11月に咲く花④:コスモス
秋を代表する花
コスモスは「秋を代表する花といえば?」との問いかけで、真っ先に名前があがる花です。漢字でも「秋桜」と表記し、秋の季語ともなっています。ただし、開花時期は6月から11月と、意外なことに夏から開花します。これはコスモスには夏に開花する夏咲き品種、秋に開花する秋咲き品種、夏と秋の間に開花する早咲き品種があるためです。長い開花時期の間で、7月から9月頃が最盛期にあたります。
3種類のコスモスを上手に配置して育てれば、開花期間中、ずっと最盛期の状態で楽しめますよ!
コスモスの基本データ
学名 | Cosmos bipinnatus |
科名 | キク科 |
属名 | コスモス属 |
開花時期 | 6月~11月 |
花色 | 赤、白、ピンク、オレンジ、黄、赤茶、紫、複色 |
誕生花 | 9/27、10/5(黄限定)、10/6(赤限定)、10/14(白限定)、10/22(ピンク限定) |
コスモスの花言葉
全般の花言葉
コスモス全般の花言葉は「調和」「謙虚」「乙女の真心」です。「謙虚」と「乙女の真心」は、コスモスの清楚かつ繊細な花姿に由来しています。「調和」という花言葉は、コスモスの語源であるギリシャ語の「kosmos」が「調和」「秩序」という意味を持っていることが由来です。
色別の花言葉
赤いコスモスの花言葉は「乙女の愛情」、白いコスモスは「優美」と「美麗」、ピンクのコスモスの花言葉は「乙女の純潔」です。黄色のコスモスは「野生の美しさ」ですが、これはキバナコスモスの花言葉でもあります。ここまでは良い意味合いの花言葉が続いていますが、例外は茶色のコスモスです。茶色のコスモスの花言葉は「恋の終わり」といいます。暗い色合いに由来しているのでしょう。
コスモスの花言葉まとめ
- コスモス全般の花言葉:「調和」「謙虚」「乙女の真心」
- 赤いコスモスの花言葉:「乙女の愛情」
- 白いコスモスの花言葉:「優美」「美麗」
- ピンクのコスモスの花言葉:「乙女の純潔」
- 黄色いコスモスの花言葉:「野生の美しさ」
- 茶色のコスモスの花言葉:「恋の終わり」
11月に咲く花⑤:スイートアリッサム
甘い香りがある小さい花が愛らしいスイートアリッサムは、地中海沿岸を原産とする多年草です。ただし高温多湿に弱いため、日本では一年草として扱われています。草丈が低く横に広がっていく性質を持つため、寄せ植えやグラウンドカバーとして利用されることも多いです。花色は白が一般的ですが、赤やピンク、オレンジといった花色もあります。
最近では日本の夏にも耐えられる丈夫な園芸品種も誕生しているよ。「スーパーアリッサム」というんだ。
夏越しが楽な分、ガーデニング初心者にはスーパーアリッサムがおすすめですよ。
最盛期は年2回
日本では一年草として扱われるスイートアリッサムには、種まきの時期が年2回あるという特徴があります。春に植えれば秋に、秋に植えれば翌年の春に開花します。そのため花の最盛期も年2回あるのです。秋に最盛期の花を見たいなら、春に種をまきましょうね。
スイートアリッサムの基本データ
学名 | Lobularia maritima |
科名 | アブラナ科 |
属名 | ニワナズナ属(ロブラリア属) |
開花時期 | 2月下旬~6月上旬、9月下旬~12月上旬 |
花色 | 白、赤、ピンク、オレンジ、紫 |
誕生花 | 1/12、3/14、3/23 |
スイートアリッサムの花言葉
スイートアリッサムの花言葉は「優美」「美しさに優る価値」です。小さな花をたっぷりとつけ、甘い芳香を漂わせる様子に由来しています。色別の花言葉はありません。
スイートアリッサムの花言葉まとめ
- スイートアリッサム全般の花言葉:「優美」「美しさに優る価値」
- 色別の花言葉はなし
続いて、11月に咲く花⑥:寒椿(カンツバキ)
11月に咲く花⑥:寒椿(カンツバキ)
寒椿は2種類ある
寒椿には中国を原産とする種類と、山茶花との交雑で誕生した園芸品種群であるカンツバキ群との2種類があります。ガーデニングでは寒椿といえば後者を指します。開花時期はカンツバキ群のほうが少し早く、10月から花を咲かせますよ。11月から12月に最盛期を迎えます。ちなみに寒椿の開花時期は12月から2月です。
椿や山茶花との見分け方は?
