ローダンセマムってどんな花?
ローダンセマムは北アフリカやスペインを原産地とする、マーガレットに似た小柄な花です。開花時期が長く、花が咲かない時期もシルバーリーフと呼ばれ親しまれています。こんもりとした株は、剪定時期を選べば揷し木で増やせられ、蒸れにさえ気をつければ、花が咲かないこともなく基本的に育てやすい植物です。
基本情報
科名 | キク科 |
属名 | ローダンセマム属 |
原産地 | 北アフリカ、スペイン |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 常緑性多年草 |
草丈・樹高 | 10〜30cm |
開花時期 | 3月〜6月 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
原種 | アフリカンアイズ |
品種 | 10〜15種、アフリカンアイズやプチマカロンなど |
花の色 | 白、ピンク、クリーム色 |
特徴
生育環境
ローダンセマムは日当たりのよい乾燥した岩場や山に自生します。マーガレットに似ていますが、マーガレットと違い低温にも強く、越冬も容易で−10℃まで屋外で育てられます。一方、高温には弱く、日本の高温多湿な夏が苦手です。梅雨など夏の生育休止期に水やりをしすぎると枯れてしまいます。夏越しが難しく日本では一年草扱いをされることも多いですが、本来は多年草です。剪定時期に十分に剪定し、風通しよくして夏越しをさせれば、何年も育て続けられます。
種類
種類が三種類あります。ローダンセマムの種類は大きく分けてガヤヌム種とホスマリエンセ種、カタナンセ種の3つです。ガヤナム種(Rhodanthemum gayanum)は筒状花が茶褐色で舌状花が白。ホスマリエンセ種(R. hosmariense)はそれよりも花が大きく、カタナンセ種(R. catananche)は舌状花がクリーム色です。
名前の由来
ギリシャ語でバラを意味する「Rhodon」、花を意味する「Anthemon」の2つが合わさってローダンセマムと呼ばれるようになりました。「バラのように美しい花」また「バラのような花の色」ということから名付けられています。花の美しさだけでなく、白っぽい葉のマットな質感も特徴的なため、花が咲かない時期に「シルバーリーフ」と呼ばれることもあります。
ローダンセマムの花言葉
ローダンセマムには素敵な花言葉があります。どのような花言葉が見ていきましょう。
誕生花
2月12日
ローダンセマムは2月12日の誕生花です。誕生花の起源には諸説あり、もっとも有名なのがギリシャ・ローマ時代の思想をもとにしたという説です。ギリシャ・ローマ時代、自然のものには神秘の力が宿っていると考えられていました。そのため人々は、花や木々も他の自然物と同じように力を秘めていて、神からのメッセージを人に伝えるためにそこにある(咲いている)と信じていたのです。
花言葉
「永遠の愛」「気丈に」「誠実」
花言葉は花の外見や匂い、文化史的伝統を別の言葉に変えて表現する姿勢からうまれたものです。19世紀の西欧文化が起源とされており、日本には明治時代にその文化が伝わり、園芸産業とともに現在の形に広まっていきました。日本独自の表現も多くあります。たとえば桜は「移ろいやすいもの」のたとえとして、平安時代の和歌にも使われていました。花言葉も「淡白」「待ちかねる」などその意味を汲んだものとなっています。
ローダンセマムの育て方①育てる場所
育てる場所
ここでは、ローダンセマムを育てる環境について見ていきましょう。
ほどよく日当たりのよい場所
鉢植えの場合は雨が避けられて風通しのよい場所、庭植えならば水はけのよい場所を選んでください。また、梅雨を過ぎたら日当たりのよい場所は高温になりすぎます。夏の期間は日当たりを避けることも重要です。枯れずに夏越しができるよう、細心の注意を払いましょう。耐寒性が高いため、日本での越冬であれば屋外でも栽培可能です。
たまに鉢を回すこと
生育具合にばらつきが出てきたら、鉢を回してまんべんなく日当たりのよい方向に向けてあげましょう。ローダンセマムの葉が日光を探して均等に広がり、樹形が整います。また、一部のみが日陰になって蒸れることを避ける意味もあります。こまめに鉢を回して、こんもりと元気で丸い株に育てましょう。
用土
酸性土壌が苦手
庭植えの用土は、植え付け前に苦土石灰を追加し、phを中和させます。用土1L当たり苦土石灰2gの割合で混合するとよいです。さらに水はけをよくするため用土に腐葉土を追加し、元肥として緩効性化成肥料を施します。鉢植えの用土は、市販の草花用培養土でよいでしょう。自分で用土を作る場合は赤玉土(中粒)5:腐葉土3:ピートモス(酸度調整済)2で配合し、緩効性化成肥料を追加します。
開花時期には液肥の追加も重要
開花時期はローダンセマムもエネルギーを使うため、週に1~2回は液肥を与えてあげましょう。2月〜5月(春)には緩効性化成肥料、または液肥を、9月~11月(秋)には緩効性化成肥料を追加するとよいでしょう。こまめに液肥を与えるのが手間だという人には、液肥に変わる置き肥を探してみてください。
ローダンセマムの育て方②植え方
植え付けと植え替え
ここでは、ローダンセマムの植え付けの適期を見ていきましょう。
植え付けは春(2~4月)または秋(9~11月)
園芸店からローダンセマムを購入したら、すぐに販売用のポットから出し、植え付けをします。販売用のポットは小さく、そのまま放置していると根詰まりの原因になります。ローダンセマムの株は横方向に広がるため、庭植えの場合は横方向に余裕をみておきましょう。秋に植えつけると、開花時期までは時間があり、株が大きく育ちます。春に植え付けるとコンパクトな株のまま花を咲かせるでしょう。
根詰まりとは、鉢がいっぱいになるまで根が張り巡らされ、根から養分や水分を吸収するのが難しくなることです。
植え替えも同じく春(2~4月)または秋(9~11月)
鉢植えの場合、根詰まりを防ぐため2~3年に1度の割合で植え替えをします。特に鉢に水やりをした際、なかなか土に水が染み込んでいかないのは根詰まりのサインです。根詰まりをすると土も根に押しつぶされて硬くなってしまいます。植え替えは生育を促す効果もあるため、ローダンセマムが枯れる前に積極的に植え替えましょう。
寄せ植え
ローダンセマムは寄せ植えも得意
生育環境が似ている植物と寄せ植えをしましょう。寄せ植えをする際、茎下の余計な葉を取ることで蒸れを防ぎ、健康な状態でローゼンセマムを寄せ植えできます。ローダンセマムは草丈が伸びると樹形が乱れがちです。剪定時期を逃さずこまめに手入れしつつ、長く寄せ植えを楽しみましょう。
鉢植えの代わりにカゴ、ハンギングバスケットなどを使うのも一般的です。
出典:写真AC