グレビレアとは?
まだまだ聞きなれない花の名前ですが、オーストラリアではどこででも見られる一般的な植物です。「スパイダーフラワー」という別名は独特な形の花にぴったりの名前でこちらの方が覚えやすいかもしれません。花も葉も通年通して楽しめるこの植物の特徴や名前の由来、育て方のコツなどをご紹介します。
基本情報
原産地 | オーストラリア |
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英名 | Grevillea,Spider flower |
学名 | Grevillea |
別名 | ハゴロモノマツ、ベニバナハゴロモノキ、シノブノキ |
分類 | ヤマモガシ科シノブノキ属 |
生活型 | 半耐寒性常緑低高木 |
花時期 | 四季咲き |
花色 | 赤、黄、桃、白など |
樹高 | 20cm〜10m |
花言葉 | 「情熱」「あなたを待つ」など |
ボタニ子
名前の由来
グレビレアという名前は、イギリスの王位園芸協会の創始者でロイヤルソサエティーの副会長チャールズ・グレビル(Chaeles Greville)の名前にちなんでつけられました。
花の特徴
花のように見えるのは総苞(そうほう)という苞がたくさん集まったものになります。丸まった苞から長い雄シベが伸びた姿はとても独特で華やかです。色は赤やピンクのものが特徴的ですが、イエローやホワイトなど品種によって異なる印象が楽しめます。水あげがよく、切り花として長く鑑賞できます。
葉の特徴
葉は針状で見た目にとても涼やかです。常緑樹ですので、暑い夏も冬も楽しめるところから葉のデザインで品種を選ばれる方も多いです。特徴的な葉のために、観葉植物としても販売されています。最近ではドライフラワーや花材としてもとても需要があります。
グレビレアの花言葉
花柱が丸まってくるりとした姿から、ポンと弾けて伸びたように見えることから「情熱」という花言葉が似合います。また、甘い蜜をたくさん出すのでミツスイの鳥や蜂が集まってきます。そのために「あなたを待つ」という魅惑的な花姿とよくあった花言葉もつけられています。
グレビレアの育て方
耐寒性のあるオーストラリア植物ですので、日陰を避け日光に当てることに注意すれば、日本でも越冬できるさまざまな園芸品種を手に入れることができます。成育が早く、枯れることは少ないものの、花を楽しむための育て方のコツを把握しておきましょう。
用土
鉢植えの場合は赤玉土の単独使用か山野草の土が便利です。弱酸性の用土を好みますが、地植えの場合は、庭土に苦土石灰を事前に混ぜた用土を用意しましょう。その中和された用土に腐葉土か堆肥を3割ほど配合します。
日当たり
オーストラリア原種の植物ですので、なによりも日光にたくさんあてることが重要です。半日陰で育ててしまうと枯れることはありませんが、花が咲かないことがあります。
水やりと肥料
水やりもオーストラリア植物全般に言われるようにやり過ぎないよう注意が必要です。根ぐされしないように排水性に気をつけながら適した水やりをしましょう。肥料の時期は花後と秋が適しています。少量の化成肥料のみとし、リン酸は与えないようにします。
ボタニ子
やりすぎは禁物だけど、水切れも枯れる原因になるから気をつけなきゃ!
剪定
品種によって大きさや樹形が変わってきますので、庭植えの場合はどの場所に育てたいかで品種を選ぶとよいでしょう。剪定は花期後、伸びすぎた枝を強めに剪定してもかまいません。整えたい形になるように混み合った部分や古い枝は思い切って剪定しましょう。
植え替え
鉢植えの場合、2年に1度は植え替えをした方がよいでしょう。植え替えの時期は春か秋が最適です。根をいじりすぎると枯れることがあるので土を落とさず、ひとまわり大きな鉢に植え替えるのがおすすめです。
越冬対策
耐寒性のある品種ですので基本的に育てやすいです。ただ、越冬時に冷え込みすぎる場所の場合は鉢植えにする方がよく、庭植えで育てる場合は霜に気をつけるようにして下さい。水やりも控えめにしましょう。
挿し木での増やし方
基本的にグレビレアは挿し木で増やします。10cmほどの枝を挿し穂にして発根させましょう。時期は春か秋が適していますが、枯れてしまった時に増やせるように、秋の剪定後に挿し木を作っておくのがよいでしょう。
ボタニ子
ばんばん気にせず剪定できるなら挿し木でお庭いっぱいに増やせるかも!