寒椿は椿や山茶花と見た目はよく似ています。特にカンツバキ群は山茶花との交雑種であるため、専門家でさえ見分けるのは難しいと言われるほどです。ですが見分け方はあります。まず椿の場合は花の散り方です。椿が花ごとポトリと落ちるのに対して、寒椿は花びらが一枚ずつ散っていきます。山茶花は花びらの枚数がポイントです。山茶花の花びらが5枚から10枚と少ないのに対して、寒椿の花びらは14枚以上あります。
山茶花と寒椿の違いはもう一つあります。山茶花の花びらはシワになるものが多いのですが、寒椿の花びらはシワになりません。
寒椿の基本データ
学名 | Camellia hiemalis Nakai、Camellia sasanqua Kantsubaki |
科名 | ツバキ科 |
属名 | ツバキ属 |
開花時期 | 10月~12月(カンツバキ群)、12月~2月(寒椿) |
花色 | 赤、白、ピンク |
誕生花 | 12/8、12/10 |
「Camellia hiemalis Nakai」は中国原産の寒椿、「Camellia sasanqua Kantsubaki」はカンツバキ群の学名だよ。
寒椿の花言葉
寒椿の花言葉は「謙譲」「愛嬌」「申し分のない愛らしさ」です。晩秋から冬という寒さの厳しい季節にもめげず、清楚で美しい花を咲かせるところから、これらの花言葉がつけられたと言われています。色別の花言葉はありません。
寒椿の花言葉まとめ
- 寒椿全般の花言葉:「謙譲」「愛嬌」「申し分のない愛らしさ」
- 色別の花言葉はなし
11月に咲く花⑦:ポインセチア
クリスマスといえばポインセチア
クリスマスシーズンを代表する植物といえば真っ先に名前があがるのが、ポインセチアです。花のように見える部分は苞(ほう)という花の周囲にある葉が変化したもので、本当の花は苞の中心部にあります。日が短くなると花芽を付ける性質なので、自然な状態なら10月下旬頃から花芽が作られていきます。冬に開花する植物ですが、一般に出回っている園芸品種は寒さに弱いので注意しましょう。
赤が一般的なポインセチアですが、近年は品種改良によって、ピンクや白い品種も登場しています。
クリスマスの花になった理由
ポインセチアがクリスマスの花となったのには、有名な逸話があります。17世紀、ポインセチアの原産地であるメキシコに、フランシスコ修道会の僧たちが住み着きました。そこでポインセチアと出会った彼らは、鮮やかな赤を「キリストの血」、緑を「永遠の象徴」にたとえ、縁起物の植物としてキリストの誕生祭の行列に使うようになったのです。
ポインセチアの基本データ
学名 | Euphorbia pulcherrima |
科名 | トウダイグサ科 |
属名 | トウダイグサ属(ユーフォルビア属) |
開花時期 | 10月下旬~3月 |
花色 | 赤、白、黄緑、ピンク、紫、複色 |
誕生花 | 12/9、12/25(赤限定) |
ポインセチアの花言葉
全般の花言葉
ポインセチア全般の花言葉は「清純」「私の心は燃えている」「祝福する」「幸運を祈る」「聖なる願い」「聖夜」です。「清純」はメキシコの先住民族が、ポインセチアの鮮やかな赤を清純の象徴としていたことに由来しています。「私の心は燃えている」も、赤い色が由来です。「祝福する」「幸運を祈る」「聖なる願い」「聖夜」は、クリスマスとの縁が深いことにちなんでいます。
色別の花言葉
赤が一般的なポインセチアですが、白い品種とピンク色の品種に固有の花言葉がつけられています。白が「慕われる人」「あなたの祝福を祈る」、ピンクが「思いやり」「純潔」です。クリスマスとの関係が深いためか、全般の花言葉も色別の花言葉もよい意味のものがそろっています。
ポインセチアの花言葉まとめ
- ポインセチア全般の花言葉:「清純」「私の心は燃えている」「祝福する」「幸運を祈る」「聖なる願い」「聖夜」
- 白いポインセチアの花言葉:「慕われる人」「あなたの祝福を祈る」
- ピンクのポインセチアの花言葉:「思いやり」「純潔」
出典:BOTANICA