卯の花(うのはな)とは?
卯の花と聞くと、まず最初になにを思い浮かべますか?多くの方がイメージするのは、スーパーで売られているおからではないでしょうか。低カロリーでお財布にも優しい食材「おから」は使い道が広く、炒め物や煮物など様々な食べ方があります。このおからの別名であり、おからを使った料理の総称として、卯の花の名前が用いられています。
同じ名前の植物が存在する
ヘルシー料理には欠かせない材料の卯の花ですが、その卯の花と同じ名前を持つ植物があることをご存じですか?名前を聞いたことがなくても、生垣や観賞用として庭に植えるなど、身近に存在する植物です。今回はこの植物の卯の花の特徴なども紹介していきます。
卯の花(うのはな)の特徴
植物としての卯の花
学名 | Deutzia crenata(和名:ウツギ/空木、花の別名:卯の花) |
属性 | アジサイ科ウツギ属 |
分類 | 低木の落葉樹 |
樹高 | 2m~4m |
時期 | 開花:5月~7月 |
日本の広い範囲に分布する樹木の一つに、空木(ウツギ)という落葉樹があります。ウツギは幹や枝の髄が中空という特徴があり、”空の木”からこの名前が付けられました。またウツギの花は、卯月(旧暦の4月)に咲くことから卯の花と呼ばれるようになり、初夏の風物詩となりました。これがウツギが卯の花と呼ばれる由来です。ウツギは白色の小さな花を、一度にたくさん咲かせます。
食材としての卯の花
煮物が定番の食べ方
卯の花は豆乳をしぼった際に残るしぼりかすで、豆腐を作る過程でできます。しぼりかすといっても、たんぱく質や食物繊維が多く含まれており、低カロリーで栄養価の高い材料として注目されています。人参やネギなどと一緒に炒り煮にしたり、ひき肉と一緒に混ぜ込んでハンバーグにしたりする食べ方が人気です。
卯の花(うのはな)の由来
植物である卯の花の由来を紹介しましたが、おからはなぜ卯の花と呼ばれるようになったのでしょうか。そこにはウツギの花(卯の花)が関係しています。
卯の花はゲン担ぎ
元々は、おからの”から”の部分が”からっぽ”を連想させ縁起が悪いことから、白く細かいおからをウツギの花に例えて卯の花の別名をつけたとされています。おからには他にも別名があり、包丁を使わずに調理できることから「雪花菜(きらず)」、からっぽとは逆の「大入り」とも呼ばれています。また、関西では卯の花と名前の付くものはおからを使った料理を指すことが多く、関東ではおからそのものを卯の花と呼ぶことが多いです。
次のページでは、卯の花の食べ方についてご紹介します。