ツルアジサイとは?その特徴や育て方をご紹介!イワガラミとの違いは?

ツルアジサイとは?その特徴や育て方をご紹介!イワガラミとの違いは?

樹木やフェンスに絡む姿が印象的なツルアジサイ。ポイントを押えれば育て方も簡単なので、初心者にもおすすめの植物です。誘引してトンネルにするなど、楽しみ方のバリエーションも豊富です。そんなツルアジサイの特徴や育て方などをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ツルアジサイとは?
  2. 2.ツルアジサイの特徴
  3. 3.イワガラミとの違い
  4. 4.ツルアジサイの育て方
  5. 5.まとめ

ツルアジサイとは?

ツルアジサイはその名の通り、つるを他の植物に絡ませながら成長する紫陽花です。他にも「ゴトウヅル」や「ツルデマリ」と呼ばれることもあります。

ツルアジサイの基本情報

ミズキ目
アジサイ科
アジサイ属
学名 Hydrangea petiolaris
和名 ツルアジサイ(蔓紫陽花)
英名 Climbing Hydrangea
形態 落葉つる性木本
開花時期 6~7月

ツルアジサイの分布

九州から北海道、サハリン、朝鮮南部などの山林に分布しています。耐暑性も耐寒性も備えているため、幅広い環境に適応可能です。

ツルアジサイの活用

ツルアジサイは、つる性で他の植物などによく絡む点を活かして、アーチやフェンス、壁面、ガレージに這わせて利用することがよくあります。紐などの誘引資材をつかえば、きれいに這わせやすいでしょう。

ツルアジサイの特徴

花の特徴

ツルアジサイは、枝先に黄白色の小さな花をたくさん咲かせます。この花の集合体を「花序(かじょ)」と呼びますが、ツルアジサイの花序は直径10~18cmほどで、この周りを3~7個の装飾花が取り囲みます。装飾花とは、花序を飾ることで昆虫にアピールし送受粉を助ける花のことです。ツルアジサイの装飾花はひとつが1.5~3cmほどの大きさで、花びらのように見える4枚の白い萼片(がくへん)からなります。

ツルアジサイの花言葉

ツルアジサイだけでなく、アジサイ全体の花言葉をご紹介します。アジサイの花言葉は、「移り気」「冷淡」「辛抱強さ」などです。「移り気」はアジサイの花が咲いた後に変化していく点、「冷淡」は花の色のイメージ、「辛抱強さ」は開花時期が長い点にそれぞれ由来していると言われています。この他にも「家族」や「団らん」といった花言葉もあります。

葉の特徴

ツルアジサイの葉は、節から2枚向かい合って生える「対生」という生え方です。葉の大きさは5~12cm程度で、先端が尖った丸い形をしています。葉の縁には「鋸歯」とよばれるギザギザがあり、この鋸歯が細かくはっきりしているところが特徴的です。

樹の特徴

ツルアジサイは他の樹やフェンスに絡む姿が印象的な植物です。自身の幹や枝から「気根」と呼ばれる根を出して絡みついていきます。自生しているものは、高さ20mほどまで達することもありますが、栽培する場合は剪定して2mほどにとどめることが可能です。樹皮は淡い褐色で、薄くはがれるようになっています。

実の特徴

ツルアジサイの果実は、直径3mmほどの球体です。花の時期を終えた9~10月に熟します。この果実は「さく果」と呼ばれる形態で、乾燥すると果皮が避けて種子が出てきます。

イワガラミとの違い

イワガラミは、ツルアジサイと同じくアジサイ科の植物でつる性木本でもあるため、他の植物に絡む姿もそっくりです。遠目に見ると瓜二つのツルアジサイとイワガラミですが、近づいて見ると違いがよくわかります。見分ける際の特徴をご紹介します。

見分け方のポイント

ツルアジサイとイワガラミの違いは、装飾花と葉の鋸歯を見ればよくわかります。ツルアジサイの装飾花が4枚の萼片からなるのに対し、イワガラミの装飾花は1枚なので、あまり花らしい形をしていません。また双方とも葉には鋸歯がありますが、ツルアジサイの鋸歯よりもイアワガラミの鋸歯のほうが粗くなっています。

ツルアジサイの育て方

栽培環境

ツルアジサイは適応環境が幅広く、初心者でも育てやすい植物です。育てる場所は、明るい日陰が適しています。夏場に日当たりが良すぎる場所に置いておくと葉が焼けてしまうことがあるため注意してください。

植え付け

Photo byFree-Photos

植え付けは、葉が落ちてから新芽がでるまでの休眠中に行います。地域によって前後しますが10月~3月ごろです。地植えにも鉢植えにもできます。鉢植えにする場合は水持ちのよい培土を使用するのがおすすめです。地植えであれば、水はけのよい明るい日陰に植え付けるのが理想ですが、丈夫な植物なのであまり神経質に考える必要はありません。

水やり

Photo bycongerdesign

ツルアジサイを植え付けたら、根着くまではしっかり水やりを行いましょう。つるや葉が成長しはじめたら根が張ってきたサインなので、天候や土の様子をみながらの水やりに切り替えてください。鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたら水やりをします。地植えの場合は雨水のみでも十分ですが、夏場に降雨が少なくしおれてしまうようなことがあれば、たっぷり水を与えてください。

肥料や農薬

肥料を与える場合は、年2回ほどでかまいません。暖地なら休眠中の12月~2月ごろに一度、寒冷地なら3月ごろに一度施してください。花が枯れたあとにも一度施すとよいでしょう。花が咲いている間は与えないようにしてください。肥料は、効きめが長く続く有機質の肥料がおすすめです。比較的丈夫な植物なので、場所によっては肥料が必要ない場合もあります。なお、病害虫の心配はほとんどありません。

剪定をしよう

Photo byCarlottaSilvestrini

ツルアジサイは放っておくと大きなもので20mほどにもなってしまいます。限られたスペースで栽培する場合は剪定を行うのがおすすめです。剪定を行えば、2mほどの大きさにしておくことが可能です。花が咲き終わった頃に行ってください。全体の半分ほどを剪定し、整理するとよいでしょう。

挿し木で増やせる

ツルアジサイは、挿し木で増やせます。挿し木をするタイミングは、5~7月ごろがおすすめです。挿し木をする場合は湿度を保っておくことが重要なポイントになるため、梅雨に行うのが比較的簡単でしょう。

挿し木の方法

ピートモス、バーミキュライト、パーライト、鹿沼土を合わせた用土を植木鉢にいれ、たっぷり水を吸わせます。そこに、その年に新しくでた枝で花芽がないものを、15~20cmにカットして挿してください。明るい日陰でしっかり水やりをして管理すると、2週間~1ヶ月で新たな根が出てきます。その後は植え付けまで、しっかり根が張るよう適宜水やりなどを行ってください。挿し木の際に小さな鉢やポットを使用した場合は、途中で大きな鉢への植え替えが必要な場合もあります。

まとめ

ツルアジサイは幅広い環境に適応でき、育て方も簡単な植物です。アーチやフェンスなどに絡ませるのは難しそうに感じられますが、麻の紐などの誘引資材をつかって誘引してあげると、非常に簡単に這わせることができます。また挿し木で増やして別の場所にも植えてみたり、誰かに苗木をプレゼントしたりとさまざまな楽しみかたができますよ。

マリ
ライター

マリ

元農家ライター。野菜づくりの楽しさや役立つ情報を発信していけるよう日々勉強中です。

関連記事

Article Ranking