ギンリョウソウってどんな植物?
ハイキングなどでちょっと湿り気のある山地を歩いていると、たまに遭遇するギンリョウソウ(銀竜草)。今回はそんなギンリョウソウ(銀竜草)の魅力を紹介していきます。
ギンリョウソウの基本情報
学名 | Monotropastrum humile |
別名 | ユウレイタケ |
分類 | シャクジョウソウ科ギンリョウソウ属 |
大きさ | 5~15cm |
花言葉 | そっと見守る |
ギンリョウソウは光合成で自分に必要な栄養素を作り出すのではなく、菌類に共生して栄養分を得るという腐生植物です。神秘的な見た目からキノコとも間違われたりもします。
名前の由来
ギンリョウソウ(銀竜草)の名前の由来は、その見た目がまるで銀の龍のように見える植物なので、そのように名付けられました。別名、幽霊茸(ユウレイタケ)とも呼ばれます。この別名も幽霊のようにニョロっと生えている見た目からきたものです。
生息地
ギンリョウソウはジメジメとした場所によく生えています。そのため、湿気の多い樹林帯へ行った際には発見できる可能性が高い植物です。山地に生えるギンリョウソウの姿はとても神秘的なんですよ。
白い理由
他の多くの植物には葉緑体があるので緑色に見えますが、ギンリョウソウには葉緑体がありません。そのため色素がなく、半透明のような白い色に見えるのです。ギンリョウソウの生えている部分が浮かび上がっているようで、その姿を見つけられると美しい神秘的な光景を拝めますよ。
食べるモノ?
ユウレイタケと呼ばれていることからも、よくギンリョウソウがキノコだと勘違いしている方もいますが、キノコではありません。毒キノコなどからも栄養素を得ているということもあり、基本食べる用の植物ではありません。漢方などに使われていることはあるので、食べると必ずしも毒というわけではありませんが、自分で採ってきて食べるのはやめましょう。
ギンリョウソウの育て方
湿気の多い高山に生えているギンリョウソウを家庭で栽培するのは、とても難しいです。しかし白い神秘的なギンリョウソウをどうにかして育てたいという方もたくさんいます。そこで難しいギンリョウソウ栽培のポイントを一緒にチェックしていきましょう。
育て方①栽培に必要なもの
高山の腐生植物であるギンリョウソウを育てるのはかなり難しいことです。栽培に必要なものをまずは揃えていきましょう。
共生する菌類
ギンリョウソウは自ら光合成で栄養素を作り出せないので、育てるためには共生する菌類が絶対に必要です。これがなければ栄養素が摂れずに枯れていってしまうのです。菌類を準備するのはなかなか難しいので菌類が寄生している木材を準備しましょう。
水持ちのよい腐葉土
ギンリョウソウの生息地は湿気の多い山地です。その環境を人工的に作り出す必要があるので、水持ちのよい腐葉土を用意しましょう。一般的に園芸用として使われているもので大丈夫です。ギンリョウソウと共生する菌類が、この腐葉土から栄養分を得て育ってくれます。
水槽
通常の植物を育てる際には地植えしたり植木鉢を用意しますが、ギンリョウソウはとても繊細で家庭で育てるのはとても難しいです。そのため、よりよい環境作りのために水槽を準備しましょう。水槽の中であれば湿気の調整などもしやすくておすすめです。
育て方②置き場所
ギンリョウソウは光合成をしないので、太陽の光は特に必要はありません。水槽の置き場所としては、日陰でできる限りジメジメした場所が良いでしょう。ただし高山に生えているという環境を再現するには、ある程度の風通しも必要になってきます。ギンリョウソウの状態を注意深く観察しながら、置き場所を変えてあげるのが一番良いですね。
育て方③水やり
水やりはこまめにしましょう。常に土に湿り気のある状態が好ましいです。しかし、水やりが多いと土の表面にカビが生えてきたりもするので、そのときはカビをとって水やりを控えるようにしてください。
育て方④開花時期
ギンリョウソウの開花時期は、6月~7月の初夏です。梅雨の時期は湿気が多いので、ジメジメした場所を好むギンリョウソウには最適な時期といえますね。短い開花期だからこそ、ギンリョウソウの美しさが際立つのです。
育て方⑤増やし方
一般的に植物の増やし方は種まきや株分けなどがありますが、ギンリョウソウの増やし方も他の植物と同様、種まきや株分けが可能です。育てるのが難しいギンリョウソウは、もちろん増やすこともとても難しい植物です。地下茎と呼ばれるものを地下に短く伸ばしているので、その地下茎を株分けするのがうまくいく可能性が一番高い増やし方でしょう。
ギンリョウソウの管理方法
栽培が難しいギンリョウソウですが、しっかり管理をしていけば不可能ではありません。一番の重要なポイントは湿度の管理です。土の表面が常に湿っている状態を保つことが大切になります。ジメジメしてカビないように注意しつつ、置き場所を変えるなどし、繊細な管理を心がけて大切に育ててください。
まとめ
山の奥で神秘的に生えているギンリョウソウ(銀竜草)は家庭で育てるのは難しいので、偶然その姿を見られればラッキーな植物です。しかし、ポイントを押さえて上手に管理をしていけば、ギンリョウソウの美しさを身近で楽しむことができます。ぜひ、繊細で神秘的なギンリョウソウを栽培してみてください。
出典:写真AC