クサフジってどんな花?
クサフジの基本情報
ボタニ子
よく見かけるかわいい草花だけど、どういった花なのかしら?
ボタ爺
では、クサフジについての紹介を始めるぞー
房状に咲く花が特徴
茎の上部に青紫色をした筒状の花が房状に集まって咲く多年草の植物です。
和名 | 草藤、クサフジ |
学名 | Vicia cracca |
分類 | マメ目 マメ科 ソラマメ属 |
分布
北海道、本州、九州に分布
北海道から九州地方まで、日本列島全域で生息します。人里や田畑、山地や低山、河原や原野など日当たりのよい草地や林の縁でよく見かけられます。主に緑肥や飼料として使われるため、田畑や牧場などで栽培されていることが多く、農業や畜産が盛んな地域で見かけることが多いです。
時期
花期は初夏から夏
クサフジの花期は5月~7月です。花の見ごろは初夏から夏にかけてです。群生している場所では、まるで紫の絨毯のような光景が広がります。
クサフジの名前の由来
葉と花の形がフジに似ている
葉と花の形が藤(フジ)に似ていることから草藤(クサフジ)という和名が付けられました。
ボタニ子
上の写真は藤の花よね。ほんとよく似てるわね!
クサフジの特徴
花の特徴
茎の上部にある葉の脇から、花柄(かへい)を伸ばし花を咲かせます。花の筒部は短く、1.5cmほどの長さの青紫色の花が長い房状に集まって咲きます。房全体の長さは6~15cmほどです。
茎の特徴
茎の長さは大きいものは150cmほどです。茎は角ばっており、細かい毛におおわれています。
葉の特徴
1枚の葉は薄く2.5cmほどの細長い楕円形で、小葉(しょうよう)と言われる18枚から24枚の葉で構成されています。托葉(たくよう)は小さく、切れ込みがほとんどないのが特徴です。
クサフジの用途
緑肥
作物の刈り取りが終わった田畑にクサフジの種をまいて栽培します。次回作物を栽培するとき、クサフジをそのまま田畑の土に混ぜこんで肥料として使用します。
飼料
牧場などで家畜の飼料として栽培されます。牧場で放牧された家畜がそのまま食べたり、刈り取ったものを乾燥させ保存食に加工したりして利用されます。
クサフジの仲間と見分け方
見分け方のポイント
初夏から秋に花が咲く同じマメ科ソラマメ属の植物たちは、花の色が青紫系のものばかりで似ているものが多いです。見分け方のポイントは花の筒部の長さや小葉の数や形、托葉の形の違いを見ることです。
ナヨクサフジ
ナヨクサフジは外来種
ナヨクサフジは外来クサフジの一種です。ヨーロッパや西アジアで自生する植物で、主に飼料作物として栽培されます。
ボタ爺
ナヨクサフジはクサフジにとってかわり生息範囲を広げておる。在来種の生息を脅かす存在になるので注意が必要じゃぞ
ナヨクサフジの特徴と見分け方
花の筒部が長いというのが在来種にはない特徴です。小葉は細く、10~24枚で構成されます。托葉はミトンのように不規則に裂けるものが多いという点も特徴です。また花の色がクサフジより濃いというのも見分け方のポイントです。
ボタニ子
ナヨクサフジは筒部が長くて花の色が濃い。これは見分けやすそうなポイントね!
ヒロハクサフジ
ヒロハクサフジの特徴と見分け方
クサフジの近縁種です。主に三重県以東に分布し、日当たりのよい海岸に生息します。花の筒部がクサフジと同じで短く、小葉はやや幅が広く10~16枚で構成されます。托葉は小さく細長い形をしており、目立たないのが特徴です。見分け方のポイントは、小葉の幅が広く丸いことと数が少ない点です。
ボタニ子
生息している地域、海岸近くに生えているというのも見分ける大きなポイントになりそうね!
オオバクサフジ
オオバクサフジの特徴と見分け方
クサフジの近縁種で、北海道、本州、九州に分布します。主に山地や草地に生息し、花の筒部はクサフジと同じで短く、小葉は楕円形で幅広、先は尖っておらず丸い形です。数は4~10枚で構成されます。托葉は幅が広いのが特徴です。見分け方のポイントは、ヒロハクサフジより小葉が幅広の楕円形で大きく、数が少ないところです。また小葉の先が尖っていないところもポイントとに挙げられます。
ボタニ子
生息地も同じで花もよく似ているから見分け辛そうね。
ボタ爺
オオバクサフジと名前のとおり、葉が大きくて丸いのがポイントじゃよ。
まとめ
藤の花に似て美しく、しかし藤の花より手頃に楽しめるためSNSなどでも人気のフジクサ。切り花にして飾ってみたり、押し花やドライフラワーにして楽しんだりするのもよいかもしれません。また、ここで紹介したフジクサ以外にも近縁種があります。見かけたら写真に撮るだけでなく種類など詳しく調べてみるのもよいですね。
出典:写真AC