はじめに
煮込み料理の香辛料やスパイスとしてキッチンには欠かせないローリエ(ローレル)とは、月桂樹の葉のことです。「月桂樹」と名前を聞いただけでは、あまりピンとこないかもしれませんが、実際には私達の生活に身近で、健康にとても恩恵のある樹木です。今回は月桂樹の葉について、呼び名の違い、使い方などを詳しくご紹介します。
月桂樹とは
学名 | Laurus nobilis |
科名 | クスノキ(楠)科 |
属名 | ゲッケイジュ(月桂樹)属 |
原産地 | 南ヨーロッパ、地中海沿岸 |
花期 | 4月~5月 |
分類・樹高 | 常緑高木・10m~15m |
月桂樹は地中海沿岸が原産となる、クスノキ科の常緑樹です。革のような質感を持ち、光沢のある濃い緑色の楕円形の生葉が特徴です。月桂樹の葉は独特の風味と香りのために、その葉を乾燥させて香辛料としても用いることがあるなど、料理に欠かせないスパイスです。
月桂樹は育てやすい
月桂樹は常緑樹であり、耐暑性があります。生育が旺盛でもあるので、日本でも、とても育てやすい樹木です。その装飾的な葉の美しさもあって、現在は生垣など、自宅の庭のシンボルツリーとしても植えられることが多くなりました。
呼び名の違い
月桂樹の葉は、世界中で料理の香辛料やスパイス、またはハーブとして愛用されています。そして、国によって、月桂樹の葉の呼び名もさまざまです。では、月桂樹の葉のことをフランス語や英語では、いったいどう呼んでいるのか、どのような違いがあるのかをご紹介いたします。
月桂樹(げっけいじゅ)
日本名では葉も樹木名もすべて含めて「月桂樹」と呼ばれています。和名は中国の古典に出てくる「月の桂(けい)の木」から名前をあて、そのまま音読みしたものです。
ローリエ(Laurier)
月桂樹の葉のことをフランス語で何というでしょうか。フランス語では葉も樹木名も含めて「ローリエ」と呼ばれています。月桂樹は明治時代にフランスから初めて日本に渡来した輸入の植物です。その理由から、フランス語読みの「ローリエ」の呼び名が日本でもなじみがあります。
ローレル(Laurel)
英語では葉も樹木名も「ローレル」と呼ばれています。または葉をベイ(Bay)もしくはベイリーフ(Bayleef)などと呼んで、香辛料やスパイスパウダーとして商品販売されているケースもあります。「ローレル」の発音はスペイン語読みからきており、フランス語読みとは違いがあります。おおもとになる語源は「ローリエ」「ローレル」ともに、ラテン語の"Laudis(賞賛する)"からきています。
月桂樹の花言葉
月桂樹の花言葉は「栄光」「勝利」です。1905年頃の明治時代に、日露戦争の戦勝記念樹として東京の日比谷公園に植樹されたことをきっかけに、日本では一躍有名となった樹木です。
次のページでは、月桂樹の葉に秘められている効果、効能、さらに使い方をくわしくご紹介します。