アジサイの植え替えは簡単?
近年種類も豊富になり、春から夏にかけて生花店でも色とりどり、形もさまざまなアジサイを購入できるようになりました。ところで、そんなアジサイを元気に咲かせていくためには植え替えが必要です。お手入れ自体は難しくないので、時期や植え方さえ間違えなければ、はじめての方でも上手にアジサイの花を咲かせることができます。
ボタニ子
アジサイの植え替えにピッタリの場所は?
気になる日当たりと移植場所ですが、花つきをよくするためにはある程度の日当たりを確保できる場所を選びましょう。耐寒性はありますが寒風のあたるところは苦手なので、日が当たらない半日陰をこのみます。日陰を好むイメージがあるかもしれませんが、日が全く当たらないのも元気に育ちません。風よけになるものがある場所に植えるとよいでしょう。そして、その際は成長を考慮し適度に間を空けて植えましょう。
地植えの場合は植え替え先を考えてから
鉢植えはよほど大きくない限りは動かせるのでよいですが、庭に移植する場合は地植えなので根もそのままどんどん育っていきます。地植えをするとお手入れは鉢植えに比べ楽になり、大きく育ったアジサイは迫力の美しさとかわいらしさで庭を彩る主役にまでなります。育っていくと高さが2m近くにまでなるので、初心者の方ははじめに移植場所をよく考え決めてから行うとよいでしょう。
アジサイの植え替え時期
アジサイのおすすめ植え替え時期
- 花が咲き終わった頃の5月~7月(購入したばかりの鉢植えアジサイはこちらがおすすめです)
- 休眠期の12月~3月頃(2年目以降のものはこちらがおすすめです)
植え替えを考えたときに、多くの人が悩んでしまうのがベストなタイミングはいつなのか、ということではないでしょうか。このタイミングをまちがえなければ植え替え後も弱ったり枯れることなく元気に咲いてくれます。
植え替えの目安は?
アジサイは根の成長が早く、根詰まりがおきやすいので年に1回くらいを目安に移植するとよいです。また、植え替えの際は土の表面が乾いてしまわないように直射日光を避けて作業しましょう。
アジサイの植え替え①鉢植えから鉢植え編
【用意するもの】
- 今までの鉢よりも一回り以上大きいサイズの鉢(1号か2号大きめ)
- 鉢底石
- 用土(黒土をメインに堆肥など有機質を加え、鹿沼土などを混ぜたもの。鹿沼土を入れると通気性と保湿性がでます)
- スコップ
- 土の隙間をなくす用の棒状のもの
【植え方】
- 花がら、枯れた葉を取り除きます
- 新しく用意した大きめの鉢に鉢底石をしき用土を底をつくるように入れます
- 根と周りの土(根鉢)を崩さないように注意しながら新しい鉢へと入れ替えます
- 根鉢の周りに用土を入れていきます
- 水をたっぷりと与えます(目安は鉢の底から水が出てくるまで)
- これで植え替え完了です
植え替え時のポイント
新しい鉢に植え替え前の状態で、鉢の中で根がぎっちりとなってしまっている場合には、根をくずして1/3~1/5をカットし、根をほぐしてから植え替えましょう。このとき根を傷つけてしまうと枯れてしまいやすくなるので慎重に行います。また、根鉢の周りに用土を入れる際、鉢と根の間、根鉢の間に隙間がなくなるように、枝の切れ端や棒状のものを使用するとしっかりと間に用土を入れていくことができます。
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鉢底石は排水性を高め通気性をよくし、根腐れを防ぐために入れます。庭で集めた石やばらばらの石を入れる方も多いかと思いますが、はじめからネットに入った鉢底石もあります。扱いやすく、洗ってまた繰り返し使えるこちらのようなネット入りタイプも販売されています。植え替えの機会が多い方、初心者の方にもおすすめです。
アジサイの植え替え②鉢植えから地植え編
【用意するもの】
- おおきめのシャベル
- 完熟した腐葉土
【植え方】
- 花がら、枯れた葉を取り除きます
- 植える場所に根鉢よりも大きいサイズの穴を掘ります
- 完熟腐葉土をたっぷりしきます
- 根と周りの土(根鉢)を崩さないように注意しながら植えつけます(根のカットが必要な場合はここでします)
- 腐葉土を周りに入れていき穴を埋めます
- 植えつけが終わったらたっぷり水をあげます
- 腐葉土がへこんだらその上から腐葉土を足して高さを調整します
- これで植え替え完了です
植え替え時のポイント
シャベルは地面を掘るので小さいものより大きめの方が楽に作業が進められます。掘る穴のサイズを考慮して大きめを用意するのがよいでしょう。腐葉土は完熟していないものを使うと、根に害を及ぼすため完熟したものを用意して使いましょう。
植え替えがうまくいかなかったとき、その原因は?
植え替えをした後に、残念ながら枯らしてしまったという方もいるかもしれません。その場合、時期、植え替え後の場所、水のあげ方が考えられます。そしてその他に根を傷つけてしまった、ということも考えられます。植え替えによりどうしても根に負担がかかってしまいます。直接根を傷つけてしまわないよう、根鉢をさわるときは荒くせずやさしくしましょう。
アジサイの肥料
移植後、アジサイを元気に咲かせるためには肥料も必要です。寒肥(かんごえ)は3月までに堆肥など有機物と草木灰(そうもくばい)を混ぜたものを株の周囲に施します。そして、開花前の5月ごろに油かすなどを施します。また、窒素過多にならないようにするのもポイントです。あげすぎで病気になりやすくなるのでバランスよく肥料を施します。庭植え、鉢植え共に肥料をあげる時期は同じです。
花の色が土壌の性質により大きく左右されることでも有名です。土壌が酸性の場合は青系のアジサイに、アルカリ性の場合は赤系のアジサイに色づきます。青花専用、赤花専用とそれぞれ専用の肥料も販売されています。専門家でも難しいとされる花の色の調整ですが、しっかりとこだわって育てていきたい方は、肥料の比率、調整など地植えした場所の土との相性、様子を見ながら研究、育てていくのもアジサイを地植えにする醍醐味ですね。
アジサイの植え替え時の楽しみ方
植え方としてどのような容器に植えるのかでも印象は変わってきます。広義では同じ「容器」という意味で使われることが多いプランターと鉢の2つですが、プランターを使う場合、鉢を使う場合と置く場所に合わせて選ぶ楽しみがあります。また、インターネットで購入する方、したい方も多いかと思いますが、その際には「鉢」「プランター」の両方で検索すると選択肢が広がってよいですね。
鉢植え
鉢やプランターは細かく気をつかって選ぶということもなく、インテリアや趣味にあわせてお好みで選んでよいでしょう。ただ、アジサイは水分が好きな植物で水切れをおこすと弱ってしまい枯れる原因となります。そうなってしまわないよう、元気に育つための鉢の選び方としては、深鉢にする必要はありませんが水切れをおこさないようにするために浅鉢はさけて選ぶとよいでしょう。
地植え
庭に地植えする場合は、移植先の場所がとれるようであれば立派なサイズのアジサイを育てることもできるので印象が大きく異なり、鉢植えとはまた違った楽しみ方ができます。移動しないと決める必要があるかもしれませんが、はじめから大きな鉢に移植するのも先が楽しみでいいですね。
まとめ
続々と行われている品種改良のおかげもあって、色も種類も豊富なアジサイ。梅雨時の庭先を彩る人気の植物ですが、お手入れは決して難しくありません。お気に入りのアジサイを見つけたら、ぜひ植え替えにも挑戦してみてくださいね。
ちなみにアジサイ(別名:ハイドランジア)という呼び方は、アジサイ属の中でも円錐状や碗状の花序をつける植物全般に使われているんだって!