コメツブツメクサとは
コメツブツメクサは、日本では道端、公園、空き地などでみかけることが多い植物で、日当たりのよい場所に自然群生しています。 一面に黄色い花が咲く姿が特徴的ですので、花が咲く時期に目にとまる植物です。このコメツブツメクサについて詳しくご紹介します。
マメ科シャジクソウ属
コメツブツメクサはマメ科シャジクソウ属の1年草です。明治時代の後半にヨーロッパ、西アジアからはいってきた外来種で、日本に定着して野生化しています。野生化しているので雑草という扱いですが、直径5mmほどの小さな黄色い花が群れて咲く光景はとても可愛らしいです。花が黄色いことからキバナツメクサ(黄花詰草)ともよばれます。丈夫でグランドカバーとして用いることもできる植物です。
コメツブツメクサは帰化植物
コメツブツメクサは帰化植物です。帰化植物とは人が関わったことで輸入されてしまい、野生化した植物のことをいいます。コメツブツメクサは牧草にまぎれて、明治時代の後半にヨーロッパ、西アジアからはいってきたといわれています。
シロツメクサ、アカツメクサ(ムラサキツメクサ)と同じ仲間
クローバーとして知られるシロツメクサ、アカツメクサ(ムラサキツメクサ)もコメツブツメクサと同じマメ科シャジクソウ属の仲間です。生息する場所も同じような場所です。同じ場所で混ざって生えていることもあります。
コメツブツメクサの名前の由来
コメツブツメクサの名前の由来は何でしょうか?以下にまとめてみました。
花の大きさが米粒のよう
コメツブツメクサは漢字では、「米粒詰草」と書きます。小さな花が米粒のような小さな花びらで集まってできていることからそのようによばれます。3mmほどの花びらが集まった、直径5mmほどの花でしたね。コゴメツメクサ(小米詰草)とよばれることもあるようです。
ツメクサとははシロツメクサに由来
ツメクサ(詰草)とは、仲間のシロツメクサ(白詰草)から由来しています。シロツメクサ(白詰草)はオランダからのガラス製品の保護に詰められて緩衝材として使われていたため、詰草とよばれるようになりました。コメツブツメクサ(米粒詰草)は詰め物として使われていたということはありません。しかし仲間のシロツメクサ(白詰草)によく似ていて、米粒のように小さい花を咲かすことからコメツブツメクサ(米粒詰草)とよばれるようになりました。
ボタニ子
シロツメクサによく似ていて、米粒みたいに小さい花だからコメツブツメクサなんだね。
学名はTrifolium dubium
コメツブツメクサの学名はTrifolium dubiumといいます。Trifoliumとはシャジクソウ属を意味していますが、Triとは葉が3枚の3出複葉のことを意味しています。コメツブツメクサは三枚の葉がひとかたまりになっており、葉には先端の部分に目立たない程度のギザギザがあり、毛が生えています。
コメツブツメクサの花と開花時期
コメツブツメクサ花期は春です。
コメツブツメクサの開花時期は5〜7月。花の大きさは直径は5mmほどです。コメツブ(米粒)くらい(3mmくらい)の花びらが数個から20個集まって小さな球形(金平糖のような姿です)になっています。ひとつひとつの花びらの形は蝶形です。グランドカバーにも利用できることからわかるように、地面を這うように生育するので草丈は大きく育っても20〜40cmくらいです。
ボタニ子
他の雑草が生えないように芝生のように使うことができるんだね。庭に植えてみようかな。
コメツブツメクサとコメツブウマゴヤシとの違い
コメツブツメクサとよく間違えられる植物にコメツブウマゴヤシという植物があります。とてもよく似ています。このコメツブウマゴヤシとの違いについてまとめてみました。
↑これはコメツブウマゴヤシです。
↑これはコメツブツメクサです。
ボタニ子
写真だけでは違いがよくわからないかも。
コメツブウマゴヤシとは
コメツブウマゴヤシは漢字で書くと「米粒馬肥やし」です。学名はMedicago lupulinaです。コメツブツメクサ(米粒詰草)の学名はTrifolium dubiumでしたね。コメツブツメクサ(米粒詰草)と同様にヨーロッパから入ってきた外来種で野生化しています。馬肥やしと名がついているので、かつては肥料や牧草として使われたものですが、現在日本では肥料や牧草としては使われていません。
花期や生息地は同じ
コメツブウマゴヤシ(米粒馬肥やし)の花期はコメツブツメクサ(米粒詰草)と同じ5〜7月頃です。よく似た黄色い小さな花(同じく花の大きさは直径5mmほど)が咲き、生息地も道端や公園、牧草地など同じ場所がほとんどです。
ボタニ子
開花時期も同じなんだね。
葉の形状は同じ
コメツブツメクサ(米粒詰草)とコメツブウマゴヤシ(米粒馬肥やし)のは同じ3枚の葉がひとかたまりになっている3出複葉です。コメツブウマゴヤシ(米粒馬肥やし)の葉にもコメツブツメクサ(米粒詰草)と同様に毛が生えていて、先端に目立たない程度のギザギザもあります。
ボタニ子
葉も似ているんだね。
同じマメ科だが属は違う
コメツブウマゴヤシ(米粒馬肥やし)はコメツブツメクサ(米粒詰草)と同じマメ科の1年草もしくは2年草です。しかしコメツブツメクサ(米粒詰草)がシャジクソウ属であるのに対し、コメツブウマゴヤシ(米粒馬肥やし)はウマゴヤシ属です。したがって同じマメ科ですが、属が違うので学術上違う仲間に分類されています。
ボタニ子
同じマメ科のなかでは、違う仲間に分類されているんだね。
豆果の形状の違い
コメツブツメクサ(米粒詰草)とコメツブウマゴヤシ(米粒馬肥やし)は豆果の形状が違います。
ボタニ子
豆果とは豆科の植物の果実のことだよ。
コメツブツメクサ(米粒詰草)は花は咲いたあと、下を向いて花が枯れてそのまま果実を包みます。一方コメツブウマゴヤシ(米粒馬肥やし)は花が咲いたあと、花弁が落ち、長く伸びて黒い果実をつけます。また果実の表面には毛が生えています。
ボタニ子
コメツブツメクサ(米粒詰草)の果実は枯れた花びらに包まれているのに、コメツブウマゴヤシ(米粒馬肥やし)は花びらが落ちて果実がむき出しになるんだね
また種子は果実の中にできます。果実の中には種子が一つずつ入っています。これはコメツブツメクサもコメツブウマゴヤシも同じです。
ボタニ子
種子は果実の中にあるんだね。
草丈の違い
コメツブツメクサが草丈20〜40cmと地面を這うように生育するのに対し、コメツブウマゴヤシの草丈は30〜60cmと少しだけ高くなります。花が咲いたあと長く伸びて果実をつけるので、このときの草丈は高くなりますね。
ボタニ子
生育状態によるから、草丈の違いは見分けにくかも。
コメツブツメクサとコメツブウマコヤシの見分け方
- 一番わかりやすい見分け方は果実(種子)のできかた
- 同じマメ科だが、属が違う(米粒詰草はシャジクソウ属、米粒馬肥やしはウマゴヤシ属)
コメツブウマゴヤシの花言葉
コメツブツメクサの花言葉は「お米を食べましょう」です。コメツブ(米粒)からイメージした花言葉ですね。もう一つは「小さな恋人」。小さな可愛いらしい花の姿から由来しているのでしょう。
まとめ
黄色い花が一面に咲く可愛いコメツブツメクサ(米粒詰草)についてご紹介しました。野生化した植物で園芸店などで販売しているものではありません。しかし花期の5〜7月にはあちこちで見つけることができるかもしれません。是非探してみてくださいね。
コメツブツメクサの特徴
- 花の大きさは直径5mmほどの黄色い花
- コメツブツメクサは米粒詰草(米粒のように小さい花)
- 学名はTrifolium dubium
- ヨーロッパ原産の外来種で野生化している
- コメツブウマゴヤシとの違いは種子を包む果実の形状
- 花言葉は「お米を食べましょう」と「小さな恋人」
- 開花時期は5〜7月
シロツメクサ