに種まきをし、育苗後にプランターに色のバランスを見ながら植え付けました。スイスチャードのカラフルな色を楽しみながら栽培します。(※栽培日記内の画像は筆者撮影のものです)
栽培者のプロフィール
以前に育てた時の反省点
ボタニ子
黄色や緑ばっかりになったんだね!確かにバランスが悪いかも…。
色を選びながら間引きをしても、どうしてもバランスが悪くなるときがあります。手間はかかりますが、育苗をしてから植え付けるのも一つの方法ね。
スイスチャード栽培0日目:種まきの準備
5月26日
スイスチャードの種の表皮には、発芽を抑制する物質が含まれています。水につけることでそれが流れて発芽率が上がります。
出典:筆者撮影