グレビレアの品種
グレビレアには250種以上と、たくさんの品種があります。それぞれ特徴が異なり、日本でも多くの園芸品種が出回っているのでイメージに合った花を探してみましょう。
グレビレア・バンクシー
代表的な原種として赤い花が魅力的です。葉が針状で白っぽく光沢があるので花材として人気です。
グレビレア・ロビンゴードン
グレビレアの代表的な品種で、地植え、鉢植え共におすすめです。スパイダーのような花と繊細でシャープな葉が特徴的です。
グレビレア・ココナッツアイス
グレビレア・ロビンゴードンと似ていますが、花色が少し薄くピンクからオレンジ色のグラデーションになります。
グレビレア・ラニゲラ
マゼンダ色の花がオウムのような形で特徴的です。葉は短く肉厚でコロンとしています。グランドカバー向きの品種です。
グレビレア・イエロードロップ
鮮やかなレモンイエローの花をぷっくりとつける品種です。這うように伸びるためグランドカバーにむいています。
ボタニ子
馴染みがないと思っていたけれど、オーストラリア植物って実はもっと目にしているの?
オーストラリアの植物
近年人気のオーストラリア植物は、屋上庭園やおしゃれなカフェのエントランスなど身近なところでたくさん見かけるようになってきました。どんなものがあるのかご紹介します。
アカシア(ミモザ)
春の花として人気のこの花もオーストラリア原産の花木になります。マメ科の常緑性高木です。小さな花が丸くたくさん付いている姿が思い浮かびますが、よく見ると長く突き出した雄シベの集まりだということがわかります。
ユーカリ
オーストラリアの植物と聞いて一番有名なのがユーカリでしょう。葉の形が丸型やハート型、細長いものなど、きれいな花も咲く品種があり、種類が豊富です。香りがよいのでアロマテラピーにも使用されています。
ブラシの木
フトモモ科の常緑性低木〜高木で、あちこちのお庭で見かけることの多い植物です。ビンを洗うブラシのような赤い花が特徴的で花糸の先が金色になっていてとてもボリュームがある花です。属名のカリステモンという名でも流通しています。
ウェストリンギア(オーストラリアンローズマリー)
シソ科の常緑低木で半耐寒性となります。ローズマリーによく似た可愛らしい花が咲きますが、香りはまったくしません。班入り種が人気で、丈夫なので庭造りに最適です。
イソトマ(ローレンティア)
キキョウ科の多年草ですが寒さに弱く、日本では一年草の扱いです。一番馴染み深い色は青紫色で、星型の花と柔らかい葉姿は夏に清涼感をもたらしてくれます。
バンクシア
バンクシアは低木から高木になる常緑種です。グレビレアと同じヤマモガシ科となります。枝から直立したようにワイルドなブラシ状の花を咲かせます。育てやすさもあり苗も流通していますが、切り花と種にはドライフラワーとして人気です。
まとめ
軽やかでナチュラルテイストなガーデニングを目指すならオーストラリア植物はぴったりです。耐寒性のある品種も多く鉢植えだけではなく、霜にさえ気をつければ地植えでも楽しめるでしょう。乾燥気味に水やりをすることと、日当たりのよいところで育てることが大事です。荒地でも育つ成育のよい品種もあるため、剪定は庭全体のバランスに注意します。オーストラリア植物の特徴をつかんで、気軽に楽しめる個性的な庭作りをしてみてはいかがでしょう。
暖かい国のお花のようだけど、越冬できて実は育てやすい植物なのよ!