プリムラの種類
冬から春にかけて咲く花にプリムラがあります。プリムラは赤や黄、ピンクや白などカラフルな花色で冬の花壇に彩りを与えてくれますね。寄せ植えにすると玄関や庭が明るい雰囲気になるため、冬のガーデニングで人気のある花でもあります。
プリムラとは?
春の訪れを告げる花
プリムラは、サクラソウ科サクラソウ属の植物になります。プリムラの名前は、ラテン語で 「primus(最初)」を意味し、春先に咲くことからプリムラと名付けられました。カラフルな色で暖かな春の訪れを告げる花と解釈すると楽しいですね。
品種の多い花
プリムラの人気5種類
プリムラは品種の多い花といわれ、世界におよそ500種類以上もあり、さまざまな花の形を楽しむことができることがプリムラの魅力です。中でも日本で育てやすく人気のある品種は下記の5種類です。
- プリムラ・ジュリアン
- プリムラ・ポリアンサ
- プリムラ・シネンシス
- プリムラ・マラコイデス
- プリムラ・オブコニカ
プリムラ・シネンシスとは?
プリムラの人気5種類に「プリムラ・シネンシス」があります。桜の花びらに似た白い花を咲かせるプリムラ・シネンシスは、カラフルな花色が多い他のプリムラとは異なり素朴で落ち着いた雰囲気を楽しむ花です。そこで、プリムラ・シネンシスとはどのような植物なのか、特徴や育て方と、楽しいアレンジ方法も合わせて解説します。
プリムラ・シネンシスの基本情報
学名 | Primula sinensis |
科名 | サクラソウ科 |
属名 | サクラソウ属 |
和名 | 寒桜、雪桜 |
形態 | 多年草 |
草丈 | 30~40cm |
花期 | 冬~春 |
花色 | 白、赤、ピンク、紫、オレンジ |
耐寒性 | 強い |
名前の由来
中国原産
プリムラ・シネンシスは中国原産の種類で、中国南部から台湾に広く分布している花です。シネンシス「sinensis」はラテン語ですが、英語で書くと「chinese」となり「中国産の」という意味になります。もともと中国四川省で発見されたことに由来した名前です。
花言葉
永遠の愛情
プリムラの花言葉は「青春のはじまりと悲しみ」「青春の恋」になります。春の訪れを告げる花にふさわしい花言葉ですね。そして、プリムラ・シネンシスの花言葉は「永遠の愛情」「気取らない愛」になります。花期が冬から春までと他のプリムラよりも長いことや、ハート型の花びらから考えられた花言葉のようにも感じますね。
ボタニ子
愛らしい素敵な花言葉ね!
プリムラ・シネンシスの特徴
プリムラ・シネンシスは冬から春にかけて長い間楽しむことができる花です。桜のような形をした花びらに品があり、東洋の雰囲気をもった花姿が特徴といえます。また冬の寒さにも強いことも育てやすく人気です。そこで、プリムラ・シネンシスの特徴とその魅力について詳しく説明します。
花
桜のような花びら
プリムラ・シネンシスの大きな特徴は、桜の花びらのような花弁が輪状に咲くことです。この桜のような形で波打たない花弁をステラタ系品種といい、寒さに強いため家庭でも育てやすく人気があります。近年はウンナンサクラソウとの交配によって、白以外ピンクや赤、青などの花色が出回るようになりました。
ボタニ子
花弁をよく見るとハート型をしているように見えるね!
ボタ爺
微かな匂いもあるんじゃ!
