ギシギシ(雑草)の駆除方法4選!効果的な防除法やおすすめの除草剤は?

ギシギシ(雑草)の駆除方法4選!効果的な防除法やおすすめの除草剤は?

ギシギシは縮みのある大きな葉が特徴的な多年草です。畑や牧草地に侵入すると繁殖力の高さから退治が大変な難防除雑草です。この記事では、迷惑な雑草であるギシギシを効果的に防除できる除草剤の紹介や生育拡大を抑えられる対策について解説します。

記事の目次

  1. 1.ギシギシを退治したい!
  2. 2.ギシギシの防除方法①こまめな草刈り
  3. 3.ギシギシの防除方法②抜き取り
  4. 4.ギシギシの防除方法③非選択性除草剤(グリホサート系)
  5. 5.ギシギシの防除方法④選択性除草剤
  6. 6.ギシギシの仲間と見分け方
  7. 7.防除法の組み合わせが大事

ギシギシの防除方法④選択性除草剤

栽培中の畑のギシギシを退治したい場合は選択性除草剤の使用がおすすめです。選択性除草剤とは、特定の植物だけに効果のある薬剤で、作物は枯らさずにギシギシだけを枯らすことができます。薬剤ごとに使える作物が決められているので、ここでは代表的な2種類の除草剤の使い方について紹介します。

除草剤①ハーモニー

ハーモニーDF

参考価格: 2,770円

出典: 楽天
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ハーモニーはアメリカのデュポン社で開発された除草剤です。ごく少量の薬量で広い面積に散布できるのが特徴で、ギシギシを含めた広葉雑草に高い除草効果を示します。また、1カ月程度の短い期間でギシギシを枯死させる、効き目の早さも特徴です。しかし、マメ科牧草に対しては薬害がでることがあるので注意が必要です。

袋あたり重量10g
適用作物ムギ、トウモロコシ、牧草
毒性普通物
性状微細粒
有効成分チフェンスルフロンメチル

除草剤②アージラン

アージラン液剤

参考価格: 3,166円

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アージランは石原バイオサイエンスが開発した除草剤で、イネ科雑草と広葉雑草のそれぞれに効果があります。マメ科牧草への薬害の発生は少なくてすみますが、ギシギシを枯死させるまでに期間がかかるのが特徴です。気温が低い地域では秋に散布をしてから翌年の春にようやく枯れるほど時間がかかります。

適用作物芝、イネ科作物、ほうれんそうなど
毒性普通物
性状黄褐色液体
有効成分アシュラム

効果的な使い方

選択性除草剤によってギシギシ畑を防除する場合は、1年で2回の使用がおすすめです。これは、種子を落としたあとのギシギシを枯らしても、翌年の春に新たなギシギシが発生するためです。そのため、1回目の散布を初夏~秋にして既存のギシギシを枯死させ、2回目の散布を翌年の春にして種子から発生した個体を駆除してください。

ギシギシの防除カレンダー
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花期
1回目散布
2回目散布
ボタニ子

ボタニ子

1回目の散布はハーモニーがおすすめだよ。2回目はハーモニーでもアージランのどっちでもいいよ。

散布の目安

ギシギシ発生初期~伸長期

薬剤 ハーモニー アージラン
薬剤量 0.5g 1g 10g 125mL 250mL 2,500mL
希釈量 10L 100L 1,000L 50L 100L 1,000L
散布面積 500㎡
151坪
1,000㎡
303坪
10,000㎡
3030坪
500㎡
151坪
1,000㎡
303坪
10,000㎡
3030坪
薬剤価格 138円 277円 2,770円 452円 904円 9,042円
※価格は2020年8月現在
※アージランの使用は北海道に限る

越年した(しぶとい)ギシギシ

薬剤 ハーモニー アージラン
薬剤量 2.5g 5g 50g 250mL 500mL 5,000mL
希釈量 10L 100L 1,000L 50L 100L 1,000L
散布面積 500㎡
151坪
1,000㎡
303坪
10,000㎡
3030坪
500㎡
151坪
1,000㎡
303坪
10,000㎡
3030坪
薬剤価格 690円 1,385円 13,850円 904円 1,808円 18,085円
※価格は2020年8月現在

選択性除草剤の使い方

  • ギシギシだけを枯らすため栽培中の畑で使用できる
  • 散布してから1年以内にもう一度散布する
  • 値段はアージランよりハーモニーがお得(マメ科植物のない場合に限る)

ギシギシの仲間と見分け方

エゾノギシギシ
Photo byHans

ギシギシ属にはギシギシ以外の仲間がおり、それぞれ生育スケジュールが違うため種類ごとの特徴を知ることが大事です。ギシギシの仲間の見分け方は、葉の形を観察することでできます。

①スイバの見分け方

ギシギシの仲間のスイバは、葉の形がギシギシよりも幅が狭く楕円形をしています。ほかの見分け方では、冬期の葉の色が赤色になることなどがあります。またスイバは茎の酸味が特徴の雑草で、花をつける時期が4~6月とギシギシよりも少し早いです。

②エゾノギシギシの見分け方

エゾノギシギシは葉が波状に縮んでいる点でギシギシと似通っていますが、見分け方は葉の幅と葉脈の色をみることで区別できます。エゾノギシギシは幅が広く、葉の中央脈が赤いのが特徴です。エゾノギシギシはヨーロッパ原産の帰化植物で大型の雑草であり、開花期は7~9月とやや遅いため、防除時期を間違えると種子を落ちるため注意しましょう。

防除法の組み合わせが大事

ギシギシ防除

出典:筆者撮影

ギシギシの防除では、刈取りなどの物理的防除と農薬散布の化学的防除を組み合わせることで効果的に防除できます。特に、一度刈り取りをしてから根が蓄えている栄養を使い切らせ、除草剤を散布することで効果の確実性が高められます。地域によってはもっと効果的な防除法があるかもしれないので、いろいろと組み合わせを試してみましょう。

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ライター

dodon

農業普及指導員経験者。得意分野は農畜連携と牧草生産。草と農業者とのたたかいは有史以来おこなわれております。

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