アレチヌスビトハギとは
アレチヌスビトハギは雑草の一種です。北アメリカが原産で、比較的近年日本に帰化した外来種です。草丈は50cm~100cmで、分布は関東から西に多く、道端や休耕地、荒れ地でも見ることができるマメ科の植物です。「ヌスビトハギ」という名前は、実の形が「泥棒の忍び足の足跡」に似ているからだといわれています。
アレチヌスビトハギの特徴
アレチヌスビトハギの葉は3枚の葉が一組でついているという特徴があります。葉の大きさには個体差がありますが大体長さが5cm~8cmくらいです。葉の下の面には細かい毛が生えているのも特徴です。それでは、他の特徴もご紹介いたします。
アレチヌスビトハギの特徴①花
アレチヌスビトハギの花は可憐な紫色で、蝶のような特徴的な形をしています。花の大きさは同種のヌスビトハギよりも大きめの長さ6cm~9cmで、花が咲く時期は7月~9月です。花は昼間は咲いていますが夕方になるとしぼんで色が変わります。
アレチヌスビトハギの特徴②実
アレチヌスビトハギの実は、4~6節にくびれています。厚みはあまりありません。節の形は三角形に近いですが、角は丸みを帯びています。1つの節に1つずつ種が入っていて、この実が少々厄介な性質を持っています。実の表面には鉤(かぎ)のような形をした細かい毛が生えていて、衣服などにくっつきます。
アレチヌスビトハギの見分け方
アレチヌスビトハギに似ているもので代表的なのがヌスビトハギです。見分け方は葉と実の形です。ヌスビトハギの葉は1枚で付き、実は節が深くなっています。他に茎まで毛が生えているケブカヌスビトハギや、実の数が少ないアメリカヌスビトハギ、花の色が白いイリノイヌスビトハギなどがあります。
アレチヌスビトハギはひっつき虫?
そもそも「ひっつき虫」とは何のことをいうのでしょうか。ひっつき虫とは植物の実(種)の中で、何らかの方法で動物の毛や人間の衣服などに実を「ひっつける」ことができるもののことをいいます。アレチヌスビトハギの実は鉤(かぎ)のような形の毛を使ってひっつけるのです。そのためアレチヌスビトハギも「ひっつき虫」の仲間といえます。
アレチヌスビトハギを駆除する方法
アレチヌスビトハギを駆除することは容易ではありません。アレチヌスビトハギには太い地下茎があるので、たとえ地上部を刈ったとしてもすぐに再生してしまいます。また、実が出来た後に刈ってしまうと、かえって増えてしまうことがあります。そのため、有効な方法は除草剤を使用することです。地下茎を枯らす効果のあるものを選び、説明書に従って適切に使用すれば増やすことなく駆除することも可能です。
まとめ
アレチヌスビトハギはその可憐な姿とは裏腹に、遠い異国で雑草と呼ばれながら強かに生きています。実が服にくっついてしまうと取るのも大変ですが、子供の頃はむしろ野遊びの一部になっていたのではないでしょうか。アレチヌスビトハギの実が服にひっついているのを見つけたら、少しの間、童心にかえってみるのもいいですね。
出典:写真AC ヌスビトハギ