葉
肉厚な葉
葉には細かい毛があり、縁にギザギザの浅い切り込みがあります。濃い緑色で楕円形のやや肉厚な葉と覚えておきましょう。緑色の葉に白い花がよく映え清楚な姿に見えます。葉の裏側と茎は赤みのある色をしており、野に咲く自然な花の印象をうけます。
プリムラ・シネンシスの育て方
プリムラ・シネンシスは比較的寒さに強い品種の花です。しかし、暑さに弱い性質があるため、どのように夏越しするかが難しい点になります。このため、多年草ですが、夏の暑さに耐えられないことから一年草として扱われることがあります。そこで、プリムラ・シネンシスの上手な育て方について解説します。
種付け
種をまくだけ
6~7月ごろに種付けを行います。発芽には光が必要となるため、種をまくだけで土をかぶせる必要はありません。日陰に置き9月ごろになると本葉が数枚見られるようになり、冬から春に開花します。花は2年に1回は植え替えを行うと生育がよくなります。植え替えの時期は10~3月がよく、根を傷つけないように行いましょう。
日常の管理
夏の管理
庭に植えた場合は、特に水やりをする必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたころにたっぷり水やりをしましょう。日当たりのよい場所に置き、夏は半日陰に移動させてあげましょう。暖かい土地では夏の管理が難しいですが、雨が避けられ風通しがよい場所に置くことが大切です。特に涼しい風のあたる場所が最適でしょう。
冬の管理
花の咲く冬の管理は、夏よりも楽と考えてよいでしょう。しかし、霜や冷たい風に当ると花も葉も傷んでしまいます。樹木の下、家の軒下や壁によって風雨を避けて半日陰になるほうがよいです。特に寒さが厳しい時は、ビニールで覆い防寒をするほうが安全です。また、加湿になると灰色カビ病が発生することがあるため、ときどき換気が必要になります。
肥料
年2回追肥
庭に植えた場合は10~11月と3~4月の2回、緩効性の化学肥料を与えます。鉢植えにした場合は、10~11月と2~5月の2回に液体肥料を与えるようにしましょう。肥料を切らさないように追肥を行うことで、灰色カビ病の発生を防ぐことに繋がります。
増やし方
2種類の増やし方
プリムラ・シネンシスの増やし方は2種類あります。種まきは6~7月に行うのがよいため、採取した種はすぐに撒かずに保管しておくようにします。
- 花からこぼれ落ちた種が子株となる方法
- 花から作られた種を採取して保管し、種まきをする方法
ボタニ子
種は密封容器やジッパー付きのポリ袋に入れて保管するといいよ!
ボタ爺
一定の温度で保管するには冷蔵庫の野菜室に入れておくのが一番じゃ!
病気と害虫
灰色カビ病
低温や多湿によって「灰色カビ病」が発生します。多くの植物で発生するこの病気は、花、茎、葉が腐り、病気が進むと褐色になり腐って灰色のカビに覆われてしまいます。特に根本の枯れ葉をそのままにしておくと灰色カビ病が発生するため、枯れた葉はこまめに取りって予防するようにしましょう。
アブラムシ
害虫は10~11月、2~5月にかけて「アブラムシ」「コナジラミ」が発生することが多いです。殺虫剤や風通しをよくすることで発生を軽減することができます。また、定期的な薬剤散布も害虫から花を守る方法です。
プリムラ・シネンシスのアレンジ方法
素朴で自然な色のプリムラ・シネンシスは庭や鉢に寄せ植えにして楽しむことが一般的です。また、品種改良によって近年出回っている赤やピンクの花色は豪華さを与えてくれ、寒い冬に彩りを与えてくれます。そこで、寄せ植え以外にもプリムラ・シネンシスを楽しむアレンジ方法をご紹介します。
苔玉
和の雰囲気に!
落ち着いた雰囲気をもつプリムラ・シネンシスは、苔玉に植えて咲かせると和の雰囲気をかもし出してくれます。緑色の丸い苔玉にかわいい白い花が映えて、素敵ですね。花が終わったころ茎の下から摘み取ると、下から次々と蕾が出てきます。水やりは苔玉が軽くなったころ、容器に入れてしっかり水に浸けるだけで大丈夫です。
切り花
小ビンに挿して
プリムラ・シネンシスを1本切り、一輪挿しや小ビンに挿して飾ると、洋の雰囲気をかもし出してくれます。一本の花で凛とした立ち姿がインテリアにもぴったりです。細い茎のため、風によって折れてしまうことがありますが、茎の折れた花は切り花として飾るのもかわいいですよ。
まとめ
プリムラ・シネンシスは春の訪れを告げる花「プリムラ」の中でも、素朴で自然な雰囲気をもつ花です。凛と立つ茎の先に桜の花びらのような花が咲き、とてもかわいらしいですね。寒さに強い点も育てやすく、花の少ない冬から春の時期にガーデニングにぴったりな花といえます。
出典:BOTANICA