シャンツァイとは
シャンツァイは、セリ科の一年草の香草です。歴史は古く、古代ギリシャのころから葉や茎を食用したり、種をスパイスとして利用したりしていました。とても強烈な独特の香りがあり、好き嫌いが分かれる香草ですが、近年日本ではシャンツァイが多く使われるエスニック料理などの流行もあり、栄養効果からも人気が出てきている香草です。
ボタニ子
シャンツァイの基本情報
科目 | セリ目セリ科コエンドロ属 |
園芸分類 | 一年草 |
原産地 | 地中海東部沿岸 |
学名 | Coriandrum SativumL. |
英名 | Coriander |
和名 | コエンドロ |
パクチー・コリアンダーとの違い
パクチーやコリアンダーはシャンツァイの別名です。使っている国や使われている方法によって、別名で呼ばれています。したがって、料理によってレシピに載る名前も違いがあります。
国によって違う
シャンツァイはパクチー・コリアンダーのほかにも、国によってはシラントロやコエントロ、ザウムイやダニヤーなどとも呼ばれています。中国では香菜と書いてシャンツァイと呼ぶほか、中国パセリという名前もついています。
国名 | シャンツァイの名前 |
中国 | シャンツァイ(香菜)、中国パセリ |
タイ | パクチー |
ベトナム | ザウムイ |
インド | ダニヤー |
中南米 | シラントロ |
米国 | シラントロ |
ポルトガル | コエントロ |
シャンツァイの別名の種類がこんなにあるなんて知らなかったな!
生葉・乾燥・種子によっても呼び方が違う
シャンツァイは、使われ方によっても名前が違います。生葉で使う場合はシャンツァイやパクチー、シラントロ、コエントロ、ダニヤー、ザウムイなど国ごとに違う名前があります。しかし、種や葉を乾燥させたスパイスの場合は、ほとんどの国がコリアンダーと呼んでいるようです。
そういえば、スパイスコーナーにコリアンダーはあるけれど、シャンツァイとかパクチーはないもんな!
シャンツァイの特徴
シャンツァイの香りはカメムシと同じ?
シャンツァイの香りはカメムシのにおいに似ているとよくいわれますが、実はシャンツァイとカメムシには「デセナール」と「ヘキセナール」という同じにおい成分が含まれています。においが似ているという感覚は、それぞれに含まれている成分からも正しいことが証明されています。
ボタニ子
ラオスでは、カメムシを香辛料と一緒に潰して「チェオ」という調味料を作っているそうです。また、カメムシそのものを香辛料として食べていることもあるとか!
シャンツァイの旬
シャンツァイの旬は春~初夏ごろです。シャンツァイは真夏の強い日差しの時期を避けて種をまき、2カ月ほどで収穫します。収穫方法としては株ごと収穫する場合と、順次若葉を摘み取る場合があります。一年中店頭に並んでいるため、旬を感じにくいかもしれません。春~初夏に出回っているシャンツァイはよりいっそう香りも高く、おいしいといわれています。
シャンツァイの主な産地
シャンツァイの原産地は地中海東部ですが、現在では世界中で食べられています。日本でも1990年代のエスニック料理ブームにより、産地はどんどん広がりました。農林水産省「作物統計」平成30年(2018年)のデータによると、福岡県と静岡県で国内生産のほぼ半分を占めており、茨城県と千葉県がそれに続いています。
香草とは、ハーブの中で香りが強い草をさしています。