ネギとは
ネギは歴史のある野菜です。中国では紀元前より栽培し、日本に渡来したのは奈良時代とされています。ネギ独自の香りと辛味は薬用野菜として好まれ、ネギは古くから薬味として用いられていました。ネギはもともと冬野菜ですが、季節問わず需要があるため現在では春ネギ、夏ネギ、秋冬ネギと周年栽培・供給がされています。
ボタニ子
ネギの概要
作物名 | ネギ(葱) | 栽培難易度 | ★★★☆☆ |
科名 | ユリ科ネギ属 | 栽培時期 | 6月~8月初旬 |
原産地 | 中国西部・中央アジア | 収穫時期 | 10月~2月ごろ |
日本の生産地 | 千葉、埼玉など | 連作障害 | あり(1~2年) |
ネギの花「ネギ坊主」
ネギの花は、「ネギ坊主」と言われますが、その由来はネギの花の形からきています。丸い形をした花が、坊主頭や擬宝珠(ぎぼし)を連想させることからこの名がついたとされています。擬宝珠は、橋や仏閣などの欄干の上に設けられている飾りです。
ネギの花言葉
ネギの花言葉は「愛嬌」、「笑顔」、「微笑み」です。小さな花が集まったまんまるで可愛らしい花にぴったりですね。ネギの花は、聚散花序(しゅうさんかじょ)です。小さな花が集まって一つの花を形成することを聚散花序といいます。アジサイの花もネギの花と同じ聚散花序といわれています。
ボタニ子
ネギの花って、まんまるで可愛いよね~!愛嬌って花言葉がよく似合うよね。
ネギの品種
ネギの品種はいくつかありますが、
- 緑の部分が多い「青ネギ」
- 白い葉鞘(ようしょう)部分が多い「根深ネギ」
ボタニ子
確かに、ネギって葉ネギ、根深ネギってイメージ。他の種類とか別種の違いってあまり知らないかも。
大きく分類すると、葉ネギ、根深ネギがベースだけど、そこから枝分かれした品種があるんだよ!
ネギの品種① 青ネギ(葉ネギ)
青ネギ(葉ネギ)は、西日本でポピュラーな品種です。緑の部分が多いネギです。緑の部分にカロテンやカルシウムなどの栄養成分があり、葉がとても柔らかく、薬味として使われる事が多いです。
ネギの品種② 九条ねぎ
九条ねぎは、京都の伝統野菜です。奈良時代から栽培されていたとされ、青ネギ(葉ネギ)の中でも有名な品種です。口当たりが柔らかく、葉の内部にぬめりがあります。甘みも強く食べやすいネギの一種です。旬は冬といわれ、冬の時期に甘みと葉の中のぬめりが増すといわれています。
ネギの品種③ 根深ネギ(白ネギ、長ネギ)
根深ネギは、緑の部分よりも白い葉鞘の部分が大部分のネギで、白ネギ、長ネギなどとも呼ばれます。関東地方ではこの根深ネギを好む傾向があります。葉鞘の部分を白く、長くするためしっかり土寄せし栽培します。
ネギの品種④ 下仁田ネギ
下仁田ネギは、群馬県下仁田町の特産物です。下仁田ネギは歴史が古く、栽培は200年以上ともいわれています。名産品として有名になったのは明治以降、昭和に入ってからといわれています。他の品種に比べ、下仁田ネギは全体的に太くて短いのが特徴です。火を通すことで甘みが非常に強くなり、鍋料理やすき焼きなど加熱調理に用いられます。
ボタニ子
長ネギと似てるけど、下仁田ネギはよく見ると太くて短いね!
ネギの品種⑤ 赤ねぎ
赤ねぎは葉鞘の部分が赤紫色をしていることが特徴です。赤紫色の色素はポリフェノールの成分によるものです。赤紫色をしているのは表面だけで、表皮をむくと中心部は白くなっています。赤ねぎは山形県の伝統野菜である「平田赤ねぎ」が有名で、江戸時代末期から栽培されていたといわれています。赤ねぎは辛味が強いですが、火を通すことで甘みが増し食べやすくなります。
ネギの品種⑥ あさつき
あさつきは、独自の辛味や香りがあり、シャキシャキした食感が特徴のネギです。葉が細いため、「せんぼんねぎ」などの別名があります。日本では古くから自生していたという記録があり、古くから親しまれたネギの一種です。
ネギの品種⑦ 芽ネギ
芽ネギは密植させ、柔らかく育てた芽を6~10cmの長さで若採りしたもののことをいいます。栽培方法は主に水耕栽培が主流です。他の品種のネギと比較し出荷まで手がかかるため、流通している価格はやや高めです。芽ネギは寿司ネタとしても有名です。葉はとても柔らかく鼻から抜ける風味が爽やかで、やや辛味があります。
ネギに似た別種① わけぎ
わけぎは、分葱(わけねぎ)やネギの一種と混同されがちですが、ネギとタマネギの雑種として分類されています。香りや辛味が非常に強い品種です。葉の部分は薬味として使われ、根本の部分はタマネギと同様調理に用いられます。
ネギに似た別種② リーキ
地中海沿岸が原産の西洋ネギと言われているのがこの「リーキ」です。イタリア語ではネギのことを「ポッロ」と発音することから、「ポロねぎ」などの別名もあります。見た目は下仁田ねぎに似ていますが、同じネギ属の別種の野菜です。緑の部分は硬く、平らに潰れています。葉鞘の部分をスープや煮込み料理など、火を通す調理が一般的です。
ネギに似た別種③ チャイブ
チャイブはネギの仲間で、「セイヨウアサツキ」という別名もあります。葉はとても細く、らっきょうのような地下茎があります。葉の部分はカロテンを多く含み、ネギに似た香りがあり、西洋料理によく用いられます。花は薄紫色をしていて可愛く、ハーブとしてガーデニングに用いられます。
ネギの栄養
ネギは緑の部分と、白い葉鞘(ようしょう)の部分で栄養素が異なります。
- 緑の部分には「カロテン」、「カルシウム」、「ビタミンK」
- 葉鞘の部分はビタミンC
確かに、いろんな種類のネギが1年中スーパーなどで購入できるね!日本食にネギは欠かせないよね。