九条ネギの栽培方法:ネギ苗の植え方
九条ネギは必ずしも、干しネギにしないといけないわけではありません。浅黄系の場合は緑の葉の部分がメインとなるため、株分けをするとき以外、植え替えはしなくても大丈夫です。しかし、黒種系の九条ふとネギの場合は、白い部分(軟白部分)を地中で育てるため、定植作業が必要です。
ネギ苗の植え方:苗を切りそろえる
干しネギ苗や、九条ふとネギを定植(本植え)する場合は、まず、苗を15センチ程度の長さに切り揃えます。根っこも長いようであれば、3センチ程度に揃えると、植え付けもしやすいでしょう。苗の長さを揃えることで、ネギの成長も揃います。
ネギ苗の植え方:畝に溝を掘る
畝には25センチ程度の溝を掘ります。掘った溝に15センチから20センチ間隔で、ネギ苗を2本から3本、溝にもたれかかるようにして揃えて立てかけ、根っこには敷きわらなどを被せましょう。その後、ネギ苗が倒れない程度に敷きわらの上から軽く覆土し、ネギ苗が立ち上がってくるまで、そのままにしておきます。苗が立ち上がるまでは水やりも必要ありません。
ネギ苗の植え方:敷きわらを用いる理由
ネギは湿度に弱い野菜です。水はけの悪い土質では、病気にもなりやすく、上手に育ちません。また、ネギの根っこはたくさんの酸素を必要とするため、根元に酸素が届くよう、敷きわらなどを施します。敷きわらが手に入らない場合は、乾燥させた雑草などを使ってもよいでしょう。
ネギ苗の植え方:ネギ苗をセットで植え付ける理由
九条ネギの苗は、1本で植え付けても問題はありませんが、2本から3本をセットにして植え付けると、互いが競い合うように成長し、分けつする数が増えると言われます。
ネギ苗の植え方:プランターの場合
プランターで九条ネギを育てる場合は、浅黄系の九条ネギが適しています。おもに緑色の葉の部分を育てることになりますが、その分、土寄せをする必要もありません。苗を植える場合は、深植えはせず、新芽が伸びてくる箇所が、土に埋まらないように注意しましょう。
定植後の育て方
九条ネギは湿度に弱いため、加湿にならないよう注意が必要です。育て方が難しい野菜ではありませんが、1か月に1回程度は肥料を施すようにしましょう。浅黄系は葉が伸びた時点で収穫が可能です。黒種系の九条ふとネギは、定植後、成長点が埋もれないように土寄せをしていきます。2回から3回程度、冬の寒さにあたると、甘みが増し、12月には収穫期を迎えます。
九条ネギの栽培方法:株の増やし方
九条ネギは分けつをするため、最初は1本だった苗が10本近くに増えてきます。株間が狭くなったり、収穫が追いつかなかったりする場合は、株分けをして、株を増やしていきましょう。そうすることで九条ネギは、何年でも繰り返し、収穫ができるようになります。
九条ネギの増やし方:プランター栽培の場合
九条ネギの増やし方は簡単です。分けつした株を土から掘り上げ、株をばらし、植え替えをすれば、株をどんどん増やしていくことができます。プランター栽培の場合は、植え替えもしやすいので、初心者の方でも楽に行えるでしょう。
九条ネギの増やし方:家庭菜園の場合
浅黄系九条ネギの株分け・植え替えは簡単ですが、黒種系は、株がしっかり分けつした、翌年の春に株分けを行うとよいでしょう。株の増やし方は浅黄系と同じですが、初夏に干しネギ作りをしないのであれば、株分けした苗を、定植時と同じく溝を掘って植え付けます。干しネギを作る場合は、仮植え状態にしておくと、干しネギづくりの際、株を掘り起こすのも楽でしょう。
夏野菜のコンパニオンプランツとしても利用しよう!
ネギは、夏野菜のコンパニオンプランツとしても、利用できます。春先に株分けをする際、トマトやナスなどの夏野菜と一緒に植え付けましょう。植え方は、ネギの根と夏野菜の根を絡ませるように植えるだけです。夏野菜の害虫予防に力を発揮し、夏野菜が終わる頃にはネギも成長しているため、植え替えて定植すれば、冬にはおいしく頂くことができます。
九条ネギの栽培方法:九条ネギを収穫しよう!
九条ネギの旬は、底冷えのする12月から2月です。とくに九条ふとネギは、葉の中に「ぬめり」が増え、見た目は悪くても、緑の葉が折れ始めた頃が一番おいしい時期と言われます。また、浅黄系の九条ネギは、葉が伸びると収穫はいつでも可能です。夏の時期は辛みがあり、冬には甘みが出て、季節ごとに味の違いを楽しむことができます。
九条ネギの栽培・育て方:まとめ
九条ネギは、葉ネギではありますが、しっかりと土寄せをすると、関東の長ネギのように軟白部分が長く伸びます。何より、1本の苗が分けつするため多収穫です。また、株分けをすることで、繰り返し何年でも栽培ができます。初心者の方も、植え方や増やし方のコツを掴み、家庭菜園・ガーデニングに是非、取り入れてみて下さいね!
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出典:筆者撮影