カラーの概要
カラー(畑地性)の基本データ
学名 | Zantedeschia |
科名 | サトイモ科 |
属名 | オランダカイウ属(ザンテデスキア属) |
園芸分類 | 草花・球根植物・観葉植物 |
原産地 | 南アフリカ |
開花時期 | 6月~7月 |
花色 | 赤色、白色、ピンク、黄色、オレンジ、紫など |
切り花で人気の球根植物
カラーは南アフリカを原産とする球根植物です。原産地では約6~8種類の原種が自生しています。「湿地性」と「畑地性」の2種類があるのが大きな特徴です。日本の園芸業界では、育てやすい畑地性カラーが多く流通しています。種類によって性質も異なるため、育て方も種類に合わせて変える必要があります。シンプルかつシャープな花姿から、切り花やアレンジメントで人気が高いです。
観葉植物としても人気
個性的な花姿が人気のカラーですが、葉の形状もハート形や矢じりの形、楕円形など非常に個性的なものが多いです。葉に白い斑模様が入るものもあり、葉だけでも十分観賞価値があるのもカラーの大きな魅力でしょう。このため、観葉植物として扱われることもあります。
花びらが実は葉の変形
一般的に花と認識されている部分は、実は「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれている葉の変形です。仏炎苞に巻かれている芯のような部分が、カラーの本当の花にあたります。この苞の厚さや巻きの深さは品種によって異なっています。品種によっては、咲き進むにつれて苞のツヤが増すという特徴を持つ物もあります。
カラーの種類(2タイプ)
湿地性と畑地性に分かれる
前にも触れたように、カラーは湿地性と畑地性の2種類のタイプがあります。タイプによって育て方も異なるので、購入の際にはどちらのタイプなのか、よく確認しておきましょう。
①湿地性カラー
名前が示すように、水辺のような湿り気のある場所を好むカラーです。耐暑性はありますが乾燥を嫌うので、夏の乾燥がひどい時期は注意しましょう。
②畑地性カラー
水はけのよい土壌を好むカラーです。湿地性カラーよりも栽培しやすいため、園芸業界でカラーというと、大体は畑地性カラーを指します。乾燥に強く耐寒性がありますが、その分高温多湿に弱いので、水やりの際はやり過ぎに注意が必要です。
湿地性と畑地性の見分け方
見分け方のポイントは栽培環境と花や葉の特徴
見分け方のポイントとして、まずあげられるのは栽培環境です。湿地性は水辺や湿地を好み、畑地性はやや乾燥気味の環境を好みます。見た目の見分け方のポイントとしては、花の大きさや葉の形状、花色があげられるでしょう。
①湿地性カラーの特徴と見分け方
②湿地性カラーの特徴と見分け方
畑地性カラーは、湿地性に比べると花はやや小ぶりで草丈は約60cm、葉の形状はハート形もあれば細長く尖った形もあります。斑入りの品種もあるなど、バラエティ豊富なのが特徴です。この特徴から葉の観賞価値が高く、観葉植物としても扱われています。花色も豊富です。白以外にも黄色や赤色、紫色などが流通しています。花の形状は湿地性と比べると小ぶりで細く、先が尖っているのが特徴です。そのためシュッとした印象を受けます。
カラーの育て方
ここからは、カラーの育て方について紹介します。湿地性と畑地性の2つのタイプがあり、タイプによって栽培方法が異なるのが、カラーの育て方の最大重要ポイントです。カラーを購入する際は、どちらのタイプなのかよく確認しておきましょう。
育て方のポイント①栽培環境
日当たり
カラーは湿地性も畑地性も日光を好むので、日当たりがよいことが絶対条件です。ただし、真夏の直射日光は葉焼けの原因になります。遮光ネットなどで日差しを和らげたり、移動できるように鉢植えにしたりするなど、直射日光を避ける工夫をしましょう。特に畑地性は高温多湿に弱く、最悪枯れてしまう恐れがあるので注意が必要です。
日照不足は株が軟弱になって、茎が折れる、倒れるといったトラブルの原因になります。鉢植えでも地植えでも、必ず日当たりのよい場所を確保しましょう。
日のよくあたる場所でも育ち過ぎて葉が茂り過ぎた結果、茎が倒れることがあるよ。その場合は茂り過ぎた葉を整理したり、倒れないようにワイヤーで囲って支えておこうね。
土・用土
好む土壌は正反対
湿地性カラーと畑地性カラーは、日照条件はほぼ共通していますが、好む土壌は全然違います。自分で土作りする際は、配合に注意しましょう。
- 湿地性カラーは水もちのよい土を好みます。赤玉土(小粒~中粒)6:腐葉土4の割合で土を作るか、鹿沼土を用意しましょう。地植えの場合は、植え付ける2週間前に掘り上げ、土に腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 畑地性カラーが好むのは、水はけのよい土です。赤玉土(小粒~中粒)5:腐葉土3:川砂2の割合で土を作るか、市販の草花用培養土を用意しましょう。地植えの場合は、植え付ける2週間前に掘り上げて、土に腐葉土を混ぜ込んでおきます。
腐葉土には水はけをよくする効果があるんだ。地植えで使う土に混ぜ込む際は、カラーのタイプに合わせて量を調節してね。
出典:写真